神戸から熟年翻訳者が翻訳のあれこれや、中学生の英語や、海外ネタなど、ゆるくそしてときには熱くお届けしますので、ご覧ください。

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マツオカ ヨシキの翻訳バンザイ日記

翻訳にまつわるお話や、
身の回りの出来事などを
神戸市北区在住の
熟年翻訳者 松岡 義樹が
皆様にお伝えします。
よろしくお願いいたします!

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中学生が学ぶ英語。
2014年に投稿を開始して、8年もかかってしまいました。
これが最後の投稿です。

原文:
Sudan is a large country in northeast Africa. It is a country with great promise. It also has great problems.
For many years, the people of Sudan have suffered from war and hunger. Kevin Carter went there to work as a photographer. He wanted the world to see the problems of Sudan.
One day Carter saw a child on the ground. He knew why the child was there. She was so hungry that she could not move. Suddenly, a vulture appeared and approached the girl. He took a photo. The photo appeared in newspapers all over the world. He won a Pulitzer Prize for it.

At first, this seemed like a good thing. The photograph shocked people around the world. They were suddenly aware of the problems that the people of Sudan faced. The world could help them. The people of Sudan could help themselves. Many hungry people got the food they needed. In this view, the photograph and the photographer did their jobs. Many lives were saved.

There was another view. Many people agreed that the photograph was certainly shocking. The photographer's actions also shocked them. The child was weak. She was dying. She was in need. However, the photographer took a photograph instead of helping her right away. They thought that this was wrong because we should always help people in need.
Mr. Carter had to make a tough decision between doing his work and helping the child. He chose to take the photograph. What do you think of his decision? What would you do?

訳文:
アフリカ北東部に位置する大国、スーダン。それは大きな可能性を秘めた国です。一方で、大きな問題も抱えています。
スーダンの人々は長年、戦争と飢餓に苦しんできました。ケビン・カーター氏は、写真家としてスーダンを訪れました。彼は、スーダンが抱えている問題を世界中に知ってほしかったのです。
ある日、カーター氏は地面に倒れている子供を目にしました。彼は、その子がそこにいる理由が分かっていました。お腹が空いていて動くことができないのです。突然、ハゲタカが現れ、少女に近づきました。彼はすぐさま写真を撮りました。その写真は、世界中の新聞に掲載されました。彼はこの写真でピューリッツァー賞を受賞しました。

最初、これは良いこととして受け止められました。この写真は、世界中の人々に衝撃を与えました。スーダンの人々が直面している問題に、世界中の人々が突然知ることになったのです。世界中から援助の手が差し伸べられ。スーダンの人たちは、それを役立て。多くの飢えた人々が必要な食料を手に入れました。これを考えると、この写真と写真家は、その役割を果たしたと言えます。そして多くの命が救われたたのです。

もう一つの考え方がありました。多くの人が、この写真は確かに衝撃を与えたことを認めていますが、写真家の行動も同じく衝撃でした。子どもは衰弱し、今にも死にそうでした。今すぐ食べ物が必要でした。しかし、写真家はその子をすぐに助けずに、写真を撮りました。それは間違いではないか。なぜならば、困窮している人がいれば、助けることが先決であるべきだからです。
カーター氏は、自分の仕事を優先するか、その子供を助けるか、難しい決断を迫られました。彼は写真を撮ることを選びました。あなたは彼の決断をどう思いますか?あなたならどうしますか?

コメント:
最初から最後まで「中学生の英語」に目を通していただいた皆様に感謝いたします。
中学生の英語を通じて、英語を学ぶことや学びなおすことのきっかけになれば幸いです。
 

