【はじめに】
「“自分の音”が欲しい場合どうアプローチすれば良いか」って話をしてて、そこから「シンセの音づくりって一体どうすれば出来るようになるんだろう?」という話に発展したので、軽く解説していこうかなと。
まずウィンドシンセサウンドって、大雑把に4つに区切られると思います。
1.プリセットタイプ
2.既存の音色をなぞるタイプ
3.その拡張タイプ
4.全く新しいタイプ
これらプラス奏法(ウィンドシンセは奏法も音色のパラメータです)が関わってくるのがやっかいなところではありますがw
2.は大抵マニアだったり販売や研究目的だったり。
奏法極振りの場合は1.であっても「○○さんの音だー!」って分かる場合もある(ミンツァーとか)けど、「○○の音」や「自分の音」を手に入れるには3.か4.に持っていくしかないですね。
で、3.か4.を目指すための人のアプローチとしては2.が重要だったりします。
「偶然こんなの出来ましたー」でもそれはそれで良いんだけど、もう少し追い込めるかも知れないし、他の音を作ろうって時偶然当たるまでサイコロ振り続けなきゃならない。
シンセって偶然性も大事だけど、その「偶然性」ってのは、大抵が「たまたまシンセの味付けがマッチした」とかで「予想を良い意味で裏切られた」って話のことを「偶然」という(EWI5000のよしめめ音色みたいなやつ)わけで、ベースとしてロジカルな音づくりが無いと普通はあり得ない話です。
つまりは「どこをどうするとこうなる」が分かっていないと追い込む事も出来ないし狙ったイメージに到達できなかったりします。
なので、シンセ初心者さんたちには既存の音色を自分なりにコピー(ウィンドは奏法が関わってくるのでだいたいでOK)してみなさいって言ってます。
【何があればいいの?】
EWIの場合、1000~4000の頃はシンセシスしてる音色ばかりだったので「4000sのプリセット全部紙に書き出すといいよ」とか言えたけど、残念ながら現行5000やSOLOはシンセの勉強には不向きです。これらは乱暴に言ってしまうと、「オーディオ波形」と言って録音した音色を再生している方式なので。
よって、最初はとりあえずどんな機種でも良いのでオシレータが2つあるアナログ(モデリング含む)で、息によってフィルターを動かせる奴を購入もしくは入手しましょう。
ハードでも勿論良いし、MacやPCならフリーのを探せば色々出てくるはずです(親の顔より見たSYNTH1)し、iOSでも小銭で買えるのがいくつもあります(Androidはレイテンシ絶対出るのであきらめよう)。
【何をすればいいの?】
ここから段階的に次を試していきましょう。もちろん色んな曲吹きながら一歩一歩感覚を掴んでいってください。
●オシレータの波形
オシレータひとつだけだとどんな音になるか、ひとつの中で複数波形を選択できるものはその音も。
●レゾナンス
無し~脳が死ぬあたりまで。
まずはこの2つだけ確認します。
演奏しながら吹いていくと意外と色々な事が分かってくると思います。
これが出来たら、次に以下を試して、なんとなく感覚を掴んだらこれらを組み合わせて既存の音色を再現してみましょう。
●オシレータの波形
オシレータ2つを同じ波形で使ったらどんな音になるか、違う波形同士だとどうか。
●第2オシレータの音程(ピッチずらし)
ピッチをずらす量はちょっぴり~大きく。
+5と-5(第1オシレータがドならどちらもソの音)、オクターブ下、オクターブ上。
●2つのオシレータ間の音量バランス
どちらかを大きく(小さく)したらどうなるか。
エンベロープだのトリガーだのエフェクトだのそんなものはいっさい触らなくて良いです。もちろん完全再現も不要です。
「あっ、ここのイメージ似てるじゃん!」が分かればおっけー。
これをひたすら繰り返します。
たったこれだけで、おそらく音色づくりの半分は終わったと言っても過言では無いですし、この辺りから「自分の音」が生み出せるようになります。
【最後に】
シンセの専門用語が分からないとか、何のシンセを導入すれば良いか分からないとか、そもそもシンセのセットアップ(息でフィルターを動かすとか)が分からないとか、横文字ばかりで分からないとか、色々分かんないんだよ!って思う人もいるかも知れません。
あえて言わせてもらえば、「分からない」のでは無く「分かろうとしていない」だけです(ピシャリ)。
シンセと言えど楽器である以上、専門用語を調べたり、パラメータの調査・研究ってのは少し深いところに行こうとしたら避けて通れません。
じゃあ「分かる」ためにどうすれば良いか?
金を出したく無いという事であれば旧EWIのマニュアルを読みましょう。
ヒマさえあれば読むって事してれば、おそらくググっているであろうシンセの基本なんかと照らし合わせて内容が理解できるようになります。
EWIのマニュアルってめちゃめちゃ分かりやすいんですよ。シンプルなアナログ音源だったので余計に。
あとは4000sのパラメータマニュアルを読みましょう。
これなら各パラメータについての詳しい解説も載っています。基本は全部書いてあるので読み解いていけば自分のシンセに当てはまるところがあるので抜粋すればオッケーです。
これでも難しいようだったらお金出してレッスン受けましょう。正直一番手っ取り早い近道です。
この手の内容となると用語も含めた解説やTipsを文章に書き始めると余裕で本になるレベルです。そして「感覚」については本では掴む事が出来ないのも事実です。
更に言うと今回記事で書いた内容は入口も入り口なので、エフェクトまで網羅していくとより複雑な話になります。それに自分が動かしたいシンセの機種ごとの解説なんて期待するだけ無駄です。レッスンであればそれら全てを「自分のためだけ」のショートカットが可能です。
なお、レッスンについてはちゃんとウィンドシンセを吹け、シンセを理解してる人に習いましょう。音づくりの出来る鍵盤奏者に習うとえらい事になりやすいですw
これは「エンベロープ」の概念が全く違うアプローチでの音づくりになるためなのと、息の特性が畑違いである事が要因です。
餅は餅屋、ウィンドシンセの音作りはウィンドシンセ吹きに習うのが得策です。
ウィンドシンセ(EWIだけでなく)も結局は楽器なので、深く入り込んだ時は相応の情熱と研鑽と時間、時にはお金が必要になるものです。
簡単に出来ない事もあるという事を理解しながら頑張って発展させていった先には「自分の音」という唯一無二の物を得られるわけだし、ぜひチャレンジしてみてくださいねー!