「そんな怒らんでもいいって…」
と言って勇くんの方を振り向くと、勇くんは私に背を向けて自分を落ち着けるように深呼吸をしてました。
何も言わないで背を向けているので、ポンポンと背中を叩いて言いました。
「お父さんが言う事は当たり前の事だよ。
まだ37歳の長男が、
52歳の女性を連れて来たら誰だって驚く。
お父さんもお母さんも
長男の孫を見たいだろうし、
15も年上の彼女じゃ、
結婚したって孫の顔見れないじゃん。
今37歳でしょ?
今直ぐ年下の彼女が出来たとして
1年後に結婚してすぐ子供が出来ても
生まれた時には40歳。
その子が大学卒業する頃には62歳。
65歳まで働く時代だから
まだ何とかなったとしても
2人目が生まれてたりしたら
定年後も教育費を出さないといけないかもよ。
だから、私の為に無駄な時間を使わずに
ちゃんと将来の事を考えられる人と
付き合わないとダメだよ。
お母さんは大変な思いで
20年間過ごして来たわけで
親孝行をしたいと思うなら
若い子と付き合って早く結婚して
孫の顔を見せてあげやぁ。」
と、つい…熱弁してしまったのです💧
お父さんもお母さんもお姉ちゃんも、
ポカン…って感じで
(しまった💧余計な事言いすぎた…)
と、後悔した瞬間
「本当は私が孫の顔見せてあげられたら
良かったんだけどね…」
と、お姉ちゃんがポツリと言いました。
引きこもりのお姉ちゃんが、
私の話の中で何か感じる事が
あったようです。
でも、誰も「そうだわ!」と突っ込む人はおらず
シーンとなっただけでした。
「お姉ちゃんの子供ももちろん見たいだろうけど
勇くんは親孝行だから
お母さんは特に勇くんの子供見たいだろうし。
私はもう結婚はするつもりはないから、
私に無駄な時間を使わせたら可哀想だと思って。
お母さん、勇くんの子供の顔見たいですよね?」
「そりゃあそうだけどね。」
と、お母さん。
「そりゃあ孫の顔は見たいわなぁ。
でも、あんたは歳がなぁ」
「お父さん💢」
勇くん怒鳴った。
「勇くん、怒らなくていいって💧」
「俺は無駄な時間だなんて思わない。
お父さんは何も分かってないくせに
勝手な事ばかり言うな。
お母さんには悪いけど
孫の顔を見せる為に結婚したい訳じゃないから。」
静かに、でもゆっくりとした言い方で
強い意志が伝わってきました。
「勇がいいならお母さんは反対しないよ。
結婚はともかく、
付き合うだけならいいんじゃない?」
反対しないよと言いながら
反対してるお母さん。
でもまぁ、そこは仕方ない![]()

素直に「反対しないよ」だけ
頭に留めておくとしよう。
気が付けばもう13時が過ぎてた。
「お腹空いたし、行こうか」
勇くんが時計を見て言ってくれたので
私達は勇くんの家を出ました。
〈続く〉