高校生指導の予習として赤本を解いていると……
※赤本…大学毎の過去問を収録した過去問集。
何だよ、これ?
解説間違ってるじゃねえかよ!!
ときどき怒りのあまり、
赤本を壁に叩きつけたくなってきます(笑)
旧帝大や難関私大などの赤本は、
解説もしっかりしている場合が多いです。
仮に赤本の解説が微妙でも、
駿台の青本など、他の過去問集もあるのでそちらを見ればOKです。
一方、日東駒専レベルの大学あたりからは
解説が間違っていたり、
そもそも解説が付いていなかったり……
他の過去問集を参考にしようにも、
赤本以外の過去問集は存在せず……
こういう教材を使って指導する場合、
指導者の学力が非常に重要になってきます。
学力のない指導者は、過去問演習に対応できませんから。
「生徒の指導で大事なのは学力ではなく、
できない生徒の気持ちになって考えられることだ」
↑のような意見もありますが、
少なくとも高校生指導に関しては学力が必須です!!
「出来ない生徒の気持ちになって考えられます♪」と言いながら、
指導者が生徒と一緒に悩んでいてはお話にならないんですよ( ´艸`)
もっとも、スケジュール管理や受験戦略だけを指導するなら、
指導者の学力はそこまで重要でないのかもしれません。
でも、教科指導をするのであれば、
やはり最低限の学力を担保しておく必要があります。
以上の理由から、SP塾勤務時代は、
他の講師に対して厳しく言っていたことがあります。
その内容について、僕が作った講師研修会資料から抜粋します。
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質の良い授業の条件=講師の学力の確保
→ある科目を「できる、得意だ」と言っていいのは、現役(浪人)時代の偏差値がその科目について70程度の場合だけ。それに満たない場合は、基本的に「自分はできない」と認識すべき。
→「自分はできない」と思う講師で、どうしてもその科目を担当したい(担当せざるをえない)場合は、必死で勉強しなければならない。できる先生は予習をしなくてもよいが、できない先生は予習に力を入れるべき。
※どの程度まで学力を上げればよいかの目安
①教科書の問題程度なら、何も見なくても解ける。
②教科書傍用問題集を何も見なくてもある程度解ける。
③最後まで答えを出せないにしても、解き方の指針は示せる。
④解答をサラッと眺めれば説明できる。
※入試問題は難しいので、③④程度でも良いと思う。
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僕が勤務していたのはド田舎の教室だったため、
教師の質の確保はどうしても難しい問題でした。
そのため、本来高校生を指導すべきでない講師が
高校生を担当するなんてこともよくありました。
「教科書や傍用問題集には解答解説が付いていないので、
学校(高校)の予習を進めていくことはできません。
塾用のワーク(解答付き)を使って指導しても良いですか?」
↑のような講師がフツーに高校生を教えていました
こうした状況に危機感を抱いていた僕は、
講師研修会で上記のことを言ったわけです。
遠回しに書いてはありますが、
以下の思いが僕の本音だったんですね~
学力のない奴が高校生を指導するんじゃねーよ!!
とはいえ、現実はそう上手くいかないもんです(*´Д`)=з
長年教えている生徒には愛着が湧いてしまい、
その生徒を手放したくないと思ってしまいませんか?
そして、その生徒が懐いているなら尚更、
「生徒のために……」と無理せざるを得なくなりますよね?
「高校生になっても先生の授業を受けたい!」
とその生徒に哀願されたら、どうしますか???
こういう状況に何も感じないのであればいいんですが、
そうでない指導者にとっては結構ツラいと思います
ただね……
学力の無い指導者がいつまでも生徒を教え続けるのは、
百害あって一利なし!というのが現実です
だからこそ、自分の学力に限界を感じた指導者は、
「自分はこれ以上君に教えられない」
と生徒に伝える勇気を持つべきです。
そして、自分が指導できなくなった後、
その先どのように勉強を進めていくのか
を示してあげられれば更に良いと思います。
場合によっては、
別の指導者を勧める場合も出てくるでしょう。
僕も、高校3年生のYくん (現理科大生)を指導していたとき、
英語と数学は何とか指導していたのですが、
さすがに理科2科目(化学と物理)までは手が回りませんでした。
そこで、一緒に働いていた医学部生Iくんに指導を依頼しました。
「Yくんを指導できるのはIくんしかいないんだ。
他の生徒のことや自分の勉強で忙しいだろうけど、
信頼できる人がIくんだけなのでどうしてもお願いしたい」
最愛のYくんの受験がかかっていたので、
僕も必死で頼みましたよ~(笑)
Iくんは快く引き受けてくれて、
Yくんの理科の成績を引き上げてくれました!
で、僕は、通常指導でYくんにいつも言っていました↓
「Iくんに言われた通りにやるんだぞ!」
僕もIくんを全面的に信頼し、
その思いを常にYくんに伝えていたので、
Yくんも抵抗なくIくんの指導を受けられたんだと思います。
(というか、Yくんは、むしろ僕の指導に抵抗があった?(笑))
以上、赤本の解説に対する怒りを紛らわすため、
つらつらと昔の思い出を語ってしまいました~