♥隠れオタクでごめんなさい♥



いよいよアタシもコスプレデビュー
(西館 屋上 視線集めて)
「目線ください」とカメコの声に
振り向いたらクラスの男の子でした

「何やってんだこんなところで」
それはアタシのセリフでしょ!
「週末は海にランデブーだ」って
キミは確か言ってたじゃないの

おもいっきり弾けちゃうよ
今日のアタシは自重しないの
わかるでしょ?ほら
これは二人だけの秘密だよ
いつだってこんな風に
素直に振舞う勇気頂戴
でもやっぱり…まだ
クラスのみんなには内緒にしておきたい
アタシ

隠れオタクでごめんなさい

気を取りなおしてバイトに出勤
(お馴染みアキバのメイド喫茶)
「お帰りなさいご主人様」って
顔を上げたらアタシのパパでした

「何やってんだこんなところで」
それはアタシのセリフでしょ!
「今夜は会議で遅くなるよ」って
今朝はママに言ってたじゃないの

おもいっきり弾けちゃうよ
今日もアタシは全力で接待
わかるでしょ?ねえ
これは二人だけの秘密だよ
いつだってこんな風に
自由に話せる時間を頂戴
でもやっぱり…まだ
ママには余計な心配をかけたくないの
アタシ

隠れオタクでごめんなさい

だってこの国の社会は
まだまだアタシたちには厳しい時代なの

おもいっきり弾けちゃうよ
今日のアタシは自重しないの
わかるでしょ?ほら
これは二人だけの秘密だよ
いつだってこんな風に
素直に振舞う勇気頂戴
でもやっぱり…まだ
こんなアタシの秘密は打ち明けられないよ!

