学問のしくみ事典―あらゆる「学」の系譜と相関がわかる | |
VALIS DEUX 日本実業出版社 1996-01 売り上げランキング : 363062 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
はい、また新品で買えない本のご紹介です!
本当にすみませんね……(T_T)
別に『学問のしくみ事典』でなくてもいいのですが、
学問の全体像や相関関係が分かる本は
とても良い教材になります!!
主に高校生指導で使用します。
大学で学ぶことの概要を高校生に紹介し、
進学意欲を高めるという使い方もあるでしょう。
推薦(AO)入試の面接・小論文対策でも役立ちます。
ただ、この手の本が最も役立つのは
実は語学の指導のときなんですね!!
上位校対策をしたことのある方ならご存知でしょうが、
上位校で出題される英語や現代文の問題には、
学問を扱ったものが多いんですよね。
もしお手元に英単語帳があるなら、
索引で "a" で始まる語を見てくんろ。
"anthropology" ってないっすか?
「そんなのねーよ!」って単語帳は
インチキなので捨てましょう!!
僕が見ているのは『つむぐ英単語』
つむぐ英単語―部品で覚える入試重要2300語 (河合塾SERIES) | |
内田 浩樹 Sarah S.Haas 河合出版 2006-07 売り上げランキング : 33740 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ちゃんと "anthropology" が載っていますよ(^_^)
で、この単語の意味ですが「人類学」とあります。
こちら で紹介した通り、
英語には接尾辞ってのがあって
"~logy" で「~学」を表すんですね。
そういう視点で改めて索引を見ると
"~logy" って結構ないっすか?
psychology : 心理学
biology : 生物学
zoology : 動物学
mythology : 神話学 etc
どうしてこういう単語が収録されているか分かりますよね?
入試に出るからです!
学問を表す単語がチョロっと出るだけならいいんですが、
「~学」の重要テーマがド~ンと出題されることもあります。
心理学における「カクテルパーティー効果 」とか、
経済学における「ゲーム理論 」とか、
考古学における「捏造 の醍醐味」とか……(笑)
もちろん、これらのテーマが出題されても、
高度に学問的な知識が要求されることはなく、
本文をしっかり読めば理解できるはずです。
とはいえ、
予備知識があるかないかで
本文の難易度が変わってくるのも事実です。
入試当日……
手元が震えるくらい緊張している状態で、
初めて見る言葉だらけの文章を読むのって、
かなり苦痛じゃないですか?
下手すると、頭の中が真っ白ですよY(>_<、)Y
そうならないように、生徒には、日ごろの勉強で
学問の重要テーマに少しずつ慣れてもらうわけです。
例えば「人類学」という言葉が入試問題に登場したら、
『学問のしくみ事典』の「文化人類学」の頁をコピー配布します。
わずか8頁の中に
「文化人類学」のエッセンスが凝縮されています。
文化人類学の起源
文化人類学は、ヨーロッパ人の非ヨーロッパ人への興味から始まった。
文化人類学とは、古代や未開社会の生活、風俗、宗教、慣習などを研究し、人類の文化の展開や変容を考察する学問であり、以前には民族学(エスノロジー)と呼ばれ、日本では音韻も同じ民俗学(フォークロア)との違いが真剣に検証された時代もあった。……
文化人類学の展開
フィールドワークの導入により、興味本位のまなざしから、学問的視点へと変化していった。
20世紀の文化人類学は、モルガンに代表される<進化>やフロベニウスの<伝播>などの理論の批判やあるいは展開によって進められたといえる。……
現代の文化人類学
構造主義的アプローチによって、文化人類学は、20世紀の学問の中心的存在になっていった。
文化人類学は現在、宗教学や民俗学、あるいは現代思想のような領域とクロスオーバーしながらさまざまな展開を遂げている。……
こんな感じで、「文化人類学」の概要が
『学問のしくみ事典』には書かれています。
さらに、相関図や重要語句の簡単な説明もあります。
語句の説明は明らかに不足気味ですが、
「偶像崇拝」や「通過儀礼」など、
お馴染みのキーワードが簡潔にまとまっています。
コピーを読み合わせながら、
「えっ?こんなことも知らないの?
ちょっと教養がないんじゃない?」
と愛弟子のYくん をイジメるのが日々の楽しみでした(笑)
英語や国語などの語学は
問題の解き方を教えただけでは
飛躍的に成績アップしないんですよ( ̄^ ̄)
背景的な知識をある程度知らないと
本文の理解が困難になってしまうからです。
だからこそ、
指導者は生徒に様々な情報を提供できるよう、
日々勉強し教養を身に付けていくべきなんです!
という言葉を僕自身に言い聞かせて、
このあたりでやめときますね~
蛇足ですが、
もう少ししっかりと学問的な知識を身に付けたければ、
アエラムックシリーズや
有斐閣双書-KEYWORD SERIESがオススメです!
ブックオフで探してみてください!!
哲学がわかる。 (アエラムック (6)) | |
朝日新聞社 1995-02 売り上げランキング : 481515 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
社会心理学キーワード (有斐閣双書―KEYWORD SERIES) | |
山岸 俊男 有斐閣 2001-01 売り上げランキング : 13899 Amazonで詳しく見る by G-Tools |