どうもー。3連休が終わりますね。死にたいですね。今回は僕がガゼットにハマるきっかけとなったアルバムです。
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蛾蟇
2,178円
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『蝦蟇』
01.anagra
SE。今回のテーマである「下水道」や「薄汚い」をテーマに不穏さを重視。重めのHIP-HOPな感じ。『DISORDER』のSEに近いか。
02.COCKROACH ★★★☆
ルキ原曲。スラップが光るラウドミクスチャー。リバーブを効かせたドラムが下水道のいや~な湿気を、あえて濁った音使いが元気に這い回るゴキ〇リを感じさせる。「赫い鼓動」で登場したBチューニングを採用しつつ、ノリのいいラップパート、シンセも入ってキャッチーなサビと、ただ重いだけではない。コアな楽曲ながら、ゴ〇ブリの如く嫌われても力強く生きるという前向きな精神性。
ライブではかなりの定番曲ですが、CDのほうがアレンジをしっかり楽しめて好きですね。なにより僕はこの曲でガゼットを好きになったのでね、CDそのものに思い入れが強くて。
03.Last bouquet ★★★★★
麗原曲。哀愁漂う疾走ロック、というとナイトメアのレビューでよく使ってますけど、ガゼットがやると何でこんなに泥臭いのだろう。低音を活かしたボーカルは次第に熱を帯び、哀愁振りまくルインギターを挟んでの切なすぎるサビが最高!!!!シンバルのアクセントも軽快で良い。甘く叙情的なギターソロも最高の高。
大サビの疾走感と泣きのメロディが最高すぎるぞー!!!!!6分半と長いけど、それを感じさせない展開の多さ。初期の歌モノ路線をブラッシュアップさせた名作。身勝手な男からの最後のはなむけを描く歌詞も、すげー刺さる…!15周年ライブで奇跡の復活…嬉しかった…。
04.Katherine in the trunk ★★★☆
麗原曲。歌謡ロカビリーテイストで、前曲と同じくキメの多い疾走曲。演奏陣それぞれ荒々しくも手数が多く、渋いフレーズを多数披露。巻き舌でまくし立てながらメロディはしっかりキャッチー。バトル形式のソロもノリが良い。ライブで爆発しそうな曲だけど、バンドの路線も変わって生き残りませんでした…。
05.Sugar Pain ★★★☆
葵原曲。極悪リフと官能的な母子の生々しいセリフが印象的な近親相姦ソング。転じて禁じられたものから抜け出せない様を描く。極悪リフとシャウトで爆走しつつ、妖しくエロティックなメロを融合させ、サビでは切なさが顔を出す。展開の多さはミクスチャー的ながら、一貫してダークでコア、昔のセクシー映画のようなジメっとして陰鬱な雰囲気に満ちている。ライブでは葵の妖艶なパフォーマンスに悲鳴が飛ぶ。
総評 [お気に入り度★★★☆/おすすめ度★★★]
この音源からガゼットに入ったのもあって、少し特別かもしれない。特に「Last bouquet」は好きすぎてしまってるので。些細なことですがルキより麗原曲のほうが収録数が多い数少ない音源です。
パンキッシュな1stフルアルバム、メロウで美しい「reila」を経て、このミニアルバム。正直フルのほうが嬉しいのだけど、ロングツアーから自身に必要な音楽性が定まり、熱の冷めないうちに形にしたかったのだと思う。明らかに、楽曲が纏う空気が変わってきた。いつも通り手広く方向性を模索しつつ、より鋭く、より重厚に、より爆発力を求めた結果が表れているのかなと。
今聴くと、中々特殊な立ち位置に感じる。全てが今後の音楽性に繋がっているわけでもないけど、「COCKROACH」「Sugar Pain」がもたらした影響は大きい。同年に事務所としても新体制を敷き、「the GazettE」に表記も変え実質のメジャーデビューとなる彼ら。この『蝦蟇』はそれ以降とも、"大日本異端芸者"とも違う空気感が楽しめる。
今作を引っ提げてのツアーは映像化されていないのが悲しい。国際フォーラムで結構大きなライブだったのにね。
ベストソング / Last bouquet