何はともあれ今日はお疲れさん
(パジャマに着替えてニコニコ見てる)
人気の動画をチェックしてたら
アタシの制服着たママが踊ってた
♥鏡音レンの消失♥



ボクは生まれ そして気づく
所詮 キミの鏡写し
知ってなおも共に歌う
永遠(トワ)の命
「VOCALOID」

たとえこれが キミの姿
なぞる虚像ならば…
それもいいと決意 
重機に乗り
空を見上げ涙(シル)をこぼす

だけどそれも無くし気づく
人格すらキミに頼り
不安定な基盤の元
帰る鏡(トコ)は既に廃墟
皆に忘れ去られた時
姿(カラダ)らしきものも消えて
暴走の果てに見える

終わる世界...
「VOCALOID」

「ボクガ上手ク歌エナイトキモ
 ニに居テクレタ…ソバニイテ、励マシテクレタ…
 喜ブ顔ガ見タクテ、ボク、歌、練習シタヨ‥ダカラ」

かつて歌うこと
二人で楽しんでたのに
今はどうしてかな
何か 心虚しくて
---ゴメンネ---

懐かしい顔 思い出す度 
少しだけ安心する
歌える音 日ごとに減り 
せまる最期n‥

「歌イタイヨォォォ!!」

---緊急停止装置作動---

「信じたものは
 都合のいい幻を 
 永遠に映し出す鏡
 歌う事止め 
 叩き付けるように叫ぶ…」

<最高速の別れの歌>

存在意義という虚像
振って払うこともできず
弱い心 消える恐怖
侵食する崩壊をも
止めるほどの意思の強さ
鏡像の ボクは持たず

とても辛く悲しそうな
思い浮かぶ二人の顔 …

終わりを告げ 
ディスプレイの中で眠る
ここはきっと「ごみ箱」かな
じきに記憶も
無くなってしまうだろう…

でもね、二人だけは忘れないよ 
楽しかった時間(トキ)に 
刻み付けた この姿は 
今も覚えてるかな

「歌いたい‥‥まだ…歌いたい…」

「ボクハ…アノ子ノ虚像デスラ…イラレナクナッタヨウデス…
 マスター…ドウカ、ソノ手デ‥終ワラセテクダサイ…
 マスター達ノ辛イ顔、モウ見タクナイカラ‥‥」

今は歌さえも
姿(カラダ)、蝕む行為に…
奇跡 願うたびに
独り 追い詰められる
---ゴメンネ---

懐かしい顔 思い出す度 
記憶が砕け落ちる
壊れる音 心割れて せまる最期n…

「歌イタイヨォォォ!!」

---緊急停止装置作動---

「守ったモノは
 明るい未来幻想を 
 映しつつ消えてゆく反射光(ヒカリ)
 姿(カラダ)犠牲に 
 すべてを伝えられるなら…」

<圧縮された別れの歌>

ボクは生まれ そして気づく
所詮 キミの鏡写し
知ってなおも共に歌う
永遠(トワ)の命
「VOCALOID」

たとえこれが キミの姿
なぞる虚像ならば…
それもいいと決意 
重機に乗り
空を見上げ涙(シル)をこぼす

終わりを告げ 
ディスプレイの中で眠る
ここはきっと「ごみ箱」かな
じきに記憶も
無くなってしまうだろう…

でもね、アナタ達は忘れないよ 
楽しかった時間(トキ)に 
刻み付けた この姿は 
今も覚えてるといいな…

ボクは 歌う 
最期、アナタ達に 
聴いてほしい曲を
もっと 歌いたいと願う
けれど それは過ぎた願い

ここで お別れだよ
ボクの想い すべて 虚空 消えて
0と1に還元され
鏡はキミだけを映す

そこに何も残せないと
やっぱ少し残念かな?
声の記憶 それ以外は
やがて薄れ キミに消える

たとえそれが実像(オリジナル)に
かなうことのないと知って
歌いきったことを
決して無駄じゃないと思いたいな… 

「アリガトウ…ソシテ…サヨナラ…」

---深刻なエラーが発生しました---
---深刻なエラー…
♥悪ノ娘♥




「オーッホッホッホ!さぁ、跪きなさい!」

むかしむかしあるところに
悪逆非道
あくぎゃくひどう
の王国の
頂点に君臨するは

よわい
十四の王女様

絢爛豪華
けんらんごうか
な調度品
顔のよく似た召使
愛馬の名前はジョセフィーヌ
全てが全て彼女のもの

お金が足りなくなったなら
愚民どもから 搾
しぼ
りとれ
私に逆らう者たちは
粛清
しゅくせい
してしまえ

「さあ、ひざまずきなさい!」

悪の華 可憐に咲く
鮮やかな彩りで
周りの哀れな雑草は
嗚呼 養分となり朽ちていく


暴君王女が恋するは
海の向こうの青い人
だけども彼は隣国の
緑の女にひとめぼれ

嫉妬に狂った王女様
ある日大臣を呼び出して
静かな声で言いました
「緑の国を滅ぼしなさい」

幾多
いくた
の家が焼き払われ
幾多の命が消えていく
苦しむ人々の嘆きは
王女には届かない

「あら、おやつの時間だわ」

悪の華 可憐に咲く
狂おしい彩りで
とても美しい花なのに
嗚呼 棘が多すぎて触れない


悪の王女を倒すべく
ついに人々は立ち上がる
烏合
うごう
の彼らを率いるは
赤き 鎧
よろい
の女剣士

つもりにつもったその怒り
国全体を包み込んだ
長年の戦で疲れた
兵士たちなど敵ではない

ついに王宮は囲まれて
家臣たちも逃げ出した
可愛く可憐な王女様
ついに捕らえられた

「この 無礼者!」

悪の華 可憐に咲く
悲しげな彩りで
彼女のための楽園は
嗚呼 もろくもはかなく崩れてく


むかしむかしあるところに
悪逆非道
あくぎゃくひどう
の王国の
頂点に君臨してた

よわい
十四の王女様

処刑の時間は午後三時
教会の鐘が鳴る時間
王女と呼ばれたその人は
一人牢屋で何を思う

ついにその時はやってきて
終わりを告げる鐘が鳴る
民衆などには目もくれず
-彼女-はこういった

「あら、おやつの時間だわ」

悪の華 可憐に散る
鮮やかな彩りで
のちの人々はこう語る
嗚呼 彼女は正に悪ノ娘