Cut ~Early Songs Best Selection~ / Plastic Tree | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 次はほぼ再録のベストです。『Parade』の曲はさすがに最近すぎるので無し。

 

 

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Cut ~Early Songs Best Selection~』

 

01.サイコガーデン ★★★

 インディーズ時代唯一のアルバム『Strange Fruits -奇妙な果実-』より再録、どちらも1曲目。エフェクティブなベースとSEがサイケデリックな雰囲気を出し、グルーヴィなギターリフへ。妖しげで無機質だけどダンサブルなノリを持った独特な曲。ギターソロもテクニカルで面白い。

 原盤が手に入らなくてYouTubeでしか聴いてないんですが(スイマセン)、原曲とは結構違いますね。原曲はほぼ生楽器で構成、サビのコーラスが男臭く、ラストは発狂。また違った魅力があります。

 

 

02.絶望の丘 ★★★

 『Puppet Show』より。これは原曲とさほど変わらず。音質がきれいになったと同時に、歪みが増して厚みもある。さすがに声はだいぶ違うけど、どっちかというとこちらが好きかな。

 

 

03.エンゼルフィッシュ ★★★★

 「Sink」カップリング曲で、アキラ曲が作品になったのは初めてかな?クリーントーンとアコギを基調に、ふわふわと透き通って壊れそうに切なくて、とてもキャッチー。曲調から歌詞から「まひるの月」を連想させるのだけど、どうなのかな。「Sink」とこれが入ってるシングルなんて超強いじゃん。

 

 

04.まひるの月 ★★★★

 そして関連性があるかわからないけど続いて『Hide and Seek』より「まひるの月」。全体的なイメージやテンポ感は変わらないけど、楽器のエコー感が薄まってよりバンド的に。音質は綺麗になったけど、これは原曲のほうが儚げで好き。もっというと10年後の(Rebuild)バージョンのほうが好き。

 

 

05.May Day ★★★

 『Puppet Show』より。これもほとんど変わらず音質アップ。ギターソロがよりテクニカルになってかっこいい。

 

 

06.ツメタイヒカリ ★★★★

 『Parade』収録の「スライド」「ロケット」の前に発売されていたのに何故か収録されなかったシングル曲。シングル版は聴いたことないっす。ストリングスが美しい雪景色を思わせる。繊細でキャッチ―で、切ないラブソング。

 まあ、確かに『Parade』に入らなかったのもわかる気がする。普遍的なJ-POPとしての名曲ではあるけど、アルバムに入れるには白すぎるというか。いつもの鬱々とした歌詞はもちろんなく、ストレートに美しく表現。その辺かなあ。

 

 

07.プラネタリウム ★★★☆

 続いては直前に発売されたシングル曲。「Sink」系統の、Aメロはゆったりとメロウ、サビで切なく爆発する曲。これも純粋にメロディアスでいい曲、特に言うことなし(笑)。泣きのギターソロがいいですね

 

 

08.エーテルノート ★★★★☆

 『Hide and Seek』より、オルガンが追加されてより軽快に。元々テンション高かったのが、音質含めよりパワーアップした印象で、断然こっちが好き。

 

 

09.痛い青 ★★★

 アコギやエフェクト、コーラスが追加され、また違った雰囲気に。まとまりがでて聴きやすくなった。基本的に音質がキレイな方が有難いのだけど、これはどうかなー。どちらかというと再録が好きだけどまとまりすぎてる感はあって、物悲しさ湿り気は原曲のほうが強い。

 

 

10.twice ★★★☆

 『Strange Fruits -奇妙な果実-』より。原曲はギターがすべてクリーントーンだったけど、軽く歪が加えらたりしてますが、さすがにインディーズより大幅に音質アップ。元々歌謡曲テイストでメロディが良いので、こういった形で手に入りやすいのは嬉しい。切なくメロディアス、まさに隠れた名曲。

 

 

11.ぬけがら ★★☆

 『Puppet Show』より、「」が無くなってます。大筋は変わらないものの、サビの轟音と悲痛なエモーショナルが融合したインパクトは薄くなってます。自分は原曲からそこまで好みではないからいいんだけど、原曲が好きって人のほうが多そう。

 

 

12.割れた窓 ★★

 『Hide and Seek』よりデビューシングルの再録。こちらは原曲よりボーカルの音質は上がったんだけど、バンドはより荒々しく。これも原曲のほうがいいかなー、ちょっと声とバンドでちぐはぐしてしまった感じ。

 

 

13.クリーム ★★★★☆

 『Strange Fruits -奇妙な果実-』およびPuppet Show』より、曲順がライブっぽく最後に配置。「エーテルノート」と同じく少しエフェクトになりつつも純粋にパワーアップしてますね。

 

 

総評 [お気に入り度★★★☆  おすすめ度★★★★

 メンバー選曲かつ「プラネタリウム」以外すべて再録のベストアルバム。単なるシングルコレクションではないとこがいいですね。インディーズ自体の音源は手に入りにくいですから、当時の音源でなくとも聴けるだけでうれしい。

 とはいえ、メジャー後の音源は3.4年しか経ってないせいか大幅なアレンジはなく。音質の向上は甚だしいですけどね。綺麗なものはより綺麗になったのは嬉しいけど、当時にしかなかった勢いや荒々しさまで削られてしまっている曲もあったり。

 初期からファンだった人にはどう映ったのだろうなー。その辺は好みとしか言いようがないですけど。

 

 初期の音源を聴くのに二の足を踏んでるような人には(自分です)、入り口として非常にお勧めしやすい作品。陰鬱なのとか激しいのは全く入ってないですけど、その分かなり聴きやすい。

 ただ手っ取り早く入手できるかというと、このCDも古いので…(笑)。正規で再販してくれないかなあ。BOXセットとか全然買うよ。

 

ベストソング / エーテルノート