3月30日 前橋地裁 1号法廷 14:30
刑事第1部3係  高橋 貞幹裁判官
検察官 ♀1.   弁護人♂1

『大麻取締法違反』

被告人  N (20代男性)

【公訴事実】
被告人は、みだりに平成30年1月30日 群馬県○○市△△町XXX蕃地★★アパート☆☆方において大麻草6.277グラムを所持したものである。

【罪名及び罰条】
大麻取締法違反   同法 24条の2 第1項

【罪状認否】
「間違いありません」

【冒頭陳述】
被告人は高校卒業後、職を転々とし、犯行時は無職であった。群馬県○○市☆☆方に居候をし生活をしていた。被告人には住居侵入の前歴が1件ある。平成29年11月頃☆☆方に居候した際「大麻に興味はあるか?」と聞かれ、あると答えた。平成29年下旬に☆☆から大麻を受けとり使用を開始した。平成30年1月30日午前に県警の捜査員による☆☆方の家宅捜索にて発覚した。

【検察官証拠請求】
・甲号証
被告人を緊急逮捕手続きした状況。
平成30年1月30日に銃刀法違反で家宅捜索が行われた際、被告人の部屋から植物片が発見され、改めて大麻草差し押え捜索許可状発行後、捜索し押し入れの天袋から植物片を押収した。
植物片の鑑定嘱託書。
鑑定書  重量4.688グラム。
ガラスパイプ写真貼付。
被告人の携帯電話にパイプの注文をしたやり取りを写真撮影したもの。(2017.11.17注文確定)
☆☆供述調書。「部屋は被告人の部屋である」
・乙号証
パイプ購入状況。大麻入手状況。
被告人供述調書「☆☆に大麻に興味はあるかと聞かれ、ストレス発散になるかと思い、あると答えた。金銭は要求されなかった。押し入れの天袋に保管して、週2回位使用した。当初は☆☆の氏名は出していなかったが、裏切られたという気持ちから、正直に話そうと思った」

【証拠物提示】チャック付パケ×2袋
検察官「これはあなたが持っていたものですか?」
被告「はい」
検察官「もういらないですね?」
被告「はい」
あっ!このやり取り懐かしい(//∇//)
押収物が証拠提出された場合は必ず被告人に提示し確認させるのですが、、殆どの場合は「いらないですね?」「はい」となりますが、とある裁判所で料理人だった被告が包丁を検察官から「いりませんね?」と問われ「いやー、料理人なので必要だからいります」と答えたとか………
(◎-◎;)

【弁護人請求】
書証1点、人証1点

弁1.  反省文 「犯行を認めている。反省をしている。☆☆の連絡先を削除する。今後は真面目に働く。もう2度と犯罪を犯さない」

【証人尋問】情状証人  父親
《主尋問  》
弁護人「今回の件、どうやって知った?」
証人「4月下旬にN(被告)から話したいと言われ待っていたが音信不通になり、安否心配で警察に電話して、その日前橋東署から電話あり2月下旬に逮捕されてると」
弁護人「どう思いました?」
証人「晴天の霹靂でした」
弁護人「保釈金はどうやって?」
証人「支援協会にお願いして…」
弁護人「被告人とどこに戻った?」
証人「自宅です」

《反対尋問》
検察官「どうして群馬に行くと聞いた?」
証人「一緒に仕事しようと持ちかけられて、その相手が群馬に住んでいると」
検察官「どういう仕事しようと聞いていた?」
証人「為替です」
検察官「具体的に」
証人「外国為替証券市場…」
検察官「仕事は上手く行っていると話していた?」
証人「はい」
検察官「結局、仕事はしてなかったみたいだが把握してた?」
証人「ネットでの仕事なので表れにくいと…」
検察官「逮捕されたが父としてどういう気持ち?」
証人「私は教育過程では常に向上心を持つよう言ってきたが今回の事のようになり、痛恨の極みです。今回の事の重大さを認識して、これから胸張って生きていってほしいので充分な監督したい」

