今日は、鶯の和歌についてプレゼンしました。鶯といえば、「ホーホケキョ」という鳴き声で有名な鳥です。和歌では、梅や竹と一緒に詠まれることが多いです。今まで、なかなか鶯を見る機会がなかったので、今年こそは、その美しい歌声を聞きたいものです。

 

ホトトギスは托卵性の鳥で、主に鶯の巣に卵を置いて、自分の代わりに育ててもらいます。一昨日のブログにも書きましたが、ホトトギスってなかなかの策士なのです。それについて詠まれた長歌がいくつかあるのですが、そこでは、ホトトギスを責めることなく、鶯とホトトギスがうまく融合している様子が表現されています。

 

おそらく平安時代の人は三つ巴の存在を、よく理解していたのだろうなと思います。当時は、日本、豪族、他国からの侵攻があったわけですが、相手を受け入れ、うまく融合し、オリジナルの文化を築き上げました。その様子は、和歌を拝読するとありありと伝わってきます。

 

融合する。つまり、「和」という字を見ると、聖徳太子によって作られ施行された「十七条憲法」の第1章が思い浮かびます。

一曰、以和爲貴、無忤爲宗。人皆有黨。亦少達者。以是、或不順君父。乍違于隣里。然上和下睦、諧於論事、則事理自通。何事不成。

<書き下し>

一に曰く、和(やわらぎ)を以て貴しと為し、忤(さか)ふること無きを宗とせよ。人皆党(たむら)有り、また達(さと)れる者は少なし。或いは君父(くんぷ)に順(したがわ)ず、乍(また)隣里(りんり)に違う。然れども、上(かみ)和(やわら)ぎ下(しも)睦(むつ)びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん。

(Wikipediaより借用しました。)

 

これは、論語つまり儒教の影響を受けていますが、日本人の思想の根本にも深くつながる内容だと思います。日本人の天才性というのは、外から入ってきたものを拒むことなく受け入れ、自国のオリジナルの文化へ発展させることができることだと思います。

 

「人間万事塞翁が馬」のように、一見すると悪く思えることも、良いことへ転じることがあります。(もちろん逆もしかりですが)日本人は禍を福に転じさせることができるプロなのかもしれません。

 

「万歌の会」会長 太三太