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吉野朝の悲歌 (川田順著)                       
後醍醐帝(第96代の天皇陛下)
延元元年12月天皇神器を奉じて吉野の吉水に潜幸し給ふ。 
延元4年8月16日(現9月27日)吉野の吉水院の行宮にて崩御。
             52歳吉野山塔尾陵に奉葬。    
 
後醍醐天皇 御製17首
 
 
うかりける 身をあき風にさそはれて おもはぬ山の 紅葉をぞ見る
            (増鏡第18「むら時雨」の章)
さして行く 笠置の山を出でしより 天(あめ)が下には 隠れ家もなし
            (太平記巻第3「主上御没落笠置事」の章)
まだ 馴れぬ 板屋の軒の むら時雨 音を聞くにも ぬるる 袖かな
             新葉集第16「雑上の部」増鏡第18「むら時雨」の章)
いのちあれば こやの軒端の月も見つ 又いかならむ ゆくすえの空
            (増鏡第19「久米のさら山」の章)
あはれとは 汝も見るらむ 我が民を 思ふ心は 今もかはらず
            (増鏡第19「久米のさら山」の章)
聞きおきし 久米のさら山 越え行かむ 道とはかねて 思ひやはせし
            (増鏡第19「久米のさら山」の章)
忘れめや よるべも 浪の荒磯を み船の上に とめし心は
            (新葉集「巻第8旅歌」の章)
世治まり 民安かれと祈るこそ わが身に尽きぬ 思ひなりけれ
           (新葉集「巻第8旅歌」の章)
いそぐなる 秋の砧(きぬた)の音にこそ 夜寒の民の 心をも知れ
           (続千載集「巻第5秋歌下」の章)
ここにても 雲居の櫻咲きにけり ただかりそめの 宿と思ふに
                 (新葉集「巻第2春歌下」の章)
「吉野の吉水院「の行宮におましましける時、雲井の櫻とて世尊寺の辺にある花の咲きたる御覧じて詠ませ給ふ」
花に寝て よしや吉野の 吉水の枕の下(もと)に 石(いわ)はしる音
                 (和州巡覧記「貝原益軒」の章その他23書物にある)
  「京都を逃れさせ給ひ、まず吉水院へ行幸ありて行宮とされ、この床を枕として詠み給ひし歌」
都だに さびしかりしを 雲晴れぬ 吉野の奥の さみだれの頃
                 (新葉集「巻第3夏歌」の章)
この里は丹生(にふ)の川上ほど近し祈らば霽(は)れよ さみだれの空
                 (新葉集「巻第16雑上の歌」の章)
「吉野の吉水院の行宮にて五月雨晴間なかりける頃、雨師の神鎮まります丹生川神
社に程近いので、ここで拝めば雨も上がるだろう」
臥しわびぬ 霜さむき夜の床は荒れて 袖にはげしき 山おろしの風
                (新葉集「巻第6冬歌」の章)
「吉野の吉水院の行宮にてよませ給いける御歌」
身にかへて 思ふとだにも知らせばや 民の心の 治めがたさを
             (新葉集「巻第18雑下」の章
 
「わが命をそれに代へ度く思っている、この心を他の国の民はなかなか理解させがたいものだ」
こと問はむ 人さへ稀(まれ)になりにけりわが世の末の程ぞ知らるる
 
           (新葉集「巻第19哀傷歌」の章) 
露の身を 草の枕に置きながら 風にはよもと 頼むはかなさ
                (新葉集「巻第18雑下」の章
「吉野の吉水院の行宮におはしましける頃御心地例ならザリけるを御風の気なれば定めて早くおこたらせ給はむずらむなど人の申しければ」
 
 
 
古郷は恋しくとてもみ吉野の花のさかりをいかが見捨てむ(新葉113)
 
【通釈】いくら故郷の都が恋しいと言っても、吉野の花の盛りをどうして見捨てることができましょう。
【補記】詞書に「延元四年」とあるのは誤りで、三年が正しい。東国での敗戦により一時吉野に逃れていた時、母方の従兄にあたる二条為定から歌で「都への帰り道を急いでほしい。名にし負う吉野の桜に心は止まろうとも」と言ってきたのに対する返事。親王にとって本当に見捨て難かったのは、無論吉野の桜よりも、南朝という運命共同体であったはずである。
花挿頭
君をのみたのむ吉野の宮人の同じかざしは桜なりけり(宗良親王千首)
 
【通釈】我が君をひたすら頼みとする吉野の宮に仕える人々が、揃って挿頭とするのは、名にし負う桜の花であることよ。
【補記】晩年の千首歌。南朝の廷臣たちの一致団結を謳う。「君」は具体的には長慶天皇のことになる。
【本歌】伊勢「後撰集」
わが宿とたのむ吉野に君しいらばおなじかざしをさしこそはせめ
 
 
 
 
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