先日、衆議院議員選挙もあったことですし、
今回は選挙に関連する問題を取り上げてみます。
【問題】
次の表は、2001年までに実施された衆議院議員選挙、参議院議員選挙、東京都議会議員選挙、統一地方選挙での東京都区市町村議員選挙のいずれかの実施年月とすべての年代の有権者の平均投票率及び20歳代(20歳から29歳までの年齢)の有権者の平均投票率を過去3回にわたってさかのぼり、東京都について示したものである。この表を見て、次の問に答えよ。(みみずく注:実施年月のみ記載する)
ア 1995年7月 1998年7月 2001年7月
イ 1993年6月 1997年7月 2001年6月
ウ 1993年7月 1996年10月 2000年6月
エ 1991年4月 1995年4月 1999年4月
問、次の文章は、ある議会の特色を示したものである。この議会の議員を選ぶ選挙は、表中のア~エのうちどれか。
○被選挙権者の年齢は30歳以上である。
○任期満了前の解散はない。
○議員に対する解職(リコール)の制度はない。
問の文章を読めば、
この文章に示された議会とは参議院であることが分かります。
一応、以下では教科書レベルの解説をしておきますね~
1.被選挙権
衆議院議員も地方議会議員も満25歳以上です。
被選挙権が満30歳以上なのは、
参議院議員と地方公共団体の長である首長です。
2.解散
衆議院の内閣不信任案可決をきっかけに、
内閣は10日以内に衆議院を解散できます。
衆議院を解散しない場合、内閣は総辞職します。
地方自治体にも似たような制度があります。
議会は首長に対して不信任の議決ができます。
一方、首長は議会の解散権を持っています。
3.解職(リコール)
地方自治では、直接民主制のしくみが取り入れられています。
そのため、住民には、
首長や議員の解職(リコール)等を求める権利、
すなわち直接請求権が地方自治法上認められています。
以上を踏まえて、問題を解こうと思います……
Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
表には、実施年月と平均投票率しか書かれていない~
では、何をヒントに答を選べばいいのか?
議員の任期を考えるんです!!
任期をまとめると、
衆議院3年、参議院6年、地方議会4年です。
これを思い出しながら表を見てみます……
Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン
6年間隔で実施されている選挙がないよ~
な~んて言わないでくださいね!!
参議院議員の任期は確かに6年ですが、
3年ごとに半数を改選します。
つまり、3年ごとに選挙が行われ、
その度に参議院議員の半数が入れ替わるしくみです。
1990年に当選したAさんは、1996年に任期が切れます。
一方、1993年に当選したBさんは、1999年に任期が切れます。
Aさんの任期とBさんの任期は3年ずれるわけです。
「3年ごとに半数を改選する」というのは
教科書にもフツーに載っていますよ。
受験生なら知っているはずですよね?
というわけで、
3年ごとに選挙が行われているアが正解です。
他のものも見てみますね~
選挙実施間隔がグチャグチャのウが衆議院。
解散が行われたからグチャグチャなんです。
ちなみに、2000年6月の衆議院議員選挙が、
かの有名な神の国解散後の総選挙です!!
イが東京都議会議員選挙、エが統一地方選挙です。
閏年の前年の4月に、統一地方選挙が行われます。
以上、知識を前提として
資料を正確に読解する力が求められる良問でした♪
ブログネタ:選挙の結果、どう思う?
参加中
どう思うと言われてもねぇ……
公共の場で、特定政党を支持したり
批判したりするようなことは言いたくないですし……
それよりも気になるのが、
今回の選挙の憲法適合性です( ̄^ ̄)
2011年3月23日、
2009年実施の衆議院議員選挙に対して、
最高裁は違憲状態という判決を下しています。
最近の中学教科書にも載っている1票の格差。
これを生み出す原因となっている1人別枠方式。
最高裁は、この1人別枠方式に合理性を認めませんでした。
もっとも、選挙を無効にしてしまうと混乱が生じるので、
違憲であると認めつつ選挙を無効にしませんでしたが……
違憲判決が出ているにも拘らず、
国会が選挙制度を改正しないまま実施された今回の選挙。
次に1票の格差を巡る訴訟が提起されたら、
今度こそ選挙が無効にされてしまうかもしれませんね……
もっとも、1票の格差云々以前の問題として、
小選挙区制そのものが違憲だと僕は思います。
小選挙区制は死票を量産し、偏った結果をもたらします。
しかも、2大政党制を目指した制度であるにも拘らず、
今回の選挙では多党乱立状態に陥ってしまいました。
小選挙区制の弊害ばかりが目につくのですが如何でしょう?
今回の選挙に対する雑感でした~