DISORDER / ガゼット | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 どうもー。今日で休み終わりですよ。最悪だよ。昨日は車で出かけていたところ急に友達に呼ばれて、食事からのキャバクラへ。さすがに酒飲んでないと辛いですね。女の子はみんな可愛かったし、2人もバンギャちゃんがいて嬉しかったですけどね。ただそれぞれvistlipギャとthe Raid.ギャなのであまり話も弾まず(笑)。ちゃんとその辺の世代のも聴いとかなきゃなあ。

 

DISORDER DISORDER
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 新年一発目の音源レビューは、ガゼットの1stフルアルバムです。当時中々手に入れられなくて悔しい思いをした作品。でもやっとの思いで聴けて、今でも好きな作品です。

 

 

DISORDER』

 

01.Intro

 HIPHOPのリズムに英詩ラップ?後ろでサイレンが鳴ってたり、今作のテーマの一つである"ワル"な感じを打ち出したSE。

 

 

02.The $ocial riot machine$ ★★★★

 葵原曲。テンポがコロコロと変わり、アルバムタイトルである「無秩序」「混沌」を体現したカオティックハードコア。歌詞も無くひたすら叫ぶだけ、だけど妙な気持ちよさと勢いでドーパミン全開。

 かなり人気のある曲でDISORDERと言えばこの曲。2005年頃、深夜にKagrra,と特番をやっていたんですが、少しライブ映像が流れ、なんつーかっこいい曲だ!と衝撃を受けましたね~なつかし。

 

 

03.Carry? ★★★☆

 ルキ原曲。フランケンシュタインをモチーフに、ヘヴィリフで攻めつつ少し無機質なサウンド。サビではメロウな表情を見せるドラマチックな美メロ!ラップメタル的なパートがあったり展開は「No.[666]」に近いかもしれない。

 

 

04.ザクロ型の憂鬱 ★★★★★

 シングルの頁参照。シンセが強い歌モノだけど、テンポはいいので意外とこの流れも悪くない。

 

 

05.Maximum Impulse ★★★

 麗原曲。こちらもハードコアパンクなサウンド。「最大級の衝撃」のタイトルが表すのは、音楽に目覚めた初期衝動。それをドラッグのトランス状態に例え、サビで妙にポップでハイテンションになるのもキマッてる感じ。パンク全開でまさにライブ向きの一曲。

 

 

06.花言葉 ★★

 葵原曲。アコギを基調としたメランコリックな歌モノ、実に葵らしい。ドラムアレンジが凝ってて耳が楽しい。サビでは情念めいたメロディを披露、悲恋系の歌詞とリンクしなかなかにエモーショナル。ちょっと歌唱力が追い付いてない感じ。低音も高音も、流石に今聴くと物足りない。

 

 

07.東京心中 ★★★★★

 ルキ原曲の、THE昭和歌謡。駆け落ちて悲劇的結末を描く歌詞から、歌謡路線をつっぱしるレトロな香りが堪らん。日本人的にスッと入ってくる。雰囲気は一辺倒で飽きやすいきらいはあるけど、ただただ良メロでドラマチックな展開。歌中の葵のバッキングが実にニクい。ラスサビ前の3:50あたり。ベースも初期のような歌うベースラインで楽しい。

 

 

08.SxDxR ★★☆

 ルキ原曲、再びロックンロール路線へ。初期からあるロカビリー・ガレージパンクの匂いが強い。サビで超ポップなオイ!パンクになるとこは後期黒夢っぽかったり。良くも悪くもサラリとした聴き応え。

 

 

09.Anti Pop ★★★

 れいた原曲ですが作ってきたのはイントロだけらしいです。ジャズセッションなイントロから、一気に高速のハードコアパンクへ。媚びたバンド=昔の自分たちに対するアンチテーゼ。3分程でパリッと軽快、暑苦しいメンバーコーラスも勢いがあって爽快。余計な贅肉がないのが逆にガゼットらしさに欠ける。

 

 

10.七月八日 ★★★★☆

 ルキ原曲。タイトルでもうピンとくる、代表曲「別れ道」の2年後を描いた哀愁疾走ロック。イントロ、コード、テンポ、転調から何から一瞬でわかるほど続編を意識。ただ歌詞は未練たらたらでとにかく女々しい!「女々しくて」の3倍は女々しい!!歌詞に合わせ切なさを強めたアレンジ、アコギがいい味。この曲も葵のバッキングが良い。もちろん麗のギターソロも泣きが入ってて最高。

 

 

11.さらば ★★☆

 麗原曲、3連の歌モノ。反戦をテーマにした色々と重めの楽曲、メロディは歌謡路線で聴きやすい。神風特攻隊に敬意を払いつつ、彼らなりに明確に反戦を表明。ラスサビではキャッチーに広がりを見せ、大団円的な。

 ただラストのルキの語りがヤンキー入っててちょっと笑える。

 

 

12.Disorder heaven

 EDのSE。これもまたワルな感じで、なんとも不穏な終わり方。今手元にCDないのですが、歌詞カードにはheavenがheabenとなっていたような…。hevenだっけな。なぜか公式サイトにSE2曲の表記がないのでわかんないですけど。

 

 

総評 [お気に入り度★★★★/おすすめ度★★★☆

 5枚のミニアルバムと数枚のシングルを経た、ガゼット待望の1stフルアルバム。PSCOMPANYに限らずですがほんとにインディーズのV系ってミニアルバム多いですよね。利益は出るんでしょうが…。

 

 テーマとしては冒頭の通り「ワル」、そしてタイトルの「混沌」。今作はV系の王道路線ではなくハードコアやパンク色を強めた楽曲たち。ヘヴィではないものの疾走感に溢れる。その一方歌モノな歌謡路線をさらに突き詰め、非常にメロディアス。

 

 個人的に大好きな作品ではありますが名盤と言える程でもない。曲は幅広くメロディも良いけど、テーマがあるにも関わらず相変わらずの散漫さ。結局好きなのは歌モノですし。

 ほんとに軽めな作風。その辺はまだ結成3年目、1stアルバムの勢いと荒らさがある。ただ同年代のバンドでここまでのクオリティのバンドはあまりない。メンバーの向上心と、献身的なスタッフのサポートの賜物かと。

 

 日比谷野外音楽堂でのライブを成功させまさに快進撃を始めた時期ですが、リアルタイムで通っていないため、この作品がファンやシーンにとってどんな受け取られ方をしたのかはすごく興味がありますね、今作までがいわゆる"異端芸者"サウンドかなと。次作の『reila』から一気に大人びていくので。

 

ベストソング / 東京心中