2011
春香は自らの身分にとらわれず, 夢龍と学道の間で堂々と自分の愛を選ぼうとする強い女性です
夢龍 は朝鮮時代の両班（貴族階級）の典型的な息子で、感性が豊かで知的な人です。そして学道は単なる暴君ではなく若くて能力の高い人物で、愛に関しては独占欲が強く感性的で纎細な男性で、 積極的に春香に求愛します
春香と 夢龍は５月端午の日、初めて出会い、端午の遊びをともに楽しみながら密かに愛し合うようになります。 学道も春香の美しさに惚れ、春香に対する想いをつのらせます
かつて妓生（キーセン：芸者）であった 春香の母、ウォルメは新任の使道である 学道と春香を結婚させようとしますが、春香の気持ちは夢龍 にあり、いつの間にか二人は初夜を過ごし永遠の愛を誓います
妬みの化身と変わった学道とその部下は ‘入宮せよ’という王命が書かれた手紙を偽造し、 夢龍に送ります
夢龍はそれが 学道の嘘であることに気づかず、悲しみの中で春香と別れます。
春香は去っていった夢龍をひとり待ち続け、再び春が訪れます。ウォルメの手に引かれて 学道の誕生祝にやってきた春香 に学道は愛を告白しますが、春香はうちわを裂いて愛の告白を拒否します。そして学道は、春香を獄に閉じこめてしまいます
官僚の試験に合格した 夢龍は、ボロ着に身をやつして獄に閉じこめられた春香に会います。夢龍を見た春香は自分の境遇を諦めたまま, 最後の機会だとやってきた学道の切実な求愛を命をかけて頑なに拒否します
理性を失った学道が春香の処刑を命じようとしたその時、夢龍と一行は暗行御史（あんこうぎょし、 地方官の監察を秘密裏に行った国王直属の官吏）を名乗りながら登場します。そして 学道は 逮捕され、春香と 夢龍は再会を果たします
夢龍と春香は永遠の愛を誓って婚礼を挙げます。二人の大切な愛は実りを結び、楽しげな微笑を浮かべながら盛大な宴を繰り広げます
ここまではMISOの春香恋歌のSTORYです
「春香伝」の原作も大部分が同じですが、要約すると、、、
全羅道南原副使の息子、夢龍 (モンリョン)が房子（バンザ、下働きの男性のこと）と廣寒樓（グアンハンル）に遊びに出た時、退妓ウォルメの娘、春香はぶらんこに乗っていました。
この光景を見た夢龍は春香の姿に惚れ、房子に頼み春香を呼んで来るようにします。
二人は再会してお互いの気持ちを確認し合います。 夢龍の父である副使がソウルに栄転することになり、夢龍と春香は別れることになってしまいます
信任副使 学道(ハクト)は貪官汚吏である人物で、春香に守聴（スチョン、御伽・侍妾）を命じて, 春香は死ぬ覚悟で断って獄に閉じこめられます
ソウルに上がった夢龍は官吏試験に主席で合格し、湖南地方に暗行御史として下り, 副使の誕生日に御史出道（検査すること）を断行して副使を罷職し、春香を救い出し、幸せになります
という話です
「春香伝」をモチーフにした本や映画や公演やドラマなどがこれまでにたくさん作られました
最近は 春香(チュニャン)と夢龍(モンリョン)の話ではなく、フュージョンで房子にスポットを当てた作品も出てきています
２０１０年に公開された「房子伝」という映画は、実は夢龍と春香が愛し合ったのではなく, 房子と春香が愛し合ったという衝撃的な内容を素材にした映画で、大変話題になりました
以前放送されたドラマ＆映画「ファン・ジニ」も身分を越えた芸者の愛を素材として作られたものです
これからも韓国の伝統や昔話に関心を持って見守ってください