230億円稼いだ男"超シンプル"な投資哲学 未来の相場を"予想"する人は負ける | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

 

――どうしたら、cisさんみたいにチャンスをつかむことができるのでしょうか。

【cis】ジェイコムの時には、日本で大きな誤発注が起こったらどうするか、ということを考えていたから勝てました。僕は常に仮説を考えています。「こんなことが起きたら、こんな展開で儲かる」というアイデアを数十個は持っています。それがたまに現実になることがあって、そのときは「はい、きた」という感じです。

 

そのアイデアとは、「円安になれば輸出産業が儲かって株価も上がるはず」とか、すでに常識になっているものではありません。ほとんどの人が考えていないけれど、明確なロジックのあるもの。あるいは誰も指摘していないし、ロジックは不明だけれど、経験則として明確な関連が認められるものです。

 

その一つに日経平均株価の計算方法にまつわるものがあります。細かい説明は省きますが、株価が高い銘柄を日経平均株価に採用すると、一瞬で300円くらい動いてしまうことが起こり得るため、1株で1万円を大きく超える任天堂や村田製作所は日本を代表する上場企業で「採用されるのではないか」と言われながら、いまだに採用されていません。

 

しかし、1万円超えの会社が1社でも採用されたら、その他の会社も順次組み入れられることになるでしょう。あるいは、日経平均株価の計算方法が変わって、株価が高い銘柄でも組み入れられるようになるかもしれません。

 

どちらかが実現したら、僕は発表された瞬間に株価が1万円超えで日経平均に採用されてない銘柄を買うでしょうね。おそらく組み入れの1カ月前になると、アナリストが話題にするでしょうから、株価は上がるはずです。ニュースが報じられた瞬間、10億円ずつ5~10銘柄買って、全体で10~20%のアップを目指しますね。マーケットのこと学んで株価が上がる仮説をふだんから考えるようにするとチャンスをつかみやすくなるはずです。