よしをふぃす

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お江戸の片隅でひっそり暮らしています。


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志村ふくみさんの織物、そして文章が好きです。

最初の出会いは中学の国語の教科書に載っていた、大岡信さんの『言葉の力』という随筆。そのなかに、大岡さんが志村さんの工房を訪れ、目にした桜色の着物について「この色は何から取り出したんですか」と尋ねるというエピソードがありました。

桜の花びらをそのまま写し取ったかのような美しいピンクの色は、実は桜の樹皮、それも花が咲く直前の山桜からいただいた色なのだ、と志村さんは語ります。

自分で着物を着るようになったここ2、3年の間に、それまでほとんど書物のなかでしか触れてこなかった、志村ふくみさんの織物を実際に目にする機会を何度か得ました。
その度に、自然界にある様々な色、外から見えるものだけでなく、植物が内包する思いがけない色彩の豊かさに驚きと感動を禁じ得ません。

本日伺った「しむらのいろ~山川色衣・草木色衣(さんせんしきえ そうもくしきえ)」(銀座十字屋ホール)でも、また新たな感動がありました。

また今回はとてもラッキーなことに、志村ふくみさん、洋子さん親子のお話を間近で伺うことができました。
「ほぼ日刊イトイ新聞」読者限定企画のスペシャルイベント「はじめての着物~TOBICHIからJUJIYAへ~」に当選したのです(*^-^*)

このイベントでは、参加者のなかから二人の方に、志村さんの着物を着装していただけるという目玉企画が。
洋服の上から半衿を着け、仕立てあがりの紬の着物を羽織って帯、帯揚げ、帯締めを結ぶという、着装というより、本格的な着付けに近いものでした。しかも、ふくみ先生、洋子先生によるコーディネートで。
このような試みは初めてのことだそうです。いやー選ばれたお二人がうらやましかったです(〃^ー^〃)

一つは藍や、玉ねぎの皮を煮出した茶色などの糸を織った格子の着物、もう一つは、緑色をメインに30色以上の色を織り込んだ、まるで春の山々のような着物でした。

どちらの着物も折り畳まれて置かれた時より、人が身につけた時の方が生き生きと輝いていて、そして着る人の魅力も輝かせているように見えました。

香水を身にまとった時に、肌に馴染んでその人独特の香りが生まれるのと似たような感じでしょうか。

着物は自然からいただいた命によってできたもの、そして何十年、何世代にも渡って受け継いでいくことができる他に類を見ないもの。
そんな着物を多くの若い人たちに見て、知って、着てもらいたいという思いで今回の企画は生まれたそうです。

着物を着るときには清潔感、そして品格を大事にしてほしい、と語った志村ふくみさん。
齢90を過ぎてなおふっくらと瑞々しく、そしてしゃんとしたお姿から紡がれる言葉の一つ一つを、背筋の伸びる思いをしながら聞いた私でした。

■しむらのいろ~山川色衣・草木色衣~
2015/2/27(金)ー2015/3/1(日)12ー17時
会場 銀座十字屋ホール
http://shimuranoiro.com/topics/787/

■ほぼ日刊イトイ新聞 「はじめての志村ふくみ」
http://www.1101.com/shimura/index.html
昨年、飛行機のなかのラジオで聴いたモーツァルトのコンサートアリアが素敵で、歌声の主を機内誌で確かめてメモに書き残しました。

モイツァ・エルトマン。
ドイツ・ハンブルク生まれのソプラノ歌手で、メトロポリタンオペラやザルツブルク音楽祭など世界有数の舞台から引っ張りだこの美貌の歌姫です。

そして数年前、テレビで見たソプラノとハープの共演。
ソプラノは私の好きな歌手の一人、ディアナ・ダムラウ。
ハープはそのコンサートの開催当時、ウィーンフィルのソロハーピストを務めていたグザヴィエ・ドゥ・メストレ。
ドビュッシーやフォーレ、シューマンなどピアノ伴奏で聴き馴染みのある歌曲が、ハープとの組み合わせだと全く違う味わいになり、こんなにも優雅さを増すものなのかと感心しました。

そんな私がエルトマンとメストレのデュオ・リサイタル開催の報を聞き、興奮せずにいられましょうか、いえ、いられません(反語)

というわけで行ってきました、東京オペラシティコンサートホールへ~

モイツァさんの衣裳は第一部は光沢あるブルーグリーンのベアトップ、マーメイドラインのドレス。
第二部はベージュのVネック、裾のドレープが優雅でギリシャ神話風?なドレス。
メストレさんは黒のドレスシャツにパンツというシンプルな装いでした。

第一部ではシューベルトの「月に寄せて D.259」(ゲーテ詩)がしみじみと味わい深く白眉でした。「糸を紡ぐグレートヒェン Op.2 D.118」(ゲーテ詩)もドラマティックで良かったです。
メストレさんのハープソロ、モーツァルトのピアノソナタ ハ長調K.545 はソナチネアルバムにも収録されているピアノ演奏ではおなじみの曲。

第二部のR・シュトラウスの歌曲は、音の多彩さがハープのきらきらした音と相まって華やか~
「セレナーデ Op.17-2」(シャック詩)がロマンティックで素敵でした。
そして圧巻だったのはメストレさんのハープソロ「モルダウ」。
時に繊細、時にダイナミックに。滔々たる大河の流れに心地よく身を任せました。

