お久しゅうございます。


人の心というものは、どうしてこうも浅はかで、且、情熱的に狂うものなのでしょう。


深入りしないでおこうと心に決めた殿方と、昨夜も共に過ごしている自分が滑稽で仕方がありません。


それもこれも一重にこの人肌恋しい季節のせいと申しましょうか。


お酒の力も加勢して、より一層あの方を求めるのでしょうか。

それとも単に私の恋心から求めてしまうのでしょうか。



私もただの女なのでございます。

ただただ恋しく愛おしい、この気持ちを誰にも明かせずに日々を過ごして行くのです。

風邪を患ってしまいました。


こういう時、独り者の私は余計に辛く感じてしまうものです。


別件で落ち込んでいた事も災いしてしまい、心寂しさのあまり、あの方の電話を鳴らしてしまった。

本当はあの方だけでなく、別の殿方数名にも同時に連絡を取っていたのですが、今回はあの方だけのお話。


「仕事が早めに片付いたら行くから」


そう言われてから数時間後。

家の呼び出し音が鳴りました。


その時友人が遊びに来てくれていたのですが、帰って頂く形になり、私の「女」としての醜い部分を見られたような気がして、良心の呵責に駆られましたが、そんなものも束の間。


あの方を身近で感じられる距離になった途端、幸福感に包まれる私がそこにいたのです。


夜は長い。

夜伽の時間まではまだまだございましょう。


何も食していなかった私の為に簡単なものを作って下さり、心も体も温まる私。

幸せな一時。


いつ帰ってしまうのか聞くに聞けないまま、時は過ぎ。

けれども帰る気配がないので、そのまま一緒に眠りに就く事になったのです。


「明日朝が早いけど大丈夫?」


と。


この後の事を具体的に書くべきかどうなのか悩みどころなのですが、まぁ最初の日記ですので、敢えて簡略化させて頂きます。


ただ、沢山汗をかきましたので、翌日、風邪の症状が和らぎ、仕事にも特に影響を及ぼす事もなかったと申しておきましょうか。


私、人のモノを奪う趣味はございませんが、つまみ食いや味見をしてみたい欲求は人より強いのでしょうか。

はたまた、ひとりぼっちに戻る直前の唇の温もりが好きなだけなのかも知れませんね。


ただ今回もまた人のモノに手を伸ばしてしまったと、後悔ではない何かが私の心の闇を広げてしまうのです。

誰にも言えない、心に秘めた闇。


誰かに触れられるのが怖くて、ずっと隠したままだったけれど。


誰にも言えないからこそ、誰かに聞いてもらいたい時もあるの。


人肌恋しいこの季節に、あの人の温もりを思い出せるように。


きっと世間は私のような者を「都合の良い女」と呼ぶのでしょうね。


そんな私の夜伽物語を綴って行こうかと思うのです。