質問箱への回答です。入手のしやすく運用に問題無い事が分かっているアナログシンセと、モジュラーシンセについて解説します。
そもそもですがminilogue xdは2pole(-12db)フィルターなので、フィルターの肩は甘くダイナミクスの差は一般的な4pole(-24db)とは異なります。
よしめめはウィンドシンセ運用における厚みや密度、太さという部分は割とカットオフのキレ方による相対的な感覚や、MIDIによるデジタルステップのザラつきなんかを身体で感じ取った、ある意味“騙された”結果のイメージなんじゃないかと思ってます(勿論他にも諸々あるけど)。
試しに複数VCOを鳴らしっぱなしにした上でカットオフ全開でアンプのサスティンも全開にしてキーボードで弾いてみると「似たようなモンじゃん」ってなります。
この際は余力のある大きなアンプで鳴らしてみてくださいね。そもそも鳴らすスピーカーに余力が無いと当然確実な評価は出来ませんので。
そういう意味ではminilogue xdの場合VCOの滲み方やカットオフの味つけなどのスペックとしてはかなり上位にあり、音の作り方によってはかなり良い線まではイケるシンセだと思ってます。
まぁ相対的なもんであれ好みであれ何であれ、イメージとして「3020mみたいなキレや太さが欲しい」という方向であれば紹介する事もできます。
「優等生じゃ無くても良い」という条件で、ウィンド運用するのに入手のし易さや現実的な金額の機種を挙げるのであれば、
●BEHRINGER Model D(https://www.electori-br.jp/products/450.html)
●NEUTRON(https://www.electori-br.jp/products/449.html)
●Moog Mother-32(https://www.korg-kid.com/moog/product-details/mother-32/)
あたりは実績もあるし安心してお勧めできます。
特にNEUTRONは良く考えられたパッチボックスを装備してるので、割と何でも出来ちゃいます。
3つともmoogシンセ(クローン)ですが、個人的にはModel Dが一番「moogしてるなぁ」って思ってるし、VCOの滲み具合も「まさにコレ」って感じで大のお気に入りです。
次点で
●Roland SE-02(https://www.roland.com/jp/products/SE-02/)
ですかね。こっちはもう少しカジュアルに使いたい場合ですかね。
カジュアルとは言え、コイツはRolandの皮を被っただけの正真正銘Studio Electronicsのmoog系シンセなので、小型ながら音はそこらのアナログシンセを蹴散らすインパクトはあります。
MIDIだけでピッチもカットオフも動かせるし音色も保存できるし、緊急の場合は上記3機種より手軽です。まぁそれでもカットオフだけはCVで動かしたくなりますけどね。
なお、GATEをMIDI Note on/offで開け閉めすればマルチトリガーも使えます。
ただこの3機種、moog系のVCOなので、音の分離感は3020mとは違うかなぁ。
歴代アナログEWIって分離感あるデチューンが使いやすかったりするので。
あとmoog系だけに綺麗なPW50の矩形波が使いたい時は・・・やっぱminilogue xdやSEM-Proにするかなw
という事で今回は優等生から外して良いとの事だし、いっそモジュラー使いましょう!
好きなモジュール組み合わせて好きなだけ太いのエグいの選び放題です。
VCOは割とCVの増加ができる事やチューニングのしやすさ、豊富な波形にウォームな音が使いやすいので、
●Analogue SystemsのRS-95N(https://fukusan.com/products/analogue_systems/rs95n/)
をお勧めしたいです。ウィンドシンセ用途の場合マイクロチューニング出来る方が精神衛生上非常に良いですしw
三角波と鋸歯状波、パルスワイズは可変できます。安定感は無いけどディスクリートVCOはやっぱり良いですね〜。
フィルターは同Analogue Systemsの
●RS-110(https://fukusan.com/products/analogue_systems/rs110/)
がマジで良いです。肩の甘い上品な-24dbなのでヌケは良いし、カットオフ動くと「美しい」です。割と独特のカットオフのされ方するのも良い。素直で温かい音方向のフィルターとしてはもう手放せません。
逆にエグいのが欲しい場合はこれ一択w
●Doepfer A-124 SE(https://fukusan.com/products/doepfer/a100_modular/a124se/)
見てこの見た目!!ヾ(*´∀`*)ノ
工事現場のような配色がまずエグいw
名前もWASPですよ!!スズメバチっすよ!?超攻撃的なイメージじゃあないですか!!
そして「名も見た目も体を表す」とでも言いますか、音も当然攻撃極振りのエグエグですw
BEHRINGERにWASP DELUXE(https://www.electori-br.jp/products/779.html)ってクローンシンセがあって、エグいフィルターに惚れ込んでめちゃくちゃ欲しかったんですが、なんとMIDIでもCVでも動かせない事が判明。悔しがってたら後年Doepferからモジュールで出してくれる神対応です。
「とりあえず通せ、さすれば分かるぅ~」って感じで綺麗なVCOの波形をきったなく(褒め言葉)してくれますw
なお、CVコンバータはどーすんねん?ってなりますが、
よしめめはEWIの場合はピッチはMIDIで、ブレス情報のみCV出したいので、
●Doepfer A-190-2(https://fukusan.com/products/doepfer/a100_modular/a190_2/)
NuRADの場合はちょい足しで本体から出すか、
●Berglund Instruments CV-Board for EuroRack(https://kohske.com/pages/42/detail=1/b_id=353/r_id=123/#block353-123)
この辺のやつ使って繋いだり、そもそもリリコンだったらフルCVで出すし・・・って感じです。
他にもCV系なら
●Doepfer A-183-3(https://fukusan.com/products/doepfer/a100_modular/a183_3/)
●Doepfer A-183-1(https://fukusan.com/products/doepfer/a100_modular/a183_1/)
この辺組み合わせて使ってます(あとはマルチプルとかブレスを極限まで滑らかにしたいならスルーリミッターとか好きに選びましょう)。
なお、そこらのMIDI to CVコンバータの場合プラマイ3Vだの5Vだのしか出ない事も多く、Doepfer A-190-2もご多分に漏れずCVでピッチ動かそうとした場合オクターブ幅は狭いしベンド情報混ぜるのにCVミキサー必要だったり。ブレスのCVも足りない場合があります(そのためのA-183-3)。
MIDI to CVコンバータモジュール一個で広い幅を汎用的に出したいという場合は以下のモジュールが実績アリなのでここに記載しておきますね。
プログラマブルにCVの出力出せる(ピッチとベンドを混ぜたり複数のブレス出せたり)ので色々使えると思います。
●Expert Sleepers FH-2(https://clockfacemodular.com/collections/midi-converter/products/expert-sleepers-fh-2)
USBホスト機能付きコンバータ
※情報提供者:じゅー
●Michigan Synth Works mBrane(https://clockfacemodular.com/products/michigan-synth-works-mbrane-natural)
レガシーMIDI端子を使う場合はこっち
※情報提供者:Garage99山本
この手のモジュールは在庫無くなるとなかなか入ってこなかったり、そもそもそのロットで終わりだったりって事も多いので、気になるモジュールは早めに入手する事をお勧めします!