【被告人質問】
《主尋問》
弁護人「大麻を使ったのは初めて?」
被告「はい」
弁護人「前から興味はあり違法なのも知っていた?」
被告「はい」
弁護人「パイプをAmazonで購入していたのは吸うため?」
被告「はい」
弁護人「違法なのもの手にしてどう思った?」
被告「マズイなというのと、持っていたら犯罪だという気持ちありましたが受け取ってしまいました」
弁護人「逮捕され、留置場入ってどう思った?」
被告「逮捕され初めて留置場入り、自分のした事の重大さを知って毎日毎日…反省して後悔する日々でした」
弁護人「どうすれば良かった?」
被告「興味はあるか聞かれた時きっぱり断れば……関係ない人と関わらなければ良かったと…」
弁護人「暴力団に所属した事は?」
被告「一切ないです」

《反対尋問》
検察官「☆☆と、どうやって知り合った?」
被告「ネット関連で知り合った人の紹介で」
検察官「平成29年11月に来ているがその時に知り合った?」
被告「はい」検察官「誰を介して?」
被告「△△■■です」
検察官「経緯は?」
被告「LINEを介してやり取りしていて、一緒に仕事しないかと誘われて、その時☆☆を紹介してもらいました」
検察官「△△■■とはどんな仕事を?」
被告「元々、為替やYouTube関連ねもの作成したりしていて動画やエンターテイメント事業を興そうと」
検察官「どういう素性か知っていた?」
被告「1度◎◎県へ来て、食事して話しする中で素性聞いて危ない人と思わなくて」
検察官「☆☆は大麻やる人物と思った?」
被告「全然…」
検察官「1月の捜索の時に何か見つかった?」
被告「覚せい剤が…」
検察官「あなたは知らなかった?」
被告「プライベートには全く触れなかったので」

《裁判所補足質問》
高橋「為替とは?トレーダー?」
被告「はい」
高橋「それで、儲けてた?」
被告「あまり…大きくは…」
高橋「群馬では何をしようと?」
被告「YouTubeで動画やろうと」
高橋「☆☆はYouTubeは?」
被告「関わってます」
高橋「☆☆に貰った大麻はあなたのもの?」
被告「はい」
高橋「今後はどうして行きたい?」
被告「社会に貢献したいので真面目に仕事を」

【論告】
事実関係については、本件公訴事実は当公判廷で取調べ済みの証拠によりその証明は充分である。
情状について、所持量は6.277グラムと少なくなく悪質である。
大麻に対しての親和性、依存性がある。週2回使用している。
動機に酌むべき事情がない。
ストレス発散したいという安易で身勝手な動機に酌量の余地はない。
再犯の恐れも高く、一般予防の見地からも厳しい処罰が必要。
諸般の事情を考慮し相当法条を適用の上被告人を
懲役8月、大麻2袋を没収するのが相当と思慮する。

【弁論】
☆☆からの働きかけをきっかけに使用したものである。自ら大麻を要求したものではない。
父親が証人出廷し監督する旨を誓約している。
☆☆との連絡先を削除遮断し、今後再犯しないと誓っているため、再犯の恐れはない。
執行猶予付き判決を求める。

【最終意見陳述】
私は、今回の事を重く感じており深く後悔して……2度と……………(涙)…
罪の…………(涙) 罪の重さを感じて後悔してます。今後は社会に貢献して行かなければと強く思います。
申し訳ありません。

〔即決裁判です〕
主文『懲役8月』
執行猶予3年。
前橋地方検察庁保管の大麻草2袋、平成30年領××号を没収する。

〔理由〕
量も多いです。捕まった時はもっと多かった。法律を守ろうという意識が鈍磨している。お父さんが監督する事、もう2度としないという事を考慮し主文の通りにしました。

【説論】
ネットがどうとか、解らない事だらけですから、ネットの関連なんて悪い人はもっといますから真面目にやってください。

クスリ関連の公判は傍聴しだした頃はよく見ていたのですが、最近は敬遠していたので。年度末ということで限られた公判しか無く、傍聴しました。あなたの~これはもういらないですね?のやり取り本当に懐かしく感じました(*^^*)