大好きなこのシリーズも一旦一部完結ということで少し寂しい。
主人公のおちかちゃんが話が進む内に心に抱えている凝り固まったしこりが少しずつほどけていき、前向きな気持ちを取り戻していくが好きであった。
また、一つ一つの話を聞くなかでおちかちゃん自身が一歩一歩逞しくなっていくところも非常に面白かった。
人は不幸や悪意に巻き込まれてしまうことはある。そのような時にしっかりと向き合いながらもその不幸や悪意に取り込まれないようにするにはどのようにすればいいかのヒントがいくつか書かれていたように思います。
周囲の人に頼る。周囲の人が支えてくれるような誠実な生き方をする。
結果が、苦しい、厳しい、悲しいものとなる場合でも避ける、逃げるばかりではなく、立ち向かい、受け止めること。そのことが自分の糧となることがあること。それは一足飛びに成長するわけではなく、少しずつ自分を強くする場合もあること。
人の感情の機微を捉えることは本当に難しいことではあるけれど、心を通わせ、不幸や不安を抱えている人の重荷を少しでも軽くするにはとても大切であると感じた。
宮部みゆきの時代小説は、必ずしもハッピーエンドではなく、やるせない結果になることも多いけれども、それがより現実に近く感じられ、小説の世界に引き込まれやすいのだと感じる。

