ある新聞社の企画で、「ワークライフバランス」のシンボル的存在の佐々木常夫さんの講演を聞く機会があった。
まずは、家族の話をされたが、兎に角、この人の家庭の事情はすさまじい。自閉症の長男と肝臓病とうつ病を患う妻を看病をしながら、3人の子供を育てたのだが、自閉症の長男は、一週間の出来事とか話をじっくり聞いてくれる人がいないとパニックになったり、山に連れて行かないといけないとかで大変だし、妻の入院は半端じゃない。1年の半分は入院の日々が何年も続き、自殺未遂も3回あったとおっしゃった。
子どもは長男だけでなく、一つ下の二男、二つ下の長女がいる。妻がうつ病で、家事が十分できず、父である佐々木さんが朝5時半におきて、お弁当を作ったというエピソードも話された。
そんなに大変な家庭を抱えながら、会社では東レで一番の出世頭だそうで、どうしてあっちもこっちも全部できてしまうんだろう?
佐々木さんによれば、頼れる人は隣近所や祖父母等最大限活用し、タイムマネージメントをしっかりやれば、可能だということになる。
タイムマネジメントはすべての基本で、良い習慣は才能を超える。
仕事の進め方の基本10ヶ条を説明いただいたが、当たり前と言えば、当たり前のことばかり。ただ、当たり前のことを実行できるかどうかがキーなのだ。
《仕事の進め方の基本》
1.計画主義と重点主義
2.効率主義
3.フォローアップの徹底
4.結果主義
5.シンプル主義
6.整理整頓主義
7.常に上位者の視点
8.自己主張の明確化
9.自己研鑽
10.自己中心主義
この中で、最後の自己中心主義は、自分を大切にするということは人を大切にすることに繋がる。
働き方・生き方には決意と覚悟がいる。
自分の運命を引き受けるにはまさに決意と覚悟を決めなくてはいけない。
佐々木さんの話を聞いて一番、実感したのは、この決意と覚悟の重要性だ。
強くないと真似はできない!