最終投稿が2019年4月24日なので、ほぼ3年ぶりの投稿です。
中学生が学ぶ英語を完結させます。

原文:
Jimmy opened a shoe store and worked hard for many months.
He made many new friends in Elmore. People in the town respected him. He became friends with the woman, Susan Adams. She was the daughter of the town's banker. He asked her to marry him. Their life together was going to start.
Mr Adams bought a new safe for the bank. He was very proud of it. One morning, he took his family and Jimmy to the bank and showed it to them. Two of the family's little girls were playing around the safe.
Just then, Ben Price entered the bank. He saw Jimmy. "I've got him at last," he thought. He started toward Jimmy.
Suddenly there was a cry from Susan. One girl was shut in the safe. The door was locked. It could not be opened.
Through the thick door,they could hear the faint voice of the child. There was nothing they could do.
"Even I can't open the door,"Mr Adams said. "And the safe company is many hours away."
Susan turned to Jimmy. "What can we do?"
He looked at her and smiled sadly. "Susan,"he said "Give me your rose. I'll do what I can. Only for you,
dear. Only for you."
Susan gave Jimmy the rose. He put it in a poket of his vest. He turned to the safe. His old skills came back to him. In ten minutes the door was open, and the little girl was back in her family's arm. Jimmy walked toward the front door. He heard Susan's voice, but he didn't look back. His life in Elmore was finished.
At the door Ben Price stood in Jimmy's way. "Well,"said Jimmy. "You found me at last. Let's go."
Ben looked Jimmy over slowly. "I think you made a mistake, sir. I don't think I know you."
Ben Price left the bank and walked slowly down the street.

直訳:
ジミーは靴屋を開き、何カ月も懸命に働いた。
彼はエルモアで多くの新しい友人を作った。町の人々は彼を尊敬していた。彼は、スーザン・アダムスという女性と友達になった。彼女は、町の銀行家の娘だった。彼は、彼女に結婚を申し込んだ。二人の生活が始まるのである。
アダムス氏は銀行のために新しい金庫を買いました。彼はそれをとても誇りに思っていた。ある朝、彼は家族とジミーを連れて銀行へ行き、それを見せました。金庫の周りには、家族の小さな女の子が二人、遊んでいた。
その時、ベン・プライスが銀行に入ってきた。彼はジミーを見た。「とうとう捕まえたぞ」と彼は思った。彼はジミーに向かって歩き出した。
突然、スーザンの叫び声がした。一人の少女が金庫に閉こめられた。扉はロックされていた。ドアを開けることはできなかった。
厚いドアの隙間から、かすかに子供の声が聞こえた。どうすることもできない。
「私も開けられない。それに、金庫会社は何時間もかかるんだ」とアダムス氏はいいました。
スーザンはジミーの方を向きました。「私たちに何ができる?」
彼は彼女を見て悲しげに微笑んだ。彼は言った「スーザン、私にあなたのバラをください。私ができることをやってみましょう。あなたのためにだけ。愛しい人 あなたのためにだけ。」
スーザンはジミーにバラを渡した。彼はそれをベストのポケットに入れて、金庫に向かった 昔の腕前がよみがえった。10分後に扉が開き、少女が家族の腕の中に戻ってきた。ジミーは玄関の方に歩いていった。スーザンの声が聞こえたが、彼は振り返らなかった。エルモアでの生活は終わったのだ。
ドアの前でベン・プライスがジミーの前に立ちはだかった。ジミーは言った 「さて、よくぞ見つけてくれた。さあ、行きましょう」。
ベンはジミーをゆっくり見渡した。「お間違えではないでしょうか 私はあなたを知らないと思います」
ベン・プライスは銀行を出て、通りをゆっくり歩いた。


意訳:ジミーはエルモアで靴屋を営んだ。何ケ月も仕事に精を出した。彼にはたくさんの新しい知り合いができた。町の人たちは、彼の働きぶりに一目を置いていた。そして、スーザン・アダムスという女性と知り合った。彼女は町の銀行家の娘だった。ジミーは、彼女にプローズした。二人の生活が始まろうとしていた。
アダムス氏は、銀行の新しい金庫を手に入れた。自慢の金庫だった。ある朝、彼は金庫を見せるために、家族とジミーを連れ立って銀行に立ち寄った。家族の小さな女の子二人が、さっそく金庫の周りで遊び始めていた。
ちょうどその時、ベン警部が銀行に足を踏み入れた。彼はジミーを一瞥して「ようやく見つけた」と心の中でつぶやき、ジミーに向かって歩みかけた。
そのとき突然、スーザンの叫び声が部屋中に響いた。一人の女の子が金庫の中に閉じ込められたのだ。金庫の扉は固く閉ざされ、開けることはできなかった。
分厚い金庫の扉越しに、子供のかすかな声が聞き取れた。誰も成すすべがなかった。
アダム氏はいった「開け方が分からないんだ。金庫会社は、ここから何時間かかる。」
スーザンがジミーに向かっていった。「どうすればよいの?」
ジミーは、スーザンを見て、悲しげに微笑み、「スーザン、きみのバラをくれないか。できるかどうかやってみるよ。これは君のためにすることだ。いいね、きみのために」といった。
スーザンは、ジミーにバラを手渡した。彼はそれを上着のポケットに差し入れ、金庫に向かいあった。昔の金庫破りの技がよみがえっていた。10分後、扉が開き、小さな女の子が家族の腕に抱きとめられた。ジミーは銀行の玄関に歩いていった。スーザンの声を耳にしたが、振り返らなかった。彼のエルモアでの生活は終わったのだ。
銀行の玄関に立ちはだかったベン警部にジミーがいった「さて、よくぞ見つけ出しましたね。それでは参りましょう。」
ベン警部は、ジミーを調べるようにじろりと見て、「人違いではないでしょうか、あなたとお会いしたことはないとお思いますが。」ベン警部は銀行を後にして、ゆっくりと通りを去っていた。

