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ロシアのグルジア侵攻



グルジア戦争勃発!ロシア、南オセチアを空爆、戦車で越境侵略!
ロシア、オセチア独立支援で爆撃侵攻、グルジア人1,400人死亡

 現地時間で4日金曜、ロシアは黒海沿岸で国境を隣接するグルジア共和国の空軍基地を空爆とミサイル爆撃を繰り返し、両国間の全面戦争の口火を切った。
旧ソ連盟邦国だったグルジアが独立する際に、ロシア属領の北オセチアとグルジア属領の南オセチアに二分された非緩衝地帯にあって、グルジア共和国に属する南オセチア自治区を攻撃侵攻した今回のロシアによる侵略行為は、グルジアをバックアップするブッシュ政権の米国と正面から衝突する局面も予測され、今後の経過は予断を許さない。
グルジア情勢をめぐり、ロシアは20日、サルコジ仏大統領の仲介で成立した和平合意6原則をほぼそのまま文面にした決議案を国連安全保障理事会に提示した。ロシア軍の即時撤退を求める米欧の外交攻勢に対し、合意には撤退期限が示されていないことを強調して反撃に出た形だ。

 和平合意のあいまいさを突いた“奇策”ともいえ、ロシアのチュルキン国連大使は記者団に「仏大統領の仲介案。当然、(米国など)他国も広く賛成すると思う」と述べた。

 これに対し米国のウルフ国連次席大使は、ロシアが武力不行使や交戦停止など、6原則をほとんど実行していないと主張。現時点での同案採択は「ロシア流解釈に認め印を押すようなもの」と拒否権行使を示唆した。

 フランスは前日、ロシア軍の即時撤退要求と、南オセチア自治州などとグルジアの領土の一体性を盛り込んだ決議案を提出したが、ロシアは「『即時』も『領土一体性』も和平合意にはない」と反発。ロシアの新提案で、採択がほぼ不可能な2つの決議案が並立することとなった

≪グルジア≫
1.面積 6万9,700平方キロメートル(日本の約5分の1)
2.人口 430万人(2003年初)
3.首都 トビリシ
4.民族 グルジア人(70.1%)、アルメニア人(8.1%)、ロシア人(6.3%)、アゼルバイジャン人(5.7%)、オセット人(3%)(1989年)
5.言語 公用語はグルジア語
6.宗教 キリスト教(グルジア正教)、イスラム教(スンニ派)

グルジアは19世紀後半にロシア帝国によって武力併合され、以後ロシア化政策に苦しむ。反ロシア感情が強くなっていった。
20世紀初頭にロシア革命が起きた際にグルジアはロシア共産党の宿敵であったメンシェビキ(※)が唯一政権を掌握した地でもあったため、主権国家として独立を宣言。しかし1922年、スターリンの赤軍がグルジアを武力で打倒し、「ザカフカス連邦共和国」としてソ連邦に編入させられた。このとき、スターリンが行った民族政策として南オセチア自治州にイラン系住民を入植させ、民族間憎悪をあおり、グルジア民族の敵意をロシアからイラン系に向けようとした。この南オセチアはもともとグルジアの領土だが、人工的に親ロシアのイラン系オセット人が入植されてきたのである。
1991年、ソ連邦が崩壊して2度目の独立のチャンスが訪れ、主権国家として独立を宣言。しかし、この新国家は反ロシア感情から旧ソ連領の共和国との貿易を断ったため経済が困窮。南オセチアやアブハジアの民族運動が激しくなった。グルジア政府は南オセチアの分離独立を認めず、自治権を廃止し、国防軍を進駐させた。これに対しロシア政府がグルジアに軍を撤退させるように命令、緊張が高まる。だがグルジアは経済の不安定さもあって、反体制派が政権を奪取、新大統領にシュワルナゼが就任する。旧ソ連の外相でもあったシュワルナゼは一転親ロシア政策に変更し、戦争は回避された。しかし、南オセチアはまだ独立を諦めていない。

さてもう一つの火種、アブハジア共和国であるが、アブハジアはは1922年にグルジアに編入されて以来、反グルジア感情が強い。どちらかと言えばソ連邦に帰属心を持っていた。しかしグルジアはアブハジアで民族浄化を推進、アブハジア人は少数になってしまった。こうして分離独立運動が活発化する。ロシア帝国と同じことをしているグルジア・・・皮肉なものである。
1992年、アブハジアはついに独立を宣言するがグルジアはこれを武力で制圧、アブハジア人はゲリラとなって、ロシアやイスラム系過激派の援助を受けて内戦は激化、一時期アブハジア側がアブハジア全土を制圧し、グルジア人を民族浄化し返すということもあった。94年に停戦合意が結ばれ、アブハジアに一定の自治が認められたが独立は出来なかった。そのため火種は依然くすぶっており、停戦以後も散発的に内戦が続いている。

2004年1月に、シェワルナゼが不正選挙で国民の怒りを買い辞任。新大統領としてブルジャナゼが就任。分離独立問題の今後は彼の手腕にかかっている。
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