むかし むかしの そのまた むかし、

 

神さまが どうぶつを こしらえたばかりのころ、

 

ある年のくれ、 神さまは どうぶつたちに

 

おふれを だしました。

 

「一がつ ついたちの朝、わたしの やしきの前に あつまれ。

 

はやく 来たものから じゅんばんに、 いちねんずつ 

 

その年の たいしょうに してやろう。」

 

 それを きいて、 うしは しっぽを 

 

ばたばたさせて よろこびました。

 

「おらも なかまに いれてもらうべ。

 

だども おらは あるくのが のろいからなあ。」

 

そこで、 うしは 一がつ ついたちになるまえから

 

ごそごそ したくを はじめました。

 

「あれ、 もう うしさんは でかけるのかい。」

 

ねずみが ききました。

 

「ああ、 おらは のろいから いまから いかないとなあ。」

 

まだ くらくて ほしが ちかちかしているころ、 

 

うしは あるきだしました。

 

それを きいた ねずみは こっそり

 

うしの せなかに とびのりました。

 

うしの せなかは ゆらゆら ゆりかごのよう

 

ねずみは うつらうつら・・・・・・。

 

そのなことなど しらないうしは、

 

のっそり のっそり のっそり のっそり

 

 

神さまの やしきに ついてみると、だれも いません。

 

「あらら、 おらが 一ばんだ。」

 

やがて あかるくなって もんが ぎぎいと あきました。

 

うしが いっぽ なかへ はいろうとした そのとき、

 

ねずみが うしのせなかから ぴょんと とびおりて、

 

「おれが 一ばん !」

 

やれやれ、 うしは 二ばんに なってしまいました。

 

 

 とらは、 よが あけたとたんに とびだしました。

 

「おれさまより はやく はしれるものは いねえ。

 

おれさまが 一ばんだ。」 と

 

びーびー ぶんぶん はしりに はしって

 

かけつけると、めのまえに でっかい うしの 

 

けつっぺたが みえるではありませんか。

 

「うおーっ、くやしいーっ。」

 

それからというもの とらは 

 

うしの けつっぺたを みると、

 

かぶりつきたく なるそうです。

 

 

 うさぎも あしは はやい。

 

よが あけると、すぐに かけだしました。

 

ぴょん ぴょん ぴょん ぴょん

 

けれども、 やっぱり とらには かないません。

 

うさぎは 四ばんめでした。

 

 

 へびと たつは、 どうじに もんのまえに つきました。

 

たつは りゅうともいって、 もともとは へびでしたが、

 

なんびゃくねんも つらい しゅぎょうをして、

 

てんに のぼるように なったのです。

 

おなじ へびでも、 たつのほうが ずっと えらい。

 

「たつさま、 どうぞ おさきに」と、

 

へびが あたまを さげて いいましたので、

 

たつが 五ばんで、 へびが 六ばんになりました。

 

 

 うまだって はしれば はやいのです。

 

けれども くいしんぼうで、 みちばたの くさを みると、

 

「あっ うまそうだな。」 と  あしを とめて、

 

あっちくい こっちくい みちくさを くったものだから、

 

七ばんめに なってしまいました。

 

 

 ひつじは ひっこみじあんで、 きが よわいから。

 

「おいらのようなもんが いっても

 

なかまさ いれてもらえるべえか。

 

だめだべなあ。 だとも、いれてもらいてえなあ。

 

いや、だめだべかなあ。

 

ほんでも まず、 いくだけ いってみっか。」

 

さんざん まよって いったもんだから、

 

ついたのは 八ばんめでした。

 

 

 いぬと さるは、 いえを でたところで

 

ばったり あってしまいました。

 

いぬと さるは なかが わるくて、 

 

かおさえ みれば いつも けんか。

 

さっそく とっくみあいを はじめたところへ───

 

にわとりが でてきて、

 

「こけーこ こけーこ、 けんかは やめろ。」 と

 

さるの けつっぺたを つついたり、

 

いぬの せなかを つついたりしました。

 

いぬと さるは ますます あたまに ちが のぼって、

 

もう 神さまのところへ いくどころではありません。

 

そのうち やっと、

 

「ほんだ ほんだ、 神さまのところさ いくんだった。」 と

 

きがついて、 あわてて はしりだしました。

 

「おまえらが くっつくと、 また けんかになるから。」 と

 

とりが いって、 さると いぬの あいだに はいったから、

 

さる、 とり、 いぬの じゅんばんになりました。

 

 

 さて、 いよいよ 神さまが あらわれて、 

 

どうぶつたちに おっしゃいました。

 

「あつまったのは これだけか。 では、かぞえてみるとしよう。

 

一ばんは ねずみ、 二ばんが、うし、 つぎは、 とらで、

 

うさぎ、 たつ、 へび、 うま、 ひつじ、 さる、 とり、 いぬ───

 

ぜんぶで 十一ぴき。 これで しめきりにして よいかな。」 と

 

そのときです。

 

 

 「まってくれえ、 おれも いれてくれえ。」 と こえがしました。

 

みると、 むこうのほうから ちょとつもうしんで、 

 

いのししが はしってくるではありませんか。

 

いのししも やっとのところで、 なかまに いれてもらって、

 

これで めでたく 十二支が きまりました。

 

 

これには つづきがあります。

 

 

 ほんとうは ねこも なかまに はいりたかったのですが、

 

神さまのところに あつまる ひを わすれてしまい。

 

そこで ねずみに きいたところ ねずみは、

 

「一がつ ふつかだよ。」 と うそを ついたのです。

 