モイツァさんは詩情豊かな美声で中音域が充実しているので、今後もリートに力を入れていって欲しい歌手ですね。
「リゴレット」のジルダのアリアや「ジャンニ・スキッキ」のラウレッタのアリアも素晴らしかったですが。

いやはや、とにかく目にも耳にも美しく。
期待に違わぬ、いえそれ以上の素晴らしい時間でした。Bravi !!
終演後にはサイン会の列に並び、プログラムにお二人のサインをいただきました。
お美しい二人を間近で見られて感激←目的はそれか。。

【第1部】
F. シューベルト:
男なんてみな悪者 Op.95 D.866-3
至福 D.433
乙女 D.652
野ばら Op.3-3 D.257
月に寄せて D.259
糸を紡ぐグレートヒェン Op.2 D.118

W. A. モーツァルト:
ピアノ・ソナタ 第16番 ハ長調 K.545(ハープ・ソロ)
歌劇「フィガロの結婚」より“さあ早く来て、いとしい人よ”(スザンナのアリア)

V. ベッリーニ:歌劇 「カプレーティとモンテッキ」より“ああ幾度か”

【第2部】
R. シュトラウス:
ひどい天気 Op.69-5
万霊節 Op.10-8
私の思いのすべて Op.21-1
何もなく Op.10-2
あなたは私の心の王冠 Op.21-2
セレナーデ Op.17-2

B. スメタナ:交響詩「わが祖国」より「モルダウ」(ハープ・ソロ)
G. ヴェルディ: 歌劇「リゴレット」より“慕わしき人の名は”
A. サリエーリ:歌劇「ダナオスの娘たち」より“あなたの娘が 震えながら”
G. プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より“私のいとしいお父さん”

【アンコール】
R. シュトラウス:「3つの歌」~ときめく心
シューベルト:万霊節の連祷

日帰りで信州伊那の高遠さくら祭り に行ってきました。


7時半に新宿を出発し、途中休憩を2回はさんで高遠まで4時間弱のバスの旅。

窓から外を眺めると、甲斐一宮の桃畑の鮮やかなピンク色、山々の黄緑や黄色の淡いグラデーション、そして八ヶ岳の壮大な青い山並みと様々な春の色を感じることができて道中飽きることがありません。


茅野から高遠へ向かう途中の峠道で若干車酔いしましたが( ̄ー ̄;

高遠に入ると、なまこ壁の蔵などが残る風情ある街並みが見えてきて、古い建物好きとしてはときめかずにいられません。

だんだんと桜の木が増えてきてテンションも上がり、高遠城址公園に着く頃にはすっかり体調回復。


公園内の桜は満開、天気も良くて最高です!





明治4年、廃藩置県で高遠城が取り壊しとなり、城内の樹木は競売にかけられ売り払われたために城跡はすっかり荒れ地に。。。

それを見かねた旧藩士たちが馬場の桜を移植したのが「天下第一の桜」と称される高遠城址公園の桜の始まりだそうです。


私が高遠に来た目的は2つ。

1つはもちろん桜を見て、写真を撮ること。

そしてもう1つは、江戸時代の一大スキャンダル、江島(絵島)生島事件で高遠藩に遠流の刑となった大奥女中・絵島に関する資料を見ることです。


見学時間は2時間。

そのなかで公園内をくまなく歩き、絵島が幽閉されていた屋敷を復元した絵島囲み屋敷、そして資料が展示されている歴史博物館を見るというなかなかハードなミッションです。

初夏の陽気のなか休みなく、水分もとらずに歩き回りました←よいこは決して真似しないでください


というわけで、高遠の桜ギャラリーをどうぞブーケ2



桜雲橋と桜。





高遠の小彼岸桜は、やや小ぶりで赤みを帯びています。




お花のなかに赤い★があるみたいで可愛い(*^▽^*)

中央アルプスや南アルプスと桜、っていう絵が見たかったのですが、遠くの空がかすんでいて見つけられず。。。

とにかく見渡す限り、さくら、さくら、さくらなのですが(見渡す限り人、人、人、でもありましたが)

あのスケール感はとても伝えきれません。ああ広角レンズがあれば(自分の写真の腕前は棚上げ)

そうそう、カメラといえば、私がカメラを構えて撮っていると何か人が集まってくるんですね。

桜模様の橋の欄干を撮っていたら、ちょっと遠くからおばさまが大きな声で

「あのお姉さんがいるところで、きっといい写真が撮れるのよ!」と。。。


「お姉さん」でよかった、、、じゃなくて

ごっついカメラにレンズにフードなんて付けちゃってるものだから、写真上級者で撮影スポットを見つけるのも上手い人だと思われたようです。

すいません、手すり撮ってますた ヽ(;´Д`)ノ



先日写真教室に参加した成果を出すぞ!と撮りまくりの2時間でしたが、家に帰ってPCで画像をチェックするとピントが甘かったり、色合いがボケ気味だったりと。。。写真にも自分のキャラが出るということでしょうか( ̄_ ̄ i)


まあ、懲りずにどんどん撮っていきましょうかね。

明日へ向かって~!



絵島については、また改めて書きます。