第3回　アントレプレナーシップ論

今日のテーマは、「イノベーションと起業家精神」

破壊的成長力を持つ組織とは？　クリステンセン

破壊的イノベーションを起こすためには、その組織が必要
具現化できるチームと組織が必要

創業者塗装業メンバー

大きな事業は一人では作れない。

２つの質問

１）1年後に組織をつくれるかどうか？　だと思う。

これは実際にコムラッドの高根さんからの質問平石先生自身に投げかけられた質問
このとき、質問の意味がわからなかった。
あとになってわかったのは、ビジョンを提示して共感したメンバーで、役割に応じた配置を適材適所に行えるか　という質問だった。

ベンチャー起業に転職してくる人は、度胸があるある人達である。

会社の成長がわからない状態で入ってくる人は、自身家か、創業者に共感している人。

実際、本当に取りたい人を取るのは大変だった。

ボーダーラインギリギリの人は多い。しかし、本当に採用したいレベルの人は少ない。

２）このチームの求心力は何なの？

これは、ベーシック　秋山さんからの質問　　秋山さんは高卒？
パチプロ。4000万円
パチンコ屋は出すときと、出さないときがある。
これを4名のチームで、1万円つかって、出るか確かめる
研究成果をシェアして、求心力を獲得した。　モチベーションも獲得した。

イミオへの投資検討

良い答えを返せせなかった。
栗林さん　（DNA）はしっかり答えられず、ぼんやりしていると、組織力も弱くなる。

自分はどんな組織を創るべきか

大前ケンイチ　　アタッカーズビジネススクール
「ベンチャー起業　実践教本」

組織メンバーの構成

１）同質　上下関係なし

建築家事務所出身の集まり
大学院卒業の集まりなど
世の中にないものを起こすのには向いていない。

２）異質　上限関係なし

異業種の集まり
インタースコープ
新しい事業を起こすのに向いている。
ベースロード（会社を支える仕事）を進めるのは協力的
会社が軌道にのると、それぞれの我が出てきてもめる

★ベースロード（会社を支える仕事）

★ブレッド＆バター（時流にのった仕事）

３）同質　上下関係あり

上に立つ人の能力がすべて！
決まっているものを推し進める仕事（光通信）　これにはフィットする。
トップの力量次第。

４）異質　上下関係なし

実際にはこの例は少ない
働き方の違いが問題になる。
マネージするのが大変
★ドリームビジョンはこのパターンで失敗した。

では、マクロミルはどうだったか？

時価総額（現在）　11,137億円
異質、対等（上下関係なし）
全員リクルート出身
最初は杉本さんがリードしたわけでなく、対等でスタート
共通の価値感をもってスタートした。
同じ組織の経験者でスタートアップすると、成功確率が高いことは検証されている。

同じ価値観で働くので、論点がずれない。

よって、経営陣のコミュニケーションコストがかからない。
経常利益３０％という不文律！！　これが共通概念

杉本さんのリーダシップ（利益へのこだわり）

「1ヶ月働いて、利益がでなければ、寝ていたほうがまし」といった。

インフォプラント

異質　上下関係あり
大谷さんの強烈なリーダーシップ　独裁的な意思決定
テレビの制作プロダクション
「寝るな、寝たら死ぬ」の世界
山男だった。登山家
マスコミに対する怨念がつよかった。　マスコミの下請けだったから。

サイバーエージェント　藤田さん

時価総額　現在7444億円
アメーバTV　は年間200億円（毎年）赤字
インテリジェンスの出身　　同期の日高さんとスタート
適時、違う血を入れてきた。
同質　上下関係あり　でスタート
博報堂の早川さん、伊藤忠の西條さんなど。
藤田さんは、独特のカルチャーをつくりあげていった。

当時、セプテニー、オプト、サイバーエージェントがインターネットの広告メジャー３だった。

オプト

時価総額　現在679億円
同質　対等
森ビルの同期３名と、広告会社出身者１名　海老根さんでスタート
ここから、経営陣の多様性をひろげたが、サイバーエージェントほどではなかった。（限定的だった）
事業の広がりがなくなった。
海老根さんは、広告のことは詳しい。

