自宅筋トレ3種の神器のうち、最後の一つはチンニングスタンドです。
 
チンニングスタンドは懸垂マシンとも呼ばれる、公園の鉄棒のような器具です。
 
30代以降の方は、かなり昔に流行った
「ぶら下がり健康器」
をイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
 

  ①チンニングスタンドのメリット

 
ダンベルとトレーニングベンチがあれば、ほとんどの部位を鍛えることができます。
 
しかし唯一難点を挙げるとすれば、背中のトレーニングが難しいこと。
 
背中には、広背筋や僧帽筋といった大きな筋肉があります。
しかし普段の生活で使うことが少なく、意識して動かすことが難しい部位です。
 
ダンベルとトレーニングベンチで背中を鍛える場合、
・片手・片ヒザをベンチに置く
・反対側の手で持ったダンベルを背中に向けて引き上げる
という、「ダンベルロウイング」が効果的です。
 
このダンベルロウイングは効果が高いのですが、しっかり効かせるためのフォームの習得がやや難しいのが難点。
また、片手ずつで行うためトレーニングに時間もかかってしまいます。
 
この問題を解決してくれるのが、チンニングスタンドです。
 
この器具のメインの使い方は、器具名のとおりチンニング(懸垂)です。
 
 
チンニングというトレーニングの良い点は、鍛えるのが難しい背中を効率良く、かつ簡単に鍛えられることです。
 
厳密に言うと、
・背中を丸めない
・反動を使わない
といった正しいフォームがあります。
しかし、チンニングは多少フォームが崩れても、背中に刺激が入りやすいのです。
 
さらに、トレーニング中上級者にとっては、負荷を変えやすいことも利点です。
 
例えばベンチプレスの場合、上級者は100kg以上の重量を扱うため、自宅でのトレーニングは困難です。
しかしチンニングであれば、体重70kgの人が自重で物足りなくなっても、体に30kgのおもりをくくりつけると100kgになります。
 
 

  ②チンニングができるようになるコツ

 
一方、チンニングのデメリットは、全くの初級者が取り組みにくいことです。
 
私の場合、筋トレを始めた頃、チンニングは1回もできませんでした。
 
そのような方の場合、チンニングができるようになるポイントは3つあります。
 
 
一つは、逆手を使うこと。
 
チンニングは、順手(手の甲を自分に向けてバーを握る)にすると、背中に強い刺激が入ります。 
 
一方、逆手(手の平を自分に向けてバーを握る)にすると、刺激が背中と腕に分散されます。
順手でチンニングができない方でも、逆手であれば1~2回できる場合があります。
 
 
次に、手幅を肩幅にすること。
 
手幅は、肩幅の1.5倍ぐらいに広げると最も背中に刺激が入ります。
 
しかし肩幅ぐらいにすると、先ほどと同じく、腕の力を使うことができます。
 
 
そして最後のポイント、逆手・肩幅でもチンニングができない方は、
「脚の力」
を借ります。
 
やり方は簡単で、バーを握り、そのまま軽くジャンプ!
そして、自分の力で体を降ろしていきます。
 
このときのポイントは、なるべくゆっくり体を降ろすこと。
 
体を降ろす運動だけでも、背中にはしっかり刺激が入ります。
私も最初はジャンプで体を降ろす運動から入り、 逆手・肩幅
→ 順手・肩幅
→ 順手・肩幅1.5倍
→ 順手・肩幅1.5倍+5kg加重…
とステップアップしていきました。

 

▲チンニング1年目の私。背中の筋肉が少なく、順手で何とか数回できる程度。

 

 

▲チンニング3年目。肩幅の1.5倍程度で、広背筋(背中の筋肉)を使って体を持ち上げられるようになりました

 
 

  ③チンニングスタンド選びのポイント

 
チンニングスタンドは、安いものであれば6千円~7千円程度で購入できます。
 
一部の安い商品は、耐加重が100kgほどしかありません。
したがって、8千円~1万円前後で、耐加重150kg以上のものを購入した方が不安は少ないでしょう。
 
また、可能であれば、
・ディップスバー
・プッシュアップバー
付属している商品の方が、トレーニングのバリエーションが広がります。
 
特にディップス(平行棒を両手で支え、体を上下に動かすトレーニング)は大胸筋の下部を集中的に鍛えることができます。
 
 
私が3年以上使っているのは、リーディングエッジのチンニングスタンド。

12,000円程度とやや高価ですが、安定性が高く、ガシガシ使っても壊れる気配はありません。

また、ディップスバーとプッシュアップバーも付属しており、重宝しています。

 
 
背中は筋肉の絶対量が多い上、普段なかなか使わない部位です。
そのため、初心者は少し鍛えるだけで、比較的簡単に効果を得られやすい部位でもあります。
 
また、背中の筋肉が増えると逆三角形の体に近づくため、
・男性はがっちりとしたカッコいい体
・女性はくびれが目立つ美しい体
を作ることができます。
 
特に男性の場合、ダンベルプレス等の「高重量を挙げる種目」にハマりやすい傾向にあります。 前から見ると、確かに大胸筋が盛り上がってカッコいい。
けど、後ろを向くと背筋がなくてペラペラ…となってしまう人もいます。
(私も最初は背中をあまり鍛えず、ダンベルプレスばかりやっており、この状態でした)
 
チンニングスタンドはややスペースを取ってしまいますが、あまり費用がかかりません。
そのうえ、比較的少ない労力で大きな効果が得られるため、かなりオススメできる器具です。