「2022年度またはその後」って、ナンやネン?? | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

日本経済新聞を、お金を払って購読しているので、日経速報メールが来る。

今日やってきたのはこれ。


From: 日経速報メール [mailto:sokuho-news@mx.nikkei.com]
Sent: Friday, April 05, 2013 5:22 AM
Subject: 普天間返還「22年度以降」 日米最終合意、共同発表
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        日経速報メール 4/5
        http://www.nikkei.com/
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◆普天間返還「22年度以降」 日米最終合意、共同発表


(無断転載厳禁と書いてあるので、そうならないよう本文省略)

http://mx.nikkei.com/?4_78441_345479_1



速報メールに記載されていたURLへ行くと、以下の記事がでてきた。


普天間返還「22年度以降」 日米最終合意を共同発表
日本経済新聞 2013/4/5 18:12


>日米両政府は5日夕、沖縄県の米軍嘉手納基地以南の施設・区域の返還計画を最終合意した。首相官邸で安倍晋三首相とルース駐日米大使らが共同で発表した。米軍普天間基地(宜野湾市)の返還時期は「2022年度またはその後」と明記。防衛相は6日に沖縄県を訪れて仲井真弘多知事に計画を説明する。

同記事によると、「米側は普天間基地の返還時期の明示に慎重だったが、沖縄の負担軽減を強調したい日本側が強く求めた」とある。しかし、何をどう強く求めたら「2022年度またはその後」と明記されることになるのだろう?!


「2022年度またはその後」の意味は、表現を変えると「2022年度より前には返還しません」という意味があるだけであり、米国が永遠に返還しなくても約束違反にはならないのであるから、これを日本側が強く求めるのはおかしい。「2022年度またはその後」には、返還する期限はどこにも含まれておらず、いわば「米国は永久に返還しなくてもいいですよ」と言っているのに等しい。

これを日本側が強く求めたのだとしたら、アホとしか言いようがない。これで理屈が通るのは米国側が求めた場合だけだ。米国側はできるだけ返還したくないのであるから、「2022年度より前には何があっても返還しません」という意味で「2022年度またはその後」と強く要求し、日本側がそれを飲んだ、ということならわかる。

しかし、記事を素直に読むと、逆なのである。日本政府が強く求めたのである。日本政府は米国政府に対して「2022年度より前には何があっても返還する必要は無いし、2022年以後もいつまでも返還しなくてよい」という約束を強く求めたのである。


申し訳ないけど、よくこんな記事が書けるなと思う。あるいは、政府がマスコミに対して、このようにしか書かせないというような圧力をかけたのだろうか?ほんとうは、日本政府が腰砕けの交渉しかできなかったのだけれども、「2022年度またはその後」と書いてあれば人々を誤魔化せると考えたのであろうか?

いくらなんでも、沖縄県知事は騙せないと思うけど…もし騙せたなら、沖縄県知事も日本政府とグルとしか考えようがない。