ラジオ番組でがん治療に携わる先生の話を聞いた。
最先端の治療法や患者に接する態度の今と昔の違いなど。
その中で、ある患者さんの心の変化の話にとても感動した。
余命僅かと宣告され、
「私はもう生きていても意味がない、迷惑をかけるだけだから」
と言う妻。
「君が生きてさえいてくれればそれでいい、生きてくれ」
夫の言葉に、
自分が生きていることが夫の励みになっているのだと気づく。
次第に笑顔を取り戻す。
今の自分はどうだろう。
妻に対して自分の存在がどれほどのものなのか。
縁あって一緒になり、お互いに必要な存在だと認め合う。
その当たり前のことがずっと続くことが幸せ。
もうこんな生活から抜け出したい。
一人になって残りの人生を自由に生きたい。
それに妻は現在でも現役、私がいなくても生活できる。
そんなことを思って一人沈んでしまうことがある。
でも本当に一人になったら、それで気持ちが落ち着くのか。
長年放置していたfacebookに投稿したら、
複数の友人から「おかえりなさい」と返信があった。
何年も音信不通にしていたのに声をかけてくれた。
自分の存在など誰も気にしていないだろうと思っていたので驚いた。
緊張がほぐれた気がした。
他人であっても何かの縁で知り得た人々とのつながり。
それが心の支えになることを知る。
人には心がある。
何かを愛する気持ちは誰にでもある。
そして愛する人や物のそばで幸せを感じる。
生きる喜びになる。
ただ近くにいてくれるだけでいい。
Sunrise 外房海岸