 

コメント:

居場所を突き止めた警部の目の前で、家族のために、幸せな生活を投げ打ち、覚悟を決めて、金庫破りの技を見せる。

それを見た警部の最後のセリフ「I think you made a mistake, sir. I don't think I know you.」が良いですね。
警部の職務上、実際にはそうはいかないかもしれませんが。それが物語のよいところです。

 

警部の恩情バンザイ!

 

かなり間が空いてしまいましたが、中学生が学ぶ英語を続けます。

日本語の主な文体として、「ですます調」と「だ・である調」があります。
たとえば、「私の名前は田中です」という「ですます」調を「だ・である調」に言い換えると「私の名前は田中である」または「私の名前は田中だ」となります。

今回は、ハードボイルドな内容みたいなので「だ・である調」で訳してみました。

また、ある程度日本語を付け足さないと意味が伝わらないので意訳もしてみました。

 

原文:

Jimmy Valentine was in prison for breaking into safes. After four months, he was released. Soon after that, several safes were broken into in the area. Ben Price, a policeman, was on the job. "It looks like the work of Jimmy. I must catch him."

Jimmy could tell the police were after him. So he decided to move to Elmore, a small town, and hide. One day, he saw a woman walking down the street. Their eyes met. In that moment, he diceided to start a new life. His life as a safebreaker was behind him.

直訳:
ジミー・バレンタインは金庫破りで刑務所にいた。4か月後、彼は釈放された。その後すぐ、その地域でいくつかの金庫が破られた。警察官のベン・プライスは、仕事中だった。「ジミーの仕業のように思われる。彼を捕まえなければならない。」

ジミーが言えたのは、警察官が追っていることだった。そこで彼は小さな町エルモアに引っ越して隠れることに決めた。ある日、彼は通りを歩いている一人の女性を見た。彼らの目が合った。その瞬間、彼は新しい生活を始めることに決めた。彼の金庫破りとしての生活は過去のことだった。

意訳:
ジミー・バレンタインは、金庫破りの疑いで4カ月間刑務所暮らしを送った後に釈放された。その後すぐに、町のいくつかの金庫が荒らされた。事件を担当したベン・プライス警察官はこう考えた。「どうやらジミーが犯人のようだ。捕まえなければならない。」

 

ジミーは警察官に追わていることが分かっていた。そこで彼は、小さな町エルモアに逃亡して身を隠すことにした。ある日、彼は通りを歩いている一人の女性に目を止めた。二人の視線が合ったその瞬間、彼は新しい生活を始めることを決心した。金庫破りの生活と決別するために。

 

コメント:

中学三年生の一番最後のあたりにある文章ですが、訳すのが難しいですね。

ここまででいえるのは、「ジミーという金庫強盗が捕まって4ヵ月刑務所に入った後に(理由はわかりませんが)釈放された。そしてどうやら釈放後にまた金庫破りを繰り返した後、警察官に追われていることに気づいて別の町に逃げて暮らし始めた。ある時、通りを歩く女性と目が合い、金庫破りの仕事から手を洗って、新しい生活を始めることに決心した」ということです。

 

続きは次回に訳します。

 

新生活バンザイ!

 

 

前回の投稿からだいぶ間が空いてしまいました。
紅葉のシーズンに入りました。
日中の気温が20℃を下回るようになりましたが、神戸周辺での本格的な紅葉は来月中旬以降のようです。

今回は残りの2つの短文を見てみます。

○ 短い文でも人に思いを伝えることはできる。母への思い、父への思い、友達への思いなど、口に出しては言いにくいことでも文で書くことはできる。そんな思いを読み取り、自分でも書いてみよう。

原文:
Why was it that we fought?
Why was it that we reconciled?
It's a wonder.

