人質 韓国トップスター誘拐事件
輝かしい2024年の幕開け。
誰もがこれから始まる幸せの予感を感じていたはずなのに、元旦早々、大惨事となった。
民放各局が、お正月特番を津波特番に切り替え、「逃げろ!逃げろ!」の連呼。
大規模火災も発生し、さながら、よく見るパニック映画と化してしまった。
2日の夕方には、海保機と衝突した日航機が炎上。
火だるまの中、全員脱出させた日本航空に世界が賞賛した。
しかし、海保の乗務員5人が死亡。
3日には、北九州小倉の商店街火災。
一昨年、近くの旦過市場で2度の火災が起き、またしても近くの商店街が火災に見舞われた。
本当に大変なお正月となってしまった。
そんな大惨事の中、hitoはレンタル3本借りて映画三昧の正月だった。
中でもレビューにたどり着いたのが、これ。
あらすじ
記者会見から帰宅の途についた国民的スター俳優ファン・ジョンミンが、ひと気のない路地で何者かに連れ去られた。
警察や関係者は必死で行方を捜すが、証拠も目撃情報もない。
一方、パイプ椅子に縛りつけられた状態で意識を取り戻したファン・ジョンミンは、自分が身代金目的で誘拐されたことを知る。まるでゲームのように犯行を楽しむ若者たちは、ソウルを震撼させている猟奇殺人事件の犯人だった。
唯一の武器である卓越した演技力で犯人たちに対峙するファン・ジョンミンだったが……。
(映画.com「人質 韓国トップスター誘拐事件」より)
主演者の顔ぶれ
パク・ソンウンが映画仲間として実名出演しているが、若手俳優はなかなか粒ぞろいだった。
拉致犯の主格チェ・ギワン役はキム・ジェボム。
「シュルプ」で大どんでん返しのクォン医官を演じた。
「シュルプ」を見た方は、キム・ジェボムの不気味さがわかってもらえるだろう。
おお、この人をキャスティングしたかとなんだか嬉しくなった。
同じく、拉致犯でギワンの手下ヨム・ドンフン役はリュ・ギョンス。
「梨泰院クラス」でブレイク。
ファン・ジョンミンと一緒に拉致されたパン・ソヨン役は今を時めくイ・ユミ。
「イカゲーム」「今私たちの学校は」で大ブレイク。
「力の強い女カム・ナムスン」は見事主役を立派にこなした。
この他にも、初見だけど、拉致犯ヨンテ役のチョン・ジェウォンと同じく拉致犯セッピョル役のイ・ホジョンの2人は大健闘。
ファン・ジョンミンの神業のような演技を目の当たりにして、若手たちもいい勉強となっただろうな。
圧巻のファン・ジョンミン
これまでファン・ジョンミンの映画は本作含めて16作品見てきたが、中でも一番好きなのは一番キャラ立ちしていた「新しき世界」だ。
キャラクターの感情が複雑であるほど、ジョンミンの演技は深みを増す。
しかし、本作は、ジョンミンが帰宅途中に1人で誘拐され、その後どう脱出するかというあまりにもシンプルなストーリーなだけに、どういう見せ場があるのかなと心配でもあった。
「ファン・ジョンミンなら演技で騙して脱出するのではないか」
監督の思惑が演出に生かされた。
本作は、ファン・ジョンミンの素が見れると同時に、俳優「ファン・ジョンミン」としての見せ場も用意されていた。
心臓病を患うジョンミンが、椅子に括られたままで薬が切れ、意識が遠のいていく。
これを見たドンフンは「すげえリアルだな。さすがスター俳優だ」と相手にしなかったジョンミンの演技。
hitoもすっかり騙された名場面。
終盤、ファン・ジョンミンが緻密な演技を見せる。
どうやら、ジョンミンの人質体験が映画化された模様。
ジョンミン役はパク・ソンウン。
ギワン役は新人俳優ホ・ナムジュン。
そのギワン役の俳優が着ていた服が、まさにギワンが着ていた服で、ジョンミンはギワンと錯覚した。
新人俳優と分かっても、すぐには緊張の糸が解けない。
握手を求められても、硬直。
最後は笑顔で記念写真を撮るが、この一連のファン・ジョンミンの細かい演技に釘付け。
ファン・ジョンミンファンなら、見逃してはいけない映画。
画像はNetflixさんからお借りしました。
●hito基準による評価(10点満点)
泣き又は感動1(3点満点)
爽快感1
脱力感0
ストーリー0
胸きゅん度又は嵌り度1
没頭度2(2点満点)
メッセージ性1
6点