森ビル　はちめいさんは。。。

勉強会のさいに、１万円づつだしあって、資本金をプールしていった。
なかなか事業がテイクオフしないので、海老根さんがインタネット広告代理業に特化して成功した！
１５％が手数料利益なので、ボリュームを増やすしかない。

アルバを買収したりしたが、海老根さんはその会社も切っていった。

その後、はちめいさんがCEOに戻ったが、社員がついていかなかった。

どのパターンでも共通していることは、度胸があること！

自分が主体に創業者にはエゴがある。
エゴがある人が複数あつまると、共通のビジョンを設定するのが難しい！
本当に大変でエネルギーがいる。
インターリサーチもそうだった。

創業メンバーは徐々に抜けていくパターンが多い。

異なる人達が一緒になってビジネスを進めるには、膨大なエネルギーがいる。

FFS理論

インタービジョンの創業者　小林さんが開発した理論
ベトナム戦争のチーム編成に。
http://www.human-logic.jp

４つのタイプがある。

タグボード

大きな船に、小さな船
機会の発見能力が高い組織、目利き力がある人達

リーダーシップ

魚群がいるところを見つけるのでなく、どうやって、すべてを捕獲するのがうまい。
売上を伸ばせる能力が高い人
欠点は燃費が悪い人

マネージメント

バランスをとって、利益を出す人

アンカー

リスクに強い
撤退の判断に強い人

ステージが若いときには、タグボード的な人が多い人が良い

その後は、リーダーシップ
安定的な時期にはマネージメント

創業メンバーにアンカータイプがいると、ブレーキを踏んで成功しない。

アンケートをとると、タイプがわかる。
このタイプがいるスタートアップには投資しない。

FFS理論の診断をインタースコープ

マネージメントタイプが多いが、タグボードの人が少ないと診断された。
平石さんはタグボード、山川さんはマネージメントと診断
山川さんは、意識的にマネージメントを意識的に担っていた。　と思われる。

MBTIモデル

人間のタイプの診断モデル
　Extrovesion　＜＞　Introversion
　Sensing　＜＞　Intruding
　Thinking　＜＞　Feeling これが重要
　Judging　＜＞　Perceiving

企業のサイズが会社の成功にどのように影響するか？

会社規模

一年後

９人以内　７７．８％
１０−１９　８５．５％
２０−９９　９５．３％
９５．２％
２５０人以上　１００％

四年後

９人以下　３７．４％
１０−１９　５３．６％
５５．７％
６７．７％
１００％

ベンチャーキャピタルから操業資金を得ると延命する。

新規企業の倒産確率は９０％
VC資金があると、７０％に。

その他の影響要因

教育程度が高いほど、成長性が高い（アメリカ、イギリス）
技術系の学位が持っているほど、成長性が高い（ドイツ、イタリア）
企業経験は、企業機会の発見には有効
しかし、成長性との優位性は確認できていない。
平石さんは組織を大きくしていくのは苦手、嫌い
一人でなく、最初から経営チームがあったほうが成長性が高い
経営チームの大きさと売上は比例する。
一人で行うと、それぞれの仕事が中途半端になる。
ファイナンスしているときは、それに８０％取られる。　メンタリティーとして、他のことができない。
投資家の対応は大変、資金調達はフルタイプのしごとである。
経営チームに協業経験があると成功する。
異質性が高すぎると対立が多くなる
★操業期は、技術的の革新性が、マーケットへの影響力を行使できるが、成長期は、顧客交渉力が成長を左右　（これはいわゆる営業力）
インタースコープは、操業時は影響力がつよかったが、成長期は顧客交渉力が強いマクロミルが成長した。

破壊的成長能力が高い組織とは！

資源、プロセス、価値基準　３つがある　（クリステンセン）

資源

人材、設備、技術、

プロセス

資源をどう使うか
方法論
従業員がインプットをいかに、価値の高いサービスに転換するか？
ビジネスのやり方をどういうプロセスを経て、価値の高いものに変換するか？
これによって、組織の競争力が変わる
意思決定のプロセスでもある。

