時間も空間も何もなかった!
そこへ突然、「光あれ!」と叫び声が鳴り響いた。
いや、正確には、赤子の産声であった。
音階の「ラ(A)」の音程で、泣き声が響き渡ったのだ。
一つの「存在」が誕生した瞬間だった。
この「存在」は「人格」であると同時に「概念」でもある。
泣き声と共に、まばゆい光の「点」が生まれた。
小さな「点」だった光は、一気に膨張した。
本当は、爆発とは少し違うのだが、「爆発的に光が広がった」としか、
他に言葉が見つからないし、もしかしたら、将来、後世の人間に、
この現象は、「ビッグバン」とでも、名付けられたりするかもしれない。
こうして、のちに、「神」と呼ばれることになる「存在」は、
「宇宙」と同時に誕生したのであった。
「神が宇宙を作った」のでも「宇宙が神を作った」のでも、
「宇宙は神と無関係に生まれた」のでもない。
両者は同時に誕生したのだ。