ある生徒に『Next Stage』を解かせました。
Next Stage 英文法・語法問題 3rd edition | |
瓜生 豊 篠田 重晃 ピアソン桐原 2011-11-09 売り上げランキング : 977 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
その生徒は、次のように嘆いていました
「英語は例外が多い!!」
この生徒が何を「例外」と言っているのか、
ネクステで実際に確認してみました
生徒は「仮定法の併用形」と言います。
一方、僕は、「仮定法の併用形」と聞いても、
頭の中に疑問が浮かぶだけです
そもそも仮定法に「併用形」なんてあったか?
生徒と一緒にネクステを確認しました。
生徒の言う「仮定法の併用形」は次の問題でした。
【空欄に適語を入れる問題】
If I had been told so then, I ( ) happier now.
① would be ② will be ③ am ④ have been
この問題の解説を見ると、
確かに次のように書いてあります。
「仮定法過去・過去完了の併用形」
生徒は、解説の「併用形」を文法用語だと思って、
仮定法の例外だと信じ込んでいたんですね
そんな生徒に僕は言いました。
「いや、『併用形』は文法用語じゃないし、
そもそもそれは例外でもないから!!」
仮定法を理解する上でキモとなるのは、
現実に起こりえない事象を
時制のズレで表すという概念です
たとえば、「今、~したいなぁ」と思う場合、
実際に~をできない状況にあるならば、
仮定法過去を使って表現します。
「あのとき、~しておけばよかった」と後悔する場合、
実際には~できなかったのですから、
仮定法過去完了を使って表現します。
つまり、現在の仮定は過去形で、
過去の仮定は過去完了形で表します
これが仮定法の原理原則です
仮定法には様々な言い回しがあります。
"I wish ..." や "If it were not for ..." 等ですね。
ただ、それらについては、
原理原則を踏まえた上で
イディオムとして覚えればいいだけの話です。
あとは、暗記を頑張れるかどうかの問題です
一方、冒頭の問題は、
イディオムの知識すら必要としない、
原理原則だけで解ける問題です
まず、if節の中を見てみると、
"If S had 過去分詞 ..." の形になっています。
ここから、仮定法過去完了と判断できます
if節の中が仮定法ならば、
if節の外も仮定法にするのが自然です。
そう考えて主節を見ると、
文末に "now" があります
"now" は現在を表す副詞ですから、
主節の時制は現在であると分かりますよね?
繰り返しになりますが、
現在時制で仮定法を使いたい場合、
仮定法過去を用いるのが原則です。
以上より、( )に入るのが過去形と判断できます。
"would" は助動詞の過去形で、
他に過去形の表現が無いことからも①が正解です
「仮定法過去・過去完了の併用形」なんて
わざわざ小難しく考える必要は全くありません。
原理原則を理解していれば解ける問題なのですから。
原理原則さえ理解できれば分かることを
「例外」だと思って混乱してはいけない!
件の生徒には、このことをキツ~ク言っておきました