現実を視よ | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

現実を視よ(柳井正 著)
を読みました。

4週間かけて3カ国・6都市を旅する長期出張を終え、バンコクから成田経由でDCに戻る際、成田空港のTSUTAYAでこの本が目に留まりました。目に留まった主たる理由は、タイトル。「現実を視よ」になんとなくピンと来るものがありました。

著者の柳井正さんは、ここで書くまでもないでしょうけれど、ユニクロを展開するファーストリテイリングの社長さん。成田空港を利用する際にはほぼ毎回、空港内のユニクロで私は何か買います。その程度にユニクロには肯定的な感触をもっていますけれども、私は特にFANというほどの者ではありません。ユニクロという巨大なチェーン店を柳井さんが作り上げられたのはもちろん知っておりましたが、その人となりに特に興味があったわけではありませんでした。


で、読んでみると、柳井さんがとてもすばらしい考え方をされている人であることがわかりました。ユニクロがこれほどまでに成長できた理由がよくわかりました。

今まで、実は、柳井さんの著書や言動にはほとんど興味がなかったのです。勝手に、自分とは違う世界(業界)の人で、あまり参考にならないだろう、程度にしか考えていなかったのです。しかし、「現実を視よ」を読んで、私のその先入観は大いに間違っていたことを知りました。



「現実を視よ」、すばらしいです。

久々に、2度読まされました。

2度読もうと思う本に出会うことはほとんどありません。1度しか読まない本だけでなく、途中で読むのを止めてしまう本も多くあります。読後に、ゴミ箱に捨てる本もたくさんあります(これは、妻に叱られるので、彼女にバレないように細心の注意を払って実行する必要があります(笑))。そんな中で、「現実を視よ」は2回読まされました。


2度目に読んだ際に、私自身の視点で覚えておきたいフレーズをピックアップしました。それは以下のとおり。

・人より多く失敗すればするほど、より早く成長できる。

・正常であれば、必ず成長する。逆に、成長していないのなら、何かがおかしい。

・経営者に求められるのは、長期的なビジョンを語ること。企業の明日を語り、夢を語り、そして志を語り続けなければ、従業員はついてこない。顧客からも信頼されない。

・真剣に仕事をしていれば、必ずわかってくれる人はいるものだ。

・起こっていることは、すべて正しい。

・成功は1日で捨て去れ。

・変化に対して躊躇することのない社風を作る。

・経営者は、つねにゼロベースでいなければならない。

・苦しいときほど「理想」をもて。


ただし、この本の本領は上のような表現にあるのではなく、日本および日本人の現状に対する強烈な批判にあると思います。「『日本人は頭がいい』は過去の話」、「日本が誇る技術は『町工場』の職人技だけ」、「(日本人の)生活レベルはせいぜい『中の下』」…のような展開がメインポイント。

柳井さんが言われるように、現実を視ないといけません。柳井さんが書かれていることに、私は完全に賛同します。

みなさんにも是非読んでいただきたいです。