易の辞

 

　おはようございます　吉村龍泉です。

 
 
今回は、山火賁についてです。

 

 
賁の卦は、易経の順番では、火雷噬嗑の
 
次に来る卦で、噬嗑（ぜいごう）を
 
逆にしたものです。
 
 離下･  艮上を以て
 
構成されています。
 
噬嗑は、「頤中に物有る象」という所から
 
名付けられたものです。

 

　　

火雷噬嗑　山火賁
 
その綜卦である賁はそれとは関連せず、
 
飾る、修飾の意味をとります。
 
頤中に物有るという見方からすれば、
 
この賁の卦も内部の一陽が四爻と三爻と
 
違えただけで、やはり同様な解釈が
 
出来ますが、口の機能を考えて
 
もらうと分かると思うのですが、
 
口は、上顎は動かず、下顎が動いて
 
物を噬(か)みます。そういう意味で、
 
同じ頤中に物の有る象でも、
 
内卦に震･動くをもつ  震下  離上に
 
噬嗑(ぜいごう)の意味を見ても、
 
 離下  艮上のこの卦は同じように
 
見るのはふさわしくないのです。
 
全然別の観点から、別の考察によって
 
名付けられています。
 
 
このことを
 
この卦の象から説くならば、
 
上(外)卦は  艮･山で、
 
下(内)卦は  離･火ですから、
 
山の下に火が燃えて
 
山に照り映えている形、
 
または火を夕日とみて、
 
夕日が山を彩って美しいので、
 
飾るという意味にとったのです。
 
 
賁(ひ)は、普通あまり使わない
 
文字ですが、古代の貨幣であり、
 
装飾具の貝を沢山、両手を使って
 
身に止め装い飾ることを表して
 
います。
 
また、貝は下(内)卦の  離です。
 
手は上(外)卦の  艮で、艮を以て
 
身とし、止めるとします。
 
だから、賁という字は、
 
この  離下  艮上の卦に
 
最も即した文字であると
 
云えるのです。
 
 
ちょっと時間を割いて
 
この卦に賁:かざるが、
 
相応しいことを説明させて
 
もらいましたが、
 
普通かざるというと表面を
 
外見を飾るということ、
 
悪く言えば、表面を飾って
 
内容をごまかすように
 
考えられ勝ちですが、
 
本来の賁の意味は、
 
飾りごまかすのではなく、
 
ものの価値をより効果的に示す
 
･高めるために粧(よそお)うこと
 
なのです。
 
ですから、ウワベだけを飾って
 
ごまかすのは虚飾･インチキで
 
賁ではありません。
 
インチキ･虚飾では、
 
上手くいきません。
 
亨通しません。
 
しかし、飾るというものを
 
主として考えてしまうと、
 
賁本来の意義を忘れ、
 
飾ることの方にばかり
 
没頭し易いのです。
 
そして、
 
ミイラ取りがミイラになる傾向が
 
賁にもあるのです。
 
 
ですから、この卦を得た場合は、
 
表向き良さそうでも、中身がダメとか、
 
最初はうまくいくが最後は良くないとか、
 
小事はよいが大事は上手くいかないという
 
ことになります。
 
 
このようになるのは、
 
山火賁は、澤水困で賁は内心
 
困っているのにそしらぬ顔して
 
賁(かざ)っているということと、
 
※賁の錯卦(裏卦)が困です。
 
また、賁の卦のニ爻から四爻に
 
坎があり、
 
何か内面に悩み･苦しみを
 
抱えていますが、
 
意気がったり、
 
虚勢を張ってしまうのです。
 
内心はビクビクしているのです。
 
 
これでは、物事は最後まで
 
到達は難しいですよね。
 
 
外見を飾るというか、
 
それに見合うだけの中身を
 
作れればよいのですがね。

 

 
 
 
 
 それから、爻辞を読まれる時の

 

参考になるかどうかはわかりませんが、

 

 

 

初爻：　自分のありのままの姿を

 

見せた方が、好意を与えて

 

上手くいくと言えます。

 

また、良さそうな話をいろいろと

 

持ち掛けられても自重することです。

 

 

 

二爻：　他から干渉を受けて自由に

 

行動できず、他の人々に随って

 

行動しなければなりません。

 

 

 

三爻：　物の本質、本当の姿が

 

明らかになっていないという事です。

 

また、本分を守り通していく事や

 

新しい事より旧事を守ってゆく事です。

 

 

 

四爻：　分不相応な事に手を

 

出さない事です。

 

それから、分相応な事でも

 

謙虚な気持ちで臨む事です。

 

 

 

五爻：　何よりも無駄を省き、

 

質素な行き方をしなければ

 

ならないのです。

 

 

 

上爻：　物極まれば変ずという事を

 

基にして考えていく事です。

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
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