ミドルマネジメントの定義、必要とされる基本スキル、課題、キャリア戦略
などが分かりやすい切り口で語られている。

読んで損なし。

それにしてもマネジメントというのは難しいものだ。
スポーツの世界でいう優秀な選手が優秀な監督に簡単になれるわけで
ないのと同様、ビジネスの世界でもこのロジックは通用する。

また、なかなか変えることの難しい“性格”や“性質”がマネジメントの結果に
大きく左右することも考えさせられる。

ノエビア副社長逮捕の件など同様の事件がなぜ後を絶たないのか・・・


※あとがきにあった経営学についての考え方が参考になったので以下抜粋

そもそも経営学というのは他の科学のようにデータを解析することから
理論を導き出す学問として成立しうるのかに関して、少なからぬ人が異論を
もっているものです。
~一部省略~この点は経営学を信頼していない部分もありある意味机上の空論にすら
なっていないと感じることもあるほどです。
実際、経営学というのは現実の企業で起こっていることを研究する学問なのですが、
日々進化している企業にもぐりこんでデータを集め、何らかの仮説を証明していく
のは、実務的にとても困難な作業なわけです。
~一部省略~経営学というのは、経済学や商学、哲学、心理学や法学、社会学や
政治学など、数多くの学問分野を横断的に網羅しつつ、研究者たちが集めてきた
企業の実例調査などを加えて曖昧に成立しているものであり、何を持ってして経営学と
呼ぶのかはいまだに不明なところがあります。
そんな経営学の面白さは、一見すると何の関係もなさそうな学問分野の間に強烈な結びつきを
感じる瞬間にこそあります。複数の分野が通低しているということは、それぞれの分野から
さらに一歩もぐったより深い部分に、もっと根本的な真理が存在するということを
暗示しているからです。
このようにして経営学が明らかにしつつある基本的な真理とは、人間そのものに関する
原理なのではないかと考えています。
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