Sahori Koganei (Female 14)

訳例:
いったいなぜけんかをしたんだろう?
仲直りした理由はいったいなんだろう?
不思議だね。

サホリ コガネイ(女性14歳)

コメント:
単純な過去形の文であれば、
Why did we fight?
Why did we reconcile?
となります。
基礎的な英語であれば、これで十分だと思います。
Why was it thatの場合は、that以下の過去の出来事が強調されて、「いったいなぜそうなったのか」というニュアンスが強められます。
原文は、「中三の女子が友達とけんかしたけど、知らぬうちに仲直りして、それって不思議なことだと思っている」と解釈しました。

原文
Mother, don't die.
Until I say it's all right, don't die.
Until I have finished repaying everything, don't die.

 

Yasuhiro Narita (Male 28)

訳例:
お母さん、長生きしてください。
私が十分に尽くしたといえるまで、死なないでください。
私が親孝行を果たすまで、生きていてください。

ヤスヒロ ナリタ (男性28歳)

コメント:
don't die は直訳すると「死なないで」という意味ですが、これはたぶん30歳前の息子さんが、親孝行したいという気持ちを伝えたものと解釈しました。
Untilは「まで」という意味を表わします。「までに」という意味を表わすbyとの使い分けを覚えておくべきです。
byはある時点「までに」何かをやること(期限)を意味します。
untilはある時点「まで」何かをやり続けること(継続)を意味します。

例えば、夕方に誰かに以下のように言われたとします。
夜の8時まで宿題をしなさい。
夜の8時までに宿題を終えなさい。

「夜の8時まで宿題しなさい」は、宿題を夕方に始めて、夜の8時まで続けるということなので、継続を表わすuntilを使います。
「夜の8時までに宿題を終えなさい」は、宿題を夕方に始めれば、6時ごろに終わることもあるでしょうし、8時ぎりぎりまでかかる場合もあります。この場合は、期限(夜の8時までに)を表わすbyを使います。

紅葉バンザイ!

前回に引き続き、中三の英語の教科書にある、2つの短文を紹介します。

 

○ 短い文でも人に思いを伝えることはできる。母への思い、父への思い、友達への思いなど、口に出しては言いにくいことでも文で書くことはできる。そんな思いを読み取り、自分でも書いてみよう。

原文:
When you cry, I cry.
When you smile, I smile.
When you laugh, I laugh.
When you dance, I laugh.


RachelLandrecht (Female 27)

訳例:
あなたが泣くとき、私は泣く。
あなたが微笑むとき、私は微笑む。
あなたが笑うとき、私は笑う。
あなたが踊るとき、私は笑う。

Rachel Landrecht(女性27)

コメント:
訳例は直訳に近いです。
誰に宛てた文なのかわかりませんが、仮に27歳の女性が自分の子供に向けた文と仮定すれば、次のように意訳できます。

あなたが泣いてるときは、私も泣いているのです。
あなたが微笑めば、私も微笑む。
あなたが笑っていれば、私もおかしくて笑ってしまう。
あなたが踊っているときは、楽しくて笑い声が出てしまう。

この文も学校ではどのように訳しているのか気になります。

原文:
Dad,
You act scary
But I know you're really weak.
Sorry I noticed.

Asuko Yamamoto (Female 17)


訳例:
とうさん、
あなたの振舞いは恐ろしい
しかし、私はあなたが本当は弱いことを知っています。
悪いけど、それに気付きました。

ヤマモト アキコ(女性17)

コメント:
父親に向けての一文です。
すごい辛辣な文にも読めるし、「おとうさんは、普段は怖いけど。本当は弱みもあることに気付いちゃいました」と解釈すれば、娘さんの父に対する愛情表現ととれなくもないですが。どのような訳し方があるのか興味があります。

翻訳の仕事には創造力が求められるときがあります。

どのような年齢で、どのような立場の人が、誰に何を伝えようしているのかということをより理解できれば、より分かりやすく訳せることができます。今回の短文はまさにそのような一例かもしれません。

創造力バンザイ!

台風7号が沖縄付近にあり、北上中ということもあるかもしれませんが、7月に入ったばかりの本日はとても蒸し暑いです。

中三が学ぶ英語から、6つの短文を紹介します。

本日はそのうちの2つです。

 

○ 短い文でも人に思いを伝えることはできる。母への思い、父への思い、友達への思いなど、口に出しては言いにくいことでも文で書くことはできる。そんな思いを読み取り、自分でも書いてみよう。

原文:
I wonder if Einstain knew that time goes faster when you're with a friend.

