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≪阪神淡路大震災の思い出≫


神戸の東灘の被災地を

地震の凄さを見ようと

爆音を立て蛇行しながら

多くの暴走族が走リ抜ける

ふざけた暴走族がケラケラ笑う!


「おもろいで~高速道路が折れてるやんか~」

「ほら!おもろい見てみい~車がぎょうさんつぶれてるやん!」

「すごいやんけ!~ビルが横倒しやんけ!」と奇声を発する

走りながらカメラでバシバシ写す


私は被災地の救助活動をしているボランティア

何とも口惜しい・・このままにしておかぬとつぶやいた

地震で家を失い、着の身着のままの被災者

家族を失った被災者

私は「ものみゆうざんの暴走族を許さない!」と叫んだ


避難場所で寒さに震える地元の人々の為にも

ここは、こいつ達を叱り付けねばならない!と考えた

周囲の人が止めるのも聞かず

国道の真ん中に立ち 手を広げ

ひき殺されてもいいと立ちはだかった


暴走族を次々に止めた

私は、暴走族のグループのリーダーを集めて叫んだ

「大きな地震で困っている人が沢山避難場所にいる」

「お前達は遊び半分で神戸に来たんではなかろう!」

「お前達は何か、お役に立ちたいと思い、神戸に来たのではないのか?」

私は大声で命令した


「俺について来い・・仕事を与えてやる」

被災者の給水車からの水汲み

今夜配るパンとりんごの種分と賞味期限確認

被災者のトイレ掃除

暴走族たちが・・・リーダーの指揮の下

生き生きと活動した


避難場所に活気が出た

私のことを「親分」と呼んで指示を受けた

素直ないい子ばかりに見えてきた

皆が元気になった

暴走族も目的さえ与えれば

凄い力を発揮すると感動した

「暴走族もいいとこあるやんけ」と

「親分」は考えを変えた



朝方みんな風のように

静かに去って行った

「親分」だけを残して

(13年前の素心宮司の思い出)