いつもお越しいただきありがとうございます。
初めましての方、こんにちは
登場人物紹介◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
;このブログの筆者。動物のお医者さんやってます。
こう、自己紹介する時に獣医師ですって書くのちょっと嫌です。
なんとなく威圧的というか…
だからと言って遠回しに動物のお医者さんですというと、
めんどくさいヤツと思われそうで悩んでおります。(めんどくさいヤツです)
;動物看護師。おたまちゃんのママ。ついでに獣医師youの奥様。
忍耐とか我慢とかすごく嫌い。
すごくすごく嫌い。
;おたまちゃん。1歳ちょっと児。一日5回のご飯が何よりも好き。
まだ千と千尋は通しで見る事ができません。
集中力が切れてしまいます。(性格の問題)
;二匹の猫。つみれ(三毛)・うなぎ(黒白)と呼ばれます。
ネコさんは飼い主のことを
「大きくてダメなネコ」と思っている。と何かで読んだ事があります。
まぁ、わかる。
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夏の雨の日は誰も病院に来ません。
暑いし濡れちゃうので誰も外に出たくないですよね 笑
しかも本日(かなり前に書いているので過去の話です)は妻さんが研修でいない
私とオタマちゃんでの営業(お留守番)です。
ということは…色々とやりたい放題です
受付に私とおたまさん(いつもは裏で2人で遊んでいます)で座り、BGMにアニソンのオーケストラメドレーを流し、無音のジブリを見ながら事務仕事をする。
子どもが苦手な方には大変申し訳なく思っております。
…と油断しているとですね、患者様がいらっしゃるんですね。
(一瞬ビクッとします。)
一種のジンクスみたいなものです。
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という事で、猫の糖尿病、第3回が始まります。
前回、前々回はコチラ
【ネコ】オシッコが甘い??ネコの糖尿病①
https://ameblo.jp/you-juisi/entry-12509223488.html?timestamp=1568302715
【ネコ】オシッコが甘い??ネコの糖尿病②
https://ameblo.jp/you-juisi/entry-12504788064.html?timestamp=1568302715
やっぱり話が長くなってしまいますね
糖尿病はヒトの方でも有名な病気なので、情報をまとめるのに苦労します
今回はようやく治療のお話。
糖尿病の治療は長期で続く事がほとんどになります。
ですが、糖尿病はうまくコントロールする事で、病気による苦痛をかなり取り除いてあげる事ができる病気なのかなとも思っています。
手間と費用は相当かかりますが、できる限り相談には乗りますので病気に向き合ってもらえると嬉しいです。
と、直接会った方には言えるんですけど…ここでは限界がありますからねぇ…。
(特に費用面では、ネットの獣医さんは何もお手伝いできません)
○治療の目標を立てましょう
確かに、猫さんの糖尿病は治ることもあるとは言いましたが、初めからそれを目標にされると困ってしまいます
目標
①目に見える症状を改善すること。
②ケトアシドーシス(命に関わる緊急の状態)にならない様にする。
③可能であれば、治療を必要としない状態に持っていく。
①と②さえクリアできていれば、よくご飯を食べて、よく昼寝をして、良いウンチをする生活をおくる事ができる可能性が高いです。
○インスリン療法
多分、糖尿病と聞いて一番初めに思い浮かべるのはこの治療なのではないでしょうか
インスリンとは、体の中で唯一血糖値を下げる事ができるホルモンです。
これを外から加えてあげるのがこの治療法です。
1日1〜2回注射してあげるのがオーソドックスなやり方ですね
ただ、このインスリンの量と回数を決めるのがとても大変です
朝インスリンを注射して、1日何回か採血で血糖値を見ていきます。
もしこの日に理想の血糖値にならなかったら、また次の日に少しだけ量を変えて同じことを繰り返していきます。
(ここでかなり費用がかかる事が多いです)
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Q;お金をかけるためにわざとゆっくりやってるんでしょ
と、言われる事があります。
んー…ここで、「違います」と言っても信じてもらえないと思うので、言い訳だけします 笑
・インスリンは超微量でかなり効く(0.01mlとかいう量で注射します。)
・低血糖は命に直結する場合が多い
・つまり、ほんの少し投与量を変えただけで危険な状態になる事がある
・しかもインスリンの投与は飼い主さんにやってもらわないといけない
・インスリンにも色々と種類があるが、その仔その仔によって効き方が全く違う
・同じインスリンでも、使い続けると効き方が変わってくる(効かなくなってきたり、すごく効くようになったり)
などなど…非常に扱いが難しいのです。
だからゆっくりゆっくり時間をかけて様子を見ているんですね
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○食事療法
これ、なめちゃいけません。
とっても重要です。
フードを変更することで血糖値の管理がとてもやりやすくなる事がデータとして出ています
効果としては、
・食後の血糖値増加を穏やかにする
・体重を理想のものに近付ける
といったものがあるので、ぜひ試してみてもらいたいです。
ただしネコさんはワガママである事も忘れちゃいけません。
フードの変更でご飯を食べなくなったり、それによる急激な体重減少で別の病気(肝リピドーシスと言います)になる可能性があるので、あまり無理はしないでください。
………一般的な治療法は以上です
マニアックな方法は他にもありますが、効果がどれほど期待できるか定かではないのでここでは紹介しません。
問題になるのは、元気になった後、それを維持していく事です。
という事で次回は、うまく血糖値コントロールできなくなってしまった場合のトラブルシューティングについてお話します。
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“勝手に動物コラム”
Q;ネギ類は食べなければ、出汁は食べても大丈夫
A;ダメです
ネギ類の中毒成分はスープの中に滲み出てきますし、最強です。
加熱しても壊れません。
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余談、
今回の余談は手短に
獣医師youの実物が院長を務めている我が医院では、毎日内容を変えて病院前に立て看板を立てています。
毎日、「何書こう…」と悩みながら当院の可愛いスタッフさん達が書いてくれているので、この場を借りてちょこっとご紹介させてください