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ねこのさうし-18, 19
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(・・・かとを 立申やう)われは 是てんぢく たうどに。おそれをなす。とらの子孫なり。日本は 小国なり 国に相應して これを わたさるゝ。そのしさいに よつて 日本にとら これ なし。ゑんぎのみかどの 御代より。御てうあひ有て。かしはぎのもと。した簾(すだれ)の うちにをき給ふ。又後白河のほうわうの 御時より。つなを付(つき)て 腰もとに置給ふ。つなのつきたるゆへに。一寸さきを ねすみ はいくわいする
と いへども。心ばかりにて。とりつくことならず。ゆみつの たべたき時も。のどをならしこゑを 出して。たべたけれ共あたまを はり。いためらるればぜひもなし。ことばを つうずといへども。てんぢくの ほんごなれば。大和人の 聞知ことなし。たいりやく つなぎ ころさるゝばかりなり。にうがくの 御じひ。くわうたいにて。しづがふせやに月の やどり給ふがごとく。ねこ ふぜいまでに 御心を つけさ
てんぢく たうど=天竺唐土
ゑんぎのみかど=延喜の帝、醍醐天皇
かしはぎ=柏木、源氏物語36巻の登場人物の名。頭中将の長男。
光源氏の妻、女三の宮との密通を源氏に知られて悶死。三の宮は薫大将を出産後、出家。
した簾(すだれ)=柏木が女三宮を見そめた切っ掛けは、猫が下簾を押しのけてしまう。
後白河のほうわう=後白河法皇、清盛や頼朝の時代の法皇、猫を繋いだと言っている。
腰もとに置給ふ=腰元・上流人々の側に仕えて雑用をたす侍女として猫を飼っていた。
ゆみつ=湯水
てんぢくの ほんご=天竺の梵語、サンスクリット語、古代インドの雅語、文章語。
にうがくの 御じひ。くわうたいにて=入学の御慈悲 広大にて、佛弟子に入る御慈悲が広大で。
しづがふせや=賤が伏屋
猫は虎の子孫、
源氏物語の柏木と女三の宮の出会い。
梵語を話すなど、なかなか面白い。
しかし全体として、難しいね。
なかなか日常が取り戻せません。
不定期すぎてゴメンなさい。