こんにちは
獣医師のyouです。
いかがお過ごしでしょうか。
登場人物紹介◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
;このブログの筆者です。獣医師です。youと呼んでください。
不思議なお茶が好き。この間、カラスノエンドウ茶を飲みました。
が、そこまで嫌いではありませんでした。
雑草っぽい味でしたけど。
;動物看護師。獣医師youの妻さん。おたまちゃんのママ。
カラスノエンドウはやっぱり雑草だと認定。
不思議なお茶は嫌いです。
;おたまちゃん。なんだか人間っぽくなってきました。
ちなみに、おたまじゃくしからこのあだ名はつけられました。
その理由は、ちょっとあれで言いにくいのですが…
でも、そうなると次の子もおたまちゃんになっちゃうんですよね。
;二匹の猫です。つみれ(三毛)・うなぎ(黒白)と呼んでいます。
考えてみれば、このお二方もおたまじゃくしだった頃があるわけで…。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さてさて、いつものように雑談から始まるわけですが、皆様は「獣医師免許」って見たことありますか
動物病院さんによっては、受付などに置いてあるかもしれません。
私は学生時代、運転免許証のような形でお財布に入れて持ち歩けるものだと思っていました。
国家試験に合格し、しばらくすると自宅に届くのですが、届いたものはなんと卒業証書などを入れる筒。
その中に賞状として免許証が入っていました。
さらに驚いたことに、しっかりとガムテープで蓋がされているんですね
ガムテープを剥がすと、筒はボロボロになるわけです。
6年間大学に通って手に入れたものは、ボロボロの筒と賞状でしたというお話
毎年この時期になると思い出します。
せめてカード型にすれば良いのに
と思い続けてもうかなりの時間が経ってしまいました。
今年もたくさんのガムテープ付き筒が送られたことでしょう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
では本題に入りましょう
このシリーズでは、「こんな症状が出たらどのような病気が考えられるのか」を解説していきます。
病院に行く理由って、何か症状が出てからの場合が断然多いですので、何かの参考になれば幸いです。
今日のお題は「嘔吐(おうと)」です。
病院に来る理由としてとても多いのがこの症状。
ヒトの場合、吐くというのはそれなりの理由がある場合が多く、かなりしんどいものでもあるので皆様心配になってしまうんですね。
もちろん、動物さんも様々な病気(というよりほとんどの病気)で吐きます。
ただし動物さんの場合、大したことない場合にも吐くのでその見極めが重要なんです
ちなみに、ウサギさんは普段吐くことはありません。吐くときは死ぬとき、と言われるくらい稀なんです。
○「吐き戻し(口から何かを出す)」=「嘔吐」
結論から言うと、吐き戻したからと言って必ずしも嘔吐では無いんです。
もうすでに、何を言っているんだ…と思われるかもしれません 笑
この時点で答えがわかる方はぜひ獣医さんを目指してください。センスがあります
皆様が「吐く」と思われているものには2つあります。
『嘔吐』と『吐出』です。
見た感じで何となく区別はできるのですが、それを言葉で説明するのは難しい
なので、せめてイメージだけでも付くといいかと思います。
・『嘔吐』とは
簡単に言うと、頭の中にある嘔吐中枢という部分が何かしらの原因で刺激された時に起こるもので、胃の中のものが出てきます。
なので、結構気持ち悪い
吐く前にペロペロしている・唾を飲む・不安そうにフラフラすると言った行動が見られます。
・『吐出』とは
口から胃までの間、つまり食道に何らかの原因で溜まってしまったものが外に出てくること。
これは、嘔吐中枢は働かないので気持ち悪く無いんですね。
さらに、胃液はあまり混ざっていないことがほとんどです。
この2つ、症状としては大差無いのですが、病気を診断していく上で大きな手がかりとなります。
では、どんな病気が『嘔吐』と『吐出』の原因となるのか見てみましょう
○『嘔吐』の原因
あまりに多すぎるので、かなり端折っていきますが…
[消化管に対する刺激]
・食べ過ぎ
・炎症⇨胃炎・腸炎・その他の臓器の炎症(膵炎・胆嚢炎など何でもです)
・通りにくい⇨胃腸が詰まっている、ねじれている、細くなっているなど
・潰瘍ができている
・激しい咳や、異物が詰まっているでも吐きます。
[薬物]
・催吐剤⇨異物を吐かせる時に使います
・抗がん剤⇨吐くという副作用があります
[消化管以外に原因]
・内分泌疾患(ホルモン病)⇨アジソン病、甲状腺機能亢進症、糖尿病性ケトアシドーシス(どれも嘔吐中枢を刺激する状態になります)
・腎不全⇨体の中に毒素が溜まった結果、嘔吐中枢が刺激されます。
・肝不全⇨腎不全と似たような状態で気持ち悪くなります。
・頭の中の病気⇨腫瘍、水が溜まっているなど
・ストレス(精神的なもの)⇨怖い、不安、痛み、臭いなどなど
・乗り物酔い
細かいこと言ったらまだまだあります。
ちなみに、
「お腹が減りすぎて胃液を吐いた」
「離乳を促すために吐き戻して仔犬に与えている」
「草を食べて胃の掃除をしている」
「溜まりやすいのか、よく毛を吐く」
といったことは、確かに問題ない場合もあります。
が慢性的な場合は大きな病気が隠れていることも十分にあります
○『吐出』の原因
こちらも端折って挙げてみます。
・食道が狭くなっている⇨異物や腫瘍、リンパ節の腫れ、心臓の腫瘍
・食道が伸びきってしまっている⇨巨大食道症
・食道の運動性が悪い
・いくつかのホルモン病 など
と、ちょっと雑ですが食道に何らかの原因がある場合です。
とまぁ、今回は病気の原因を羅列しただけで終わってしまいました。
でも症状からどれだけ多くの病気を挙げられるか、が病気を見つけるための第一歩です
ここで挙げられない病気は見落とすことになってしまいます。
次回は『嘔吐の分類』(さらに分類するんかい)と診断の進め方について書いていきたいと思います。
ではまた来週
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
“勝手にイヌ・ネココラム”
Q;イヌ・ネコさんの妊娠期間って知ってます
A;約60日。
2ヶ月で出てきちゃうんですね
父親になる気持ちの準備とか言ってる場合じゃありませんね
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
余談は都合により休載とさせて頂きます。
今週はここまで!
最後まで読んでいただきありがとうございました
また、来週