とんでもないニュースを見た。


川崎市の有料老人ホームで、80歳代の女性が職員に虐待されていた。女性の家族がひそかに設置したビデオカメラに証拠の映像が残っていた。


平手打ちにし、首を絞め、「うるせえ、ばばあ」と罵る映像だ。


介護施設に家族を預けるだけでも心配でしょうがないのに、虐待されるなんてことになったら、もう居たたまれない。そんな職員はこの手で殴り倒して二度と勤務させたくない。



母が、先月の18日に有料老人ホームにお世話になってから、もうすぐ1か月が経とうとしている。総合病院から退院はしたものの、まだ腰痛とMDS(骨髄異形性症候群)のため、ほとんど寝たきりで、おむつもとれない。


食事の時だけ、車椅子に乗って、他の入居者と一緒に食事をしている。


この1か月、ほぼ毎日、母に逢いに行き一生懸命、元気をだすように励ましている。老人ホームへ毎日でかけるのは確かにしんどい。でも、母が少しでも笑顔で元気でいてほしいから、行かずにはいられない。


幸い、母の老人ホームは心優しい職員が多く、どの職員も親切に優しく母をいたわってくれる。それでも、家族の愛にはかなわないと思う。


母の足が病気のせいでよく浮腫んでいるので、足をさすってマッサージしたり、今日一日あったことを報告しあったり、ごはんを残さないように食べさせたり叱ったり、一緒に演歌を聞いたり、かえって一緒に暮らしているときより、めんどうをみてるのかもしれない。


あしたは、僕の家族みんなで母に会いにいくことになっている。


母にそのことを話すと、本当にうれしそうに、「忙しいのにありがとう。ありがとう。」って喜んでくれた。

母にしてみれば、家族が訪ねてくれるのはなによりの楽しみのようだ。入居したての頃のように、さすがに涙を流すことはなくなったが、寂しさは隠せない。


ある新聞のコラムにこんな短歌が紹介されていた。

<かならず逢ひにくるから雨の日も逢ひにくるから許してください> (岡部由紀子)


まさにつらい胸の内をうまく歌にしている。


家族を老人ホームに預けるのは本当につらい。できることなら、自宅で介護してやりたい。

だから、台風がきて雨風がどんなにひどくても、せめて毎日逢いに出かけている。しょぼん