REAL ME -95ページ目

綺麗になりたくて

誰のためでもない、君のために


君だけには世界一可愛いって思われたい

もっと愛して



Android携帯からの投稿

未知なるモノに自分の一部を操作されるということは

想像以上の恐怖を伴う。

あの日、燃え上がる自分の家を見上げながら、そう感じた。
きっと火をつけたのは私だけれど、私ではない。

隣で同じように二階の部屋を見上げ、唖然と立ち尽くすこの男には決して分からないだろう。

何故かその部屋とその下にしか燃え広がらない炎を見て、私は"アレ"が炎まで操ることが出来るのではないかと考えざるをえなかった。



我に返った私は、慌ててまだ炎があがっていない自分の部屋に向かう。
散らかった部屋は熱を帯び、見えない炎で焼かれるような痛みを皮膚に感じた。

こう焦っていると何が大切で今持ち出すべき物なのかという判断がつかない。
とにかく目につく物を無我夢中で袋に放り込んだ。


急に体の自由がきかなくなるのを感じた。
…まただ。

ワタシは、大きく息を吸って、ゆっくりと吐き出した。
喉の奥がちりちりと焼ける。

これまで味わったことのない感情が沸き上がってくる。
喜びのような達成感のような、優越感のような、何とも表現し難い感情だった。

ワタシは、クスクスと楽しそうに笑った。
何故このような気持ちになるのか分からなかったけれど、次々沸き上がってくる感情には逆らえなかった。

袋を抱えて表に出た。
いつの間にか、あの感情は跡形もなく消え去っていた。
私は自分自身に恐怖を覚えた。私は、ついにいかれてしまったんだろうか。


相変わらず男は二階を眺めながら呆然と立ち尽くしている。

ふと視線を移すと、祖母がしゃがみ込んで何かしている。
その様子に激しく違和感を覚えた。
祖母はこの状況で、月下美人というサボテンの手入れをしていた。
表情はなく、仮面のようだった。


「お婆ちゃん、消防車呼ばなきゃ!」
私は祖母の肩を掴んで叫んだ。

祖母は無表情のままくるりとこちらを見て、
「そんなことしなくていいんだ。放っとけばいい。」とだけ言って、またサボテンの手入れを始めた。


愕然とした。

そうだ、この人と私は同じ遺伝子を持っている。
この人は私よりずっと昔にその遺伝子を持って生まれてきた。

私なんかよりもずっと、深くまで"アレ"が浸潤しているのだろう。

そこで悟った。
もう逆らえないところまで来ている。

恐怖さえそのうち掻き消されてしまうのだろう。

それでもいい。
それでいい。

私は大切そうに抱えていた袋を炎に放り込んだ。
大きく息を吐いて、私はその場を離れた。





てめー何様だよ、連絡くらいよこせ糞ボケ