ずっと昔
まだ20代だった頃
ある方から
『yosさんは、スルメみたいな人だな~』と、
仕事帰り、飲みに行こうということになった駅のフォームで言われた
スルメ??
スルメってあの、お酒のあてのあれですか?
頭が三角の乾いたスルメが何枚も私の頭の中を飛びかっていた
『そうそうスルメ』
彼は話を続ける
最初は、なんか返答にしてもさっぱりし過ぎって言うか
なんか、すごくドライな感じで
味気も色気も全くないカラカラな奴やな~って
yosさんのこと思ってたんだけど・・・
ところがどっこい
長く付き合っていくうちに
まースルメで言えば、
口の中で噛んでいくうちに
どんどん
何とも言えないジワーっとした味が広がっていくわけよ
味のある奴やな~って
それも結構深い味のある奴やと
最近
しみじみ感じてるってこと
まあ、褒め言葉ですね
にっこり笑っていわれたのを
スルメを噛みながら
さっき、ふと、思い出した
スルメを私にとってスルメ以上の価値に引き上げてくれた
かつての同僚のこの彼は
先月一人、自宅で亡くなっていた
1週間もの間
誰にも見つけてもらうことなく
お風呂上りに
ビールを片手に横たわっていたらしい
目の前に乾いて横たわるスルメ
なぜだか、彼と重なる
人生は若いころに思っていたより
ずっとずっと
短いのかもしれない
乾いたスルメを噛みながら
しみじみ思う
だから、何をすればよいかなんて
全然わからないけど
彼が最後に思ったことってなんだったんだろう・・・って
口の中に何とも言えない
ジワーっとしたスルメの味が広がっていく