資源は柔軟に変えられる。

しかし、プロセスは本質的に変化しない　ものである。　
なかなか変えられない。
よって、プロセスがしっかりできている会社は強い
投資判断のプロセス、側面的の背景のプロセス　などが重要になる。
例：リサーチであれは、いつ行うか、どのように財務に反映させるか　などが重要

価値基準：

成功因子であり、ときとして、制約条件でもある。
４０００万円と４００億円の会社にとって、２５％の価値基準は異なる。
例：広告代理店のコンペ　説得材料になるリサーチがほしい　というのがユーザーの依頼だった
やりたくない社員がいた。　結局断った。
マクロミルはこの市場を受けていった。　マクロミルはビジネスの成長に価値基準を求めた。
インタースコープは断ってしまった。
よって、価値基準を定めることは、できないこと（制約条件）を決めることでもある。

能力の変換

人材　＝＞　プロセス　＝＞　価値基準
人がバラバラでは成長しない。
プロセスができてくると、自分で価値基準を自主判断で動かせるようになる。
ここに共感する人がはいってくる。　
これが磁石であり、会社が強くなる。
一方で、変革がしづらくなる。　規模が大きくなるほど、そうなる。

一度出来上がると、変革が難しい　＝＞　別組織にやらすことが重要になる。

サイバーエージェント（CA)、マッキンゼー、DeNA

試行錯誤を経て、成功体験により、独自の価値基準と企業分科を形成していった。

Simplesurance

ベルリンの会社
145以上　パイオニア　（イノベーティブが多い）
３０人　国籍
０人　　スーツ着ている人

新しい価値基準を生み出せる唯一の方法は？

新しいコスト構造をもった、新しい事業部門をもつことで実現できる。

資生堂コスメにティー

昔は資生堂のショップがあった。
百貨店でも今も売っている。
誰でもコモディティーで売るケースもある。
これらを同じ組織で計画してもうまくいかない。
今はドラッグストア用の商品をつくって、売っている。

チャート

　１）新しいプロセス＜＞従来のプロセス

　２）自立的組織が必要＜＞主流組織が担当する

　３）重量級チーム＜＞機能的組織

　４）適合性が低い（破壊的）＜＞適合性が高い（持続的）

個の組み合わせて４つのコーナーができる。

AbemaTVは、新しいプロセス、自立的組織
サイバーエージェントアメリカは、主流組織が担当、重量級チーム（能力が高い人）
　アメリカでは誰も知らないが、何かをやろうとした。
インタースコープ（QUick Scope) は、機能的組織で、適合性が高い（持続的）
　本来は、自立的組織が必要であり、新しいプロセスが必要であった。　（これができないのが必敗であった）

創業者に必要な能力（幹部候補）

創業した会社がうまくいくとは限らないという前提
その場その場で、学んでいく能力　　そして習得できる能力
いわゆる、フレキシブルな能力　
創業者は成長し続けなければいけない！

新事業、起業がうまくいかない原因は、マネージャーのアサインにある。

＝＞　これは、創業者が選択をうまくできるかと同じである。

創業で成果を上げるには、直感力とマネージメント力

創業前に取り組んだ会社「問題」が重要になる。経験が重要
経験がないことを起業でとりくんでも、なかなかうまくいかない。

それまでの、問題解決はそんなに重要でなく、

それよりも、壁にぶち当たって、その体験を次に繋げることが重要
同じミスをしないこと。スキルや直感として身につけていく。
成功よりも失敗からより多くのことを学べるというのは、このことである。

ベンチャー起業のマネジメント

ベンチャーは起業家精神がもともとあるので、マネジメントが重要
これは、人と金

これには、

　１）お客様（市場に焦点をあわせること）

　２）いつお金がいるかを見極めること　財務上の見通し

　３）集団指導体制になる前から、準備をしておくこと。

　４）創業者が自分の得意、不得意をよく知り、何を持ってして貢献できるかを見極めること。　（すべてに万能ではない）

１）市場指向の必要性

自分の思っていた以外に市場はあることが多い
これが予期せぬ成功へ
これを手に入れるためには、謙虚であることが必要！
軌道修正していかないと成功しない。他人に取られる