ねこは ねずみに きいたとおり、 一がつ ふつかの

 

あさはやく、 神さまの やしきのまえで まっていました。

 

神さまが でてきて、

 

「なんだ、 おまえは。  なにしに きた?」

 

「おいらも、 ねこどし こしらえてもらうべと おもって きた。」 と

 

いいたら、 「なに ねぼけておるのじゃ。 それは もう

 

きのう きまってしまった。 かおでも あらって でなおしてこい。」 と

 

神さまに そう いわれてしまいました。

 

だから、 ねこは いまでも ひまさえあれば かおを あらい、

 

ねずみを みつけると、 

 

「よっくも うそを ついたな。」 といって、

 

おいかけまわして いるのだそうです。

 

(十二支のはじまりより)

 

 

これが一般的に知られている

 

子どもに話す十二支のお話です。

 

 

ところで、十二支って、動物を表していると思いますか?

 

いいえ 、 実は違います。 

 

 

十二支は、春・夏・秋・冬 季節の変化、

 

消長を表すといいましょうか。

 

萬物の盛衰、循環を表しています。

 

 

十二支は、順番に 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥 と書きます。

 

 

とは、(ジ)という漢字に由来し、「うむ」 「しげる」という意味で、

 

萬物が芽生えると云うことです。

 

とは、(チュウ)という漢字に由来し、「紐(ひも)で しめる」という意味があります。

 

また、「紐で しめる」ということは、「つなぐ」に通じているので、

 

丑は“”(繋ぐ)をも意味します。

 

つまり、丑とは、萬物が一斉に芽吹いて、どんどん大きく生長していく、

 

それを紐で縛って繋ぐことを表しています。

 

とは、“”(イ) “”(イン)に由来し、「うつす」とか、「ひく」と

 

いう意味があります。また、“”(えん)にも由り、

 

 「のべる」〔長くのばす〕という意味があります。

 

つまり、寅は、萬物が地中に隠れてまだその姿を少ししか出していないものを、

 

引っ張り出し、伸ばしていくことを表しています。

 

とは、(ボウ)に由来し、「かくす」という意味があります。

 

つまり、萬物の勢いが盛んになって、生い茂り、

 

地を覆い隠す意味が卯にはあります。

 

とは、(シン)のことであり、「ふるうこと」を意味しています。

 

これは、萬物が凄まじいほどにその身を奮い立たせて、

 

もとの体から抜け出す様子を表しています。

 

とは、(イ)に由来し、「やめる」ことを指します。

 

これは、もとの体が、ここで洗い去られ、

 

已(すで)に竟(おわ)ってしまうことを表しています。

 

つまり、萬物の生長が極限に達した状態を表しているのです。

 

とは、(ゴ) 「さからう」であり、

 

また(ガク) 「落ちる」という意味があります。

 

つまり、萬物が盛大になり、枝葉が互いに擦れ合って入り交じり、

 

生長が極限を過ぎ、衰えの兆しを見せ始めた状態を表しているのです。

 

とは、(マイ) 「くらい」という意味があり、また(ミ・ビ) 

 

「あじわう」という意味があります。

 

つまり、萬物が鬱蒼と生い茂って暗く覆うわれること。そして、

 

萬物が熟して滋味(うまみ)が生じた状態を表しているのです。

 

とは、“”(のびる)に由来し、「引く」 「長ずる」という意味があります。

 

さらに、引っ張り、長ずることで萬物は伸びるのですが、

 

「伸びる」とは成熟する方向へ進むことを表し、

 

これを  「衰え、老いる」とも表現できます。

 

これら萬物が成長し、成熟へ向かう様子を申=伸というのです。

 

また、申は、“”(うたう)にも由来すると云われ、上記同様に

 

「引きのばす」という意味です。

 

つまり、申は、萬物が成熟し、完成することを表しています。

 

とは、“”(ロウ)であり、また“”(ジュク)とも云えます。

 

なぜか? と云いますと、『酉』は酒という字に関係するからです。

 

酉は酒の壺を表現しています。

 

ですから、酒が老(時間の経過)していけば、醗酵しますし、熟成します。

 

また、酉は、“”(ホウ)  「あきる」という意味もあります。

 

つまり、萬物が老い極まって稔り熟成し、熟し切って落下することを表しています。

 

とは、“”(メツ) や “”(サツ)に由来し、殺気が満ちて(衰えが極まって)、

 

萬物が皆滅ぶ(枯れていく・衰退していく)ことを意味しています。

 

とは、“”(カク)であり、“”(ガイ) 「と ざす」 のことであります。

 

その意味するところは、萬物はみな閉蔵(地中や種の中に閉ざされること)されて

 

しまい、萬物はみな核(種)の中に入ってしまうことです。

 

 

そして、やがて訪れる気(季)を迎え待つのです

 

(新たな循環へ  また 子から始まる)。

 

 

 

 

 

○ 4月の占い鑑定出演日 ○
 
月26日(水) 丸井錦糸町
4月28日(金) ヨドバシ吉祥寺

 

 

○ 5月の占い鑑定出演日 ○
 
5月3日(水)  丸井錦糸町

5月5日(金)  ヨドバシ吉祥寺
月10日(水) 丸井錦糸町
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月17日(水) 丸井錦糸町
月19日(金) ヨドバシ吉祥寺
月24日(水) 丸井錦糸町
月26日(金) ヨドバシ吉祥寺

月31日(水) 丸井錦糸町

 

 

 

最後まで、お読みいただきまして、

 

ありがとうございます。 m(_ _ )m

 

タイトルは、あまり関係ありませんでしたね。 <(_ _)>