陰陽とは古くは陰：暗い、陽：明るいから成り元々は太陽と月から発生したといわれており、その元をたどれば易学から道教へと繋がっていきます。季節というものはいつの時代も存在しており、古代中国人は農耕を行っていました。その際に必要だったものが天文学であり、それによりいつ頃種をまくべきか、収穫すべきなどを判断していました。それから時代が進んでいく中で宇宙の始まりやすべての現象を記述していくのに陰陽という概念が取り入れられていくようになりました。

かなり不正確な表現になりますが、陰とは「育て蓄積し内側に向かう力」であるのに対し陽は「壊しながら発散し外側に向かっていく力」と表せられるのではと思います。それらがあわさり陰陽となることで「事物は陰と陽という対立する二つの性格を合わせったもの」となります。つまりすべての事物の中に陰的な側面と陽的な側面のふたつを持ちながらも全体として一つのまとまりをもつということであります。しかし例えば二人の男性（陽的）がいたとして一人はボディビルダー、片方は細身のモデルだった時、ボディビルダー（陽的でさらに陽）と細身のモデル（陽的だが比較すると陰）とその中でも陰陽が分かれていくことがあります。これを陰陽可分という固定的なものではなくあくまでも相対的に陰陽を分けていくことを指します。

今回は、陰陽の基本概念「自然のあらゆるものにみられる二つの相反し、相補的で、相関する働きを概括的に表したもの」をまとめていきたいと思います。

１・陰陽の対立

熱い・冷たい、弱い・強いなど何かを比べた時に対となるものを対立といいます。しかし比べるものがないとき、例えば世界に一つしかリンゴがない場合そのリンゴが硬いのか柔らかいのか比べることは出来ません。（その人の経験と比較することは出来るが、目の前には一つしかないという意味で）

２・陰陽の互根

先ほどのように二つの比べるものがあって初めて陰陽として考えることが出来ます。これを依存または互根と言います。

３・陰陽の平衡

二つの陰陽がシーソーのようにバランスを取りながら全体として調和を保とうとする働きです。風邪をひいたとき体の中に寒が入り、バランスを保とうとして体温を上げ熱を出すようなものです。
４・陰陽の消長

陰と陽どちらかが強くなれどちらかが弱くなる働きです。一年でいうと夏至は夏の暑い気（陽）が一番強い日です。その日を境に陽の気は徐々に弱くなっていき、反対に寒の気が強くなっていき冬へと向かいます。

５・陰陽の転化

陰と陽はそれぞれの力が極まると転化し元々とは反対の性質を示すようになります。やけどをした時、本来は相当に熱く感じるはずが、人によっては冷たい感覚を覚える人がいます。

最後に陰陽論の誕生は宇宙の始まりに由来するといわれています。宇宙の始まる前、そこは何もない「無」でした。そこから「混沌」「陽（円）」がうまれ両儀つまり陰陽が始まる。そこから四象（季節、時間の流れ）が生まれ八卦（自然現象）となる。と大まかな説明ですがこういった歴史の流れがあることを知ると易の記事もいつかできればと思います。

陰陽とは？陰陽学説とは？