２）財務上の見通し

日々の金がない（キャッシュフローがまわらない）
資本がない。
支出や在庫や債権を管理できない。

これらを発生させると、手当が非常に大変になる。

株式発行は、創業者のシェアを失う。
銀行は返済をまってくれない。
財務的な能力は極めて重要である。

自然成長率がよいと、お金が足りなくなる。

成功すればするほど、お金が足りなくなる。

インタースコープの場合

初年度は、１億１千万の売上、７３５０万円の赤字　　でも会社は潰れない
先行投資にお金を使うというのはこういうこと。
新規事業計画のために、外部資金を調達すること。

最初は、大企業はリサーチをあまり発注してこなかった　

ユーザーの例：花王

新しいことにトライしたがらない。　過去の調査結果と変わる手法は受け入れ難い
過去のリサーチと、ネットリサーチを両方おこなって、同じ結果が出ること確認した。
このような会社は他にはなかった。
これが、「無消費」　なかなか使ってくれない・　買ってくれない。
それでも、お金は必要である。　時間がかかる。
先行投資を補填するために、どのくらいお金がかかるかをシミュレーションしておく必要がある。

３）トップ・マネジメントチームの構築

３年はかかる
ほんとに、ずっと一緒にやっていけるかには、３年は見ないとわからない。
信頼、相互理解ができるには時間がかかる。
このことも理解して、メンバーをあつめておくことが重要

創業者同士で、意見の対立がある場合は、必ず突き詰めて話し合う必要がある。

価値観の違いなのか、事業計画の違いなのか。　徹底的に突き止める

会社経営は、お金と人

お金と人のマネジメント
全ては、一人で意思決定できない。
役割分担が必要になる。
そのためには、目的、価値感の共有がマスト

創業者もメンバーも、得意なことと、不得意なことがある。

何に責任をもって、誰に任すかを決めておくこと
自分ができないことは人に任す！

４）目標設定

１０人以下は、大学のサークル活動ににている。
１０名を超えると。。
２０名を超えると、新しく入ってくる人は自分の給与を気にする。
１００名を超えるとまた変わってくる。
創業者からみて、知らない人が多くなる。　人間関係でグリップできない。　組織、仕組みが必要になる。

創業者が興味がないことをほっておくと、２年後には会社は危うくなる。

さらに、その創業者が　人と金が重要なことを知っていて、自分で頑張ろうとすると、不得意分野に時間を費やし、本来の得意分野もうまくいかなくなる。

空気清浄機がない時代に、環境という会社が伸びていたが、あるとき、パナソニックが参入してきた。

財務に疎く、デザインが悪かった。　テクノロジーは良くても、潰れてしまった。
これも上記のケースだろう。

創業者は、付き人を持つスターでない。

チームのリーダーになることを学ばなければならない。
舞い上がっては行けない。　スターになってはいけない。
謙虚でなければいけない。

創業者一人では事業は大きくできない！

コンビネーションが重要　FFS理論
組織形態もいろいろ
創業者の価値観と目的にあわせて組織を創る
初期顧客とコスト構造も重要

プライベートエクイティーファンド

いけていない大企業への投資
経営者が退陣して、会社が化けるかどうかがポイント

平石さんの投資の基準

世の中を変えられるかどうか？
Miles, Infirm (野菜をインハウスで作っている会社）
イミオ、倉林さん　J2サッカーチームも
自分の分野でなてくても、自分の経験が少しでも役にたてば良い
ゲームの会社には投資したことはない。　世の中の役にたっていないから。

★共通の価値観を持ったメンバーで、創業することはMUST　ですね！

Yoshi

アントレプレナーシップ 第３回 ８月２５日

アントレプレナーシップ　第３回　８月２５日