six Ugly / Dir en grey | 夕暮れビジュアル鑑賞会

夕暮れビジュアル鑑賞会

V系を中心にロック、アイドル等々の、音楽レビュー処

 どうもー。今回もDirです。前回の『鬼葬』とセットのようなイメージのあるミニアルバムです。

 僕はこのミニアルバムからDirを聴き始めたんですよね。初めはこのハードさにただただ打ちのめされ。その後何度か間隔をあけ耳も慣れた頃にはすっかり虜です(笑)。更に激しく変貌したDIR EN GREYになる前に聴いておいて良かったです、もっともっとV系を知るきっかけにもなりました。

 

 

 

six Ugly』

 

01.Mr.NEWSMAN ★★★☆

 Die作曲。ミョンミョンとした単音リフと轟音リフで疾走。エフェクトボイスやファルセットなど様々な声を重ね、サビではゆったりとしたメロディが心地よい。サビで落ちることによってそれ以外のパートの疾走感が気持ち良く映える。ユニゾン志向がさらに強化されたことがわかる。人気曲。

 

02.Ugly ★★★

 Shinya作曲。複雑なリズムパターン上に薫とToshiyaは重々しく、Dieは不穏なフレーズをぶつけ異様な雰囲気を醸し出す。ぐちゃぐちゃなエフェクトボイスと、頭を強く殴られたような衝撃を与える強烈なユニゾンとデスボイスが心地よい。展開やメロディーは少ないものの、暴れ曲として申し分ない。まさに「Destrution」

 

03.HADES ★★★★

 京作曲。ノイズギターからお得意のユニゾンリフへ、こちらはヘヴィながらキャッチーな疾走感。自由自在に声色を使い分けるボーカルが面白い。サビ前のオリエンタルなギターとファルセットの絡みがツボ。シャウトで攻めるサビも気持ちが良い。Dieらしいかきむしる様なギターソロも熱い

 

04.umbrella ★★★★★

 Shinya作曲。軽快なドラムとユニゾンリフから実にシンプルながらテンションが高い。ラップのように言葉を詰め込むAメロ、パンク然としたキャッチーなサビまで全てが爽快。荒々しく掻き毟る演奏も心地よい。

 高2の文化祭でこの曲とガゼットの「Cassis」という謎の組み合わせ(笑)、まさかのギターボーカルで出演しました(笑)

 

05.children ★★★☆

 Die作曲、「太陽の碧」のc/wを再録。元々のリズム感はさほど変わらないものの、よりラップロック寄りに。Aメロは完全にラップに、ツタツタ疾走だったサビもHIP HOP調に。元のV系らしさも良いですが、完全にハードコアミクスチャーと化した再録版の方が好き。重厚かつファンキーな演奏、ベースソロも良い。

 

06.秒「」深 ★★

 薫作曲、インディーズ時代から再録。ラストもヘビーなユニゾンリフで攻める攻める。楽器はひたすらリフを刻み、ボーカルもシャウトのみ。否応にも拳を上げ頭を振り乱したくなる、これはライブでは気持ち良いだろうなあ。でも、それだけ。CDで聴く分には同じフレーズの繰り返しなので飽きる。原曲よりはかっこいいけどね。

 

 

総評 [お気に入り度★★★☆/おすすめ度★★★

 ラウド・ハードコア路線を突き詰めたミニアルバム。休憩時間一切無し、汗だくマッチョな26分間。アルバムとしての構築美は一切排除、ただただハードでヘヴィさを求めてミニアルバムという形態。実際どう始まってどう終わってもいいような選曲ですね。

 メロウさは皆無と言っていい。ただパンクテイストも強くキャッチーではある。最近の曲よりは格段に聴きやすいものの(笑)、6曲とは言えちょっと耳が疲れるかも。ドライブなんかにはいいねー。アクセル踏みすぎそう(笑)。

 

 新たな(特に男性)ファンは獲得できたでしょうが、V系であったDir en greyが好きな人には当時どうだったのだろうなあ。人気に陰りが、なんてことはありませんでしたけどね。

 今作と『鬼葬』から得たものを融合、更に進化させた作品として名盤『VULGAR』が生まれるのだから、必要な進化だったのだと思います。

 

ベストソング / umbrella