 

Naohito Kubo (Male 18)

訳例:
アインシュタインは友人と一緒にいる時間は早く過ぎることを知っていただろうか。

クボ ナオヒコ (男性18)

コメント:
I wonder if は、if 以下は「どうだろうか、わからない」と言いたい場合によく使われます。
例えば、友達から話しを聞いて、それが本当かどうか疑問だという場合、I wonder if that is true. といえます。
この原文は、クボさんが一緒にいる友達に送った言葉なのでしょうか?

であれば、「友達といる楽しい時間はすぐに過ぎていく」という思いを暗に言葉にした、かなりしゃれた言い回しだと思います。

原文:
My name is Kiyoko,
My older sister is Kanako,
The dog is Ran,
Surely you can handle that much.

Kiyoko Sano (Female 14)


訳例:
私の名前はキヨコ、
私の姉はカナコ、
犬はラン、
確かにあなたはそれぐらいできます。

サノ  キヨコ(女性14)

コメント:
中三の英語力でどう解釈したらよいのか、誰に何を伝えたいのか意味不明です。

学校で先生がどのように訳しているのか興味があります。

難文バンザイ!

前回から引き続き、LESSON 8 LET'S READ 2 の最後の文章です。

原文
The wonderful time passed quickly. As the sun set and the stars came out, everyone knew it was over.
 "Bye now. Take care," I said to Abel.
 "Same to you," he said to me.
 I waved to Abel one last time as a friend.

 The next day we were enemies again. Friends from the day before shot at and killed each other. Many were wounded, many died.
 But I will always remember that special moment of friendship. The impossible thing happened.
Armies met in peace, not war.


訳例
楽しいひと時はあっという間に過ぎ去りました。日が沈んで夜空に星が瞬き始めたら、そのときが終わることをみんなが承知していました。
 「それじゃあ、さよなら」と私はアベルに声をかけました。
 「そちらこそ」と彼は私に言葉を返しました。
  私はアベルに友として最後に手を振りました。

  翌日私たちは再び戦いました。昨日の友たちが撃ち合い、殺しあいました。多くの兵士が傷つき、そして多くの命がなくなりました。
  しかし私は、友情が芽生えたあの特別なひと時を決して忘れはしないでしょう。ありえないことが起こったのです。
戦場で軍隊たちが敵味方を忘れて平和な出会いを果たせたのです。

コメント
今回は前回とは逆にかなり意訳してみました。
直訳すると味気ない文になってしまいます。

ご参考までに、以下はかなり直訳です。

すばらしい時間はすばやく流れました。 太陽が沈んで星が出てきたら、誰もがそれが終わることを知っていました。
  "さようなら、気をつけてください"と私はアベルに言いました。
  "あなたと同じです"と彼は私に言いました。
  私は友達として最後にアベルに手を振りました。

  翌日我々は再び敵でした。 前日の友人たちが撃ってお互いを殺しました。 多くが負傷し、多くが死にました。
  しかし、私はいつも友情の特別な瞬間を覚えているでしょう。 不可能なことが起こりました。
軍は戦争ではなく平和に会いました。

ハッピーエンドではありません。
最後には厳しい現実が待っていました。

前文でお互いが仲の良い友達同士のように打ち解け合った描写がありますので、戦争の無慈悲と無念さが伝わってくる話しです。

今回は何にバンザイしてよいのかわかりません。
 

中学三年生が学ぶ英語 LESSON 8 LET'S READ 2 ③

梅雨らしい曇り&雨模様の日が続いています。
「洗濯物を干せないわ」とお嘆きの主婦・主夫の方々も多いと思います。

 

引き続き中学生の英語を続けます。LESSON 8 LET'S READ 2の3回目です。

 

原文
 A German approached me. We shook hands. "My name's Abel. I'm a clerk at a hotel." "My name's Sam. I'm a teacher. Happy Christmas." He showed me his family's photo. We exchanged addresses.

 One of the Germans was a barber. He gave some of us haircuts. We were very glad and thanked him. Paul knew some magic tricks. He delighted all of us, Germans and British.
 We shared drinks and food. There was a lot of talking and laughing. I took some photos.
 Then someone brought out a football. The game began and lasted for some time.


