前回の続き。
正の数とは小学校で習った量を表した数で0より大きい数のこと。それに対してこれから習う数を負の数という。負でない数とは0とか正の数のこと。
文字は断りがない限り負でない数を表すとする。
負でない数の性質
加法、乗法の性質
交換法則 A+B=B+A、A*B=B*A
結合法則 (A+B)+C=A+(B+C) 、 (A*B)*C=A*(B*C)
分配法則 (A+B)*C=A*C+B*C 、A*(B+C)=A*B+A*C
これらのことは以前有理数については証明した。
さらに0の性質 A+0=0+A=A
1の性質 A*1=1*A=A
大小関係についての性質
A<B なら A+C<B+C
これらの法則を保持したまま数を正負の数に拡張したい。
以上の性質が正負の数でも成り立つとして証明する。
前回証明したこと。
A-B=A+(-B) 、 ー(-A)=A 、 (-A)-(-B)=(-A)+B
(-A)+(-B)=-(A+B)
A<B なら A+(-B)=-(B-A) 、 ーB<-A
特に ーA<0 なので 負の数は0より小さい数といえる。
正負の数の掛け算
(+)*(+)=(+) これは明らかだろう
(ー)*(+)=(ー) (-A)*B=-(A*B) を証明しよう。
0=0*B=((-A)+A)*B= 分配法則より(-A)*B+A*B
よって (-A)*B+A*B=0。 すると (-A)*B は加法に対するA*Bの逆元になるので
(-A)*B=-(A*B)
同様に A*(-B)=-(A*B)
(ー)*(ー)=(+) (-A)*(-B)=A*B の証明
0=0*0=(A+(-A))*(B+(-B))=分配法則より A*B+A*(-B)+(-A)*B+(-A)*(-B)
=今さっき証明したところより A*B+(-(A*B))+(-(A*B))+(ーA)*(-B)
=逆元の性質より 0+(-(A*B))+(ーA)*(-B)=(-(A*B))+(ーA)*(-B)
よって (-(A*B))+(ーA)*(-B)=0 、両辺に A*Bを加えると
(ーA)*(-B)=A*B エンド