『ラスベガスGPを総括』
今年約40年ぶりの開催となったラスベガスGPは波乱の幕開けとなった。
FP1でサインツが外れたマンホールに赤旗となるとわずか10分あたりで終了となった。その後は懸命の点検後2時間半遅れてFP2が90分で行われた。尚サインツはこの事故の影響で決勝10グリッド降格ペナルティを受け大きくポジションを失った。
予選ではフリー走行から調子の良かったフェラーリ勢が終始トップに立ちルクレールはポールポジションを獲得しフェラーリ1-2となった。
フェルスタッペンは最終アタックでミスし途中で諦める形となった。
予選ではタイヤの内圧を安定させるために各車何周かのプリップラップを挟みつつのアタックとなっていたが角田はQ1最後のアタックでアウトラップ後そのままアタックを開始しコースアウトし20番手で予選を終えた。
決勝ではスタート前ドライバーズパレードでオイルが飛び散るなどアクシデントがあった。
スタート直後タイヤが冷えてる状態で各車1コーナーに飛び込みアロンソが単独スピン、それに引っかかりボッタスが止まりペレスがそこに衝突するという多重事故が起きた。またフェルスタッペンもルクレールをコース外に押し出し追い抜いたとして5秒のタイムペナルティが課された。
途中また気温が低かったせいかノリスが単独クラッシュしノリスは病院で検査される運びとなった。
終盤にはトップを争うルクレールvsレッドブルが勃発しルクレールはタイヤが5周古い中奮闘しフェルスタッペンには先行を許したものの最終ラップでペレスをハードブレーキングで交わし2位フィニッシュした。
今回のラスベガスGPは接近戦が多く終始飽きないレースだった。準備段階での問題もあったがレース自体は面白く全体的に気温が低くトリッキーなサーキットで来年はどんなドラマがあるか楽しみだ。
『レッドブル』
レッドブルは今週予選ではペレスがQ2落ちとなるも決勝ではスタート直後にクラッシュに巻き込まれたものの車の良さを活かし中盤から終盤にかけてはトップ争いを演じた。しかし最終周にルクレールにハードブレーキングでオーバーテイクされ3位となった。ペレス自身はこれでドライバーズチャンピオンシップでの2位が確定しレッドブル初の1-2となった。
フェルスタッペンは決勝安定の走りで1周目でのペナルティやラッセルとの接触などで車を壊していてもファステストを連発し優勝となった。
『フェラーリ』
フェラーリは今週木曜フリ走行でのサインツがマンホールに当たるという不運な出来事が起こり10グリッド降格ペナルティ確定していた。
両者共にフリー走行からペースが良く予選でも1-2となっていただけに残念なレースとなってしまった。
しかしルクレールは終盤までトップ、2位争いを演じ最後にはペレスを抜き2位、またサインツも12番手から6位と今週のフェラーリの調子の良さが伺えた。
『メルセデス』
メルセデスは接触に嘆く週末となってしまった。
ハミルトンはスタート直後サインツにヒットさせられまたアロンソのスピンを避け順位を大幅に落とすことになった。
またラッセルも順調にレースを運びつつあったがフェルスタッペンと接触しダメージを負い5秒ペナルティまで受けレースを思うように勧められなかった。
『アルピーヌ』
アルピーヌはガスリーが4番手スタートと大量ポイント獲得のチャンスではあったがバッテリーの問題で終盤にかけて全員の中でダントツで遅いスピードで走らざる終えなくなり順位を落としポイントを逃した。
一方オコンは16番手から4位フィニッシュとポイント獲得した。
途中ではチームメイトバトルが発生しチームからはオコンにポジションをホールドするようにと言われていたがオコンがガスリーに仕掛けるというクラッシュになりかねない事態が起きた。
『マクラーレン』
マクラーレンは予選で2台揃ってQ1落ちという予期せぬ事態となった。
しかしレースペースは悪くなくピアストリは一時4位につけていたもののタイヤ交換義務を果たすためにピットインし順位を落とすことになった。
ノリスは序盤で高速単独スピンしたものの無事だった。
『アルファロメオ』
アルファロメオは今週こそポイント獲得への道が見えていたがボッタスが不運にもアロンソと1周目で接触しディフューザーを壊し順位を失い結果として7番手スタートながら17位フィニッシュとなった。
周は順位を上げることかなわず15位フィニッシュとなった。
予選ではいい時があるものの結果には結びつかないレースが多くレース中の競争力強化が必要だろう。
『アストンマーティン』
前戦サンパウロでは久々に好調だったアストンマーティンだったが今週はストレートスピードに課題が見えた。シーズン前半からストレートでの遅さは際立っていたが未だに解決には至らない。
アロンソは9番手スタートながら1コーナーで単独スピンし順位を落とした。
一方ストロールは19番手から5位フィニッシュとレース中上手い波に乗りポイント獲得した。
『ハース』
ハースはアップデートの効果がイマイチであり今週は2台で新旧のパッケージを使用した。
予選では新しいものを使うマグヌッセンが8番手獲得となったが決勝では競争力の欠けるマシンでは太刀打ちできなかった。
ヒュルケンベルグは途中でリタイヤとなりハースは来年に向けても次戦ではこの負の連鎖を打破したい。
『アルファタウリ』
アルファタウリは予選ではプリップラップを各チーム入れている中角田をアウトラップから直にアタックラップを実行させタイヤが温まらない中コースアウトし20番手スタートとなりレースではギアボックストラブルでリタイヤとなった。
リカルドも今週は14位とポイント獲得ならず未だにサーキットに合う合わないが激しいマシンであることが浮き彫りとなった。
『ウィリアムズ』
ウィリアムズはストレート番長らしく予選ではサードロー独占となったが決勝では他チームよりグレイニングが酷く苦戦した。
結果として2台ともポイントを逃し勿体ない週末となった。
『次戦アブダビGPに向けて』
アブダビGPはその中東ならではのムードがF1シーズン最終戦を飾る。
2009シーズン以来、このグランプリは13回開催されてきた。
ヤス・マリーナ・サーキットは複数の高速コーナーから始まり、ロングストレート2本を擁する第2セクターへ進む。最後の第3セクターは良好なトラクションと安定したブレーキングが求められるタイトで曲がりくねったセクションとなっている。
去年はベッテルが引退レースとして毎年レース後には至る所でドーナツターンが披露されることが定番となっている。