訳例:
 ひとりのドイツ人が私に近づいてきました。私たちは手を振りました。「私の名前はアベル。ホテルの係員です。」 「私の名前はサム、先生です。ハッピークリスマス。」 彼は家族の写真を私に見せました。私たちは住所を交換しました。

 ドイツ人の一人は理髪師でした。彼は私たち何人かの髪を切ってくれました。私たちはとてもうれしくなり、彼に感謝しました。ポールはいくつかの手品を知っていました。 彼は私たち、ドイツ人とイギリス人全員を喜ばせました。
  私たちは飲み物と食べ物を分け合いました。たくさん話して笑いました。私は何枚か写真を撮りました。
  それから、誰かがサッカーボールを持ってきました。 ゲームが始まり、しばらく続きました。

コメント:
今回の訳例は、ほぼ原文の直訳です。
お互いが打ち解けた後、戦場でサッカーのゲームが始まります。

 

サッカーは歴史が長く、世界中で競技人口も多いいスポーツです。
私も小学生のころ、サッカークラブに入っていました。ほぼ50年前のことです。

ネットで調べてみると、この話しの舞台になっている100年前に、日本でも既に今のようなサッカーがプレイされていました。


ちょうど今、FIFAワールドカップ ロシア大会 (21回) が開催中です。日本は初戦でコロンビアに勝ちましたね。

FIFAワールドカップが初めて開催されたのは、この話しから12年ほど後の1930年です。

 

サッカー バンザイ!

6月になりました。神戸もそろそろ梅雨入りのようです。
引き続き中学生の英語を続けます。

原文
 The Germans started singing "Silent Night". When they finished, we sang "Home, Sweet Home". That night, the two armies exchanged songs until darkness came. Then silence fell.
 The next day was Christmas. A German soldier called out, "Happy Christmas!" I shouted back, "Same to you!"
 Later, a German soldier appeared. He was waving a white flag. Then another stood up. He was holding a bottle. "It's Christmas Day. We have wine and sausages. Please join us."
 I turned to my friend Paul.
"Is it a trick?" I asked.
"Who knows? Who cares? It's Christmas," Paul shrugged and stood up.
 With that, the two armies met on the battlefield, for peace, not war.


訳例:
 ドイツ人が「きよしこの夜」を歌い始めました。彼らが歌い終わり、私たちは 「楽しき我が家」を歌いました。その夜、両軍の兵隊は暗くなるまで歌い合いました。そして、静寂が訪れました。
 次の日はクリスマスでした。ドイツ兵のひとりが「ハッピークリスマス!」と声をかけてきました。「そちらこそ!」と私は大声で返事をしました。
 その後、ドイツ兵のひとりが姿を現しました。彼は白い旗を振っていました。そして、もうひとりが立ち上がりました。彼はボトルを持っていました。 「今日はクリスマス。ワインとソーセージがあります。一緒にどうぞ。」
  私は友人のポールに顔を向けました。
「だましているのかな?」と私は訊いてみました。
「分からない。 いいんじゃないか。今日はクリスマスだ」とポールは肩をすくめて立ち上がりました。
  そうして、両軍の兵隊は戦争ではなく、平和のために戦場で顔を合わせました。

コメント:
クリスマスがきっかけとなり、敵対する両軍の兵士たちが武器を持たずに、戦場で向き合うことになる、まるで映画のワンシーンのようです。

この話の舞台である第一次大戦のことは、中学の社会の授業で学んでいると思いますが、今から104年前の1914年7月28日から1918年11月11日にかけて、同盟国(ドイツ・オーストリア・トルコ・ブルガリなど)と連合国(イギリス・フランス・ロシアなど)がヨーロッパで戦った世界大戦です。

英文はシンプルですが、翻訳するのが難しいですね。

兵士たちの交わす会話をピックアップしてみました。

Same to you!
同じように、会話でよく使われるのが”You too." です。「あなたも」という意味です。

Please join us.
直訳すると、「私たちに加わってください」となりますが。日本語でいうならば「どうぞご一緒に」というのが自然ですね。

Who knows?
直訳すると「誰が分かる?」です。関西弁でいえば「誰が知ってるねん」ですが、反対の意味になるので「そんなん知るかい」です。

Who cares?
直訳すると「誰が気にする?」です。関西弁でいえば「誰が気にすんねん」ですが、これも反対の意味になるので「気にせんとこ」です。

平和バンザイ!