ドキュメンタリー 「祖国へ」~ホロコースト後のユダヤ人
寺内正義
NHK解説委員
タイトル
「祖国へ」~ホロコースト後のユダヤ人
ナレーション
モーガン・フリーマン
脚本 監督
マーク・ジョナサン・ハリス
【私感】
このドキュメントは正確に記録されています。
目を覆いたくなるシーンが
数多く映し出されます。
たぶん、もう、かれこれ二十年前
の作品だと思います。
何度も見ております。
エジプトの地を離れ砂漠を流浪して、
ようやくイスラエル建国を果たした。
このドキュメンタリー映画は、
イスラエル建国を果たす迄の苦難の歴史です。
私が最も強烈な印象を持ったのは、
ホロコーストを生き延びて、
やっと我が家にたどり着くと、
そこは既に他人が住み、帰還
した彼らに同情は皆無
だったと言う事です。
しかし、イスラエル建国を果たした
彼らは今はガザの人々に同じ事を
している。神は「約束の地」を
ユダヤ人に与えたがパレスチナ
には与えなかった。なぜ聖書は
ガザの人々にも安寧な土地を
約束しなかったのか ?
シナイ山の麓でモーゼが
エジプトに居る同胞の
苦難を神は見過ごすのか神を罰する
言葉を口にした時、「ずっと見ている」
神が居る事をまだ知らなかった。
いま、ガザの人々が置かれている
立場は、かつてのモーゼのものと
同じものだ。「ずっと見ている」
「在りて在るもの」の存在を待ちたい。