さて、ここまで片頭痛について様々な角度からみてきましたが、実際に片頭痛の診療をもとめて医療機関を受診するとすれば、どういった観点から選べばよいでしょうか? 実際問題として一番重要なことです。
クリニックと(総合)病院
迷いますよね、クリニックは身近ですけど、やっぱり総合病院のほうが安心かな。なんて思ってしまいます。結論として、筆者としては片頭痛に関してはクリニックの方をお勧めします。病院があまり片頭痛の診療に適さない理由を以下に箇条書きにしてみます。
・病院勤務医の主戦場は外来ではなく、奥に控える病棟です。
病院勤務医の大部分は背後に病棟を抱えています。病棟には受け持ちの重症の患者さんがたくさん控えているのです。外来が忙しくなってしまえば、それだけ重症な入院患者へあてる時間と労力が少なくなってしまいますから、できるだけ外来は手早く終えようとしています。そして自分が外来で管理する(主治医として通院してもらう)患者さんをできるだけ増やさないように(むしろ減らそうと)する傾向があります。
・片頭痛の診断には複雑な検査機器は必要ありません。
総合病院であれば複雑な検査機械がある分余分な検査をされてしまう恐れもあります。先ほど述べたように病院勤務医は病棟で重症患者を抱えた状態ですから、外来ではできるだけ重症疾患や致死性疾患の除外(=つまり検査)にフォーカスが当たりやすく、「継続的な治療」に関しては消極的になる姿勢が自然に生まれてしまいます。
・病診分業の流れが存在する
今日では病院への患者の集中をさけるための適切な分業が政策により定着しつつあります。特に総合病院では紹介状のない初診患者の受け入れに消極的ですし、外来で診療可能な疾患の患者さんに関してはどんどん市中のクリニックに紹介する傾向があります。片頭痛で入院が必要になることはまずほとんどありませんし、継続的に外来で治療を受けるのが目的なのですから、最初から適切なクリニックを選ぶほうがよいということになります。
・頭痛を得意とする内科医は少数派
内科医のマジョリティ(大部分)は循環器(心臓)もしくは消化器(胃腸)を専門にしていますので(それ以外は少数派です)、頭痛の診療に関しては不得意なことも多いと考えられます。後述のように頭痛に関する専門内科は「神経内科」なのですが、神経内科の外来がある病院はそこまで多くはないでしょう。それなら最初から神経内科のクリニックを探すほうが効率的です。
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