学校でも実社会でも、
「目標を掲げることは大切!」
と声高に言われています。
しかし、その「目標」の中身が議論されないまま、
「目標」という言葉が独り歩きしている印象があります。
「目標」は、「夢」でも「やりたいこと」でも同じです。
そうした言葉ばかりが強調される一方で、
その目標に向けた具体的な行動については
あまり触れられていないケースが多々あります。
学校教育で言えば、
子どもに将来の夢の作文を書かせたり、
定期試験の目標点数を設定させたり、
将来の進路についてレポートを作らせたり……
これでもかってくらい「目標」を立てさせられます。
が、
その「目標」に向けて
どういう行動を取るべきか?
という点はあまり言及されないようです。
ここで生徒の掲げる目標を見てみましょう。
「上位校に合格したい!」
「成績をアップさせたい!」
「●●で評価されたい!」
多くの生徒達は、
このような「目標」を心に抱いています。
しかし、その「目標」に対して何か行動をするかといえば、
「何もしない」という生徒が非常に多いんですね。
彼ら・彼女らの本音は概ね次の通りです。
「勉強しないで上位校に合格したい!」
「苦しい思いをせずに成績をアップさせたい!」
「自分を変えずに●●で評価されたい!」
こうした「目標」は、
「宝くじで1億円当てたい!」
と言っているのと何も変わりません。
「宝くじで1億円当てたい!」を「目標」と言いますか?
単なる妄想ですよね?(笑)
こういう妄想に取りつかれている人がいたら、
世間一般ではどういう評価を受けるのでしょうか?
「俺は宝くじで1億円を当ててビックになるんだ!」
本気でそう思っている人がいたら、
「頭を冷やせ」と皆は忠告することでしょう(笑)
生徒達が掲げる上記の「目標」は、
行動を伴っていない以上、
宝くじ妄想と何ら変わりありません。
棚ぼた式の幸運を期待しているだけなのですから。
だからこそ、僕はそういう生徒に言います。
行動を伴わない「目標」は
「目標」という名の妄想である。
そんな妄想さっさと捨ててしまえ!!
勉強したくないなら、
そもそも上位校受験を諦めろ!
苦しい思いをしたくないのなら、
成績アップを期待するな!
自分を変えたくないなら、
●●で認められようと考えるな!
「目標」という名の妄想を生徒が振り回すと、
それは生徒本人だけでなく周りも巻き込みます。
その結果、関係者が多大なる迷惑を被ります。
たとえば、勉強せずに上位校受験して、
「記念受験だから」等と笑っている生徒がいます。
でも、その記念受験の受験料は一体誰が払っているのか?
私大受験であれば、
1校につき約30000円の受験料がかかります。
それを負担しているのは、多くの場合、
生徒本人ではなく生徒の保護者です。
「受験すればもしかしたら受かるかも……」
そんな下らない夢物語のために、
保護者は30000円という大金をドブに捨てるわけです。
こういうのを迷惑と言うのです。
「勉強しないで上位校に合格したい!」という妄想によって
保護者は余計な出費をするという事実を生徒は意識すべきです。
もちろん迷惑なのは保護者だけではありませんよ。
そうである以上、
そもそも変な妄想を掲げることなく
自分の身の丈に合った道を堅実に歩んだ方が、
生徒本人にとっても周りの人々にとって幸せです。
目標を掲げるなら、
それに見合う行動を取らなければなりません。
そうした行動ができないのなら、
その「目標」はゴミ箱にでも捨ててしまいましょう。