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よろよろ もうもう 

気ままな徒然ブログを よろよろとはじめました。。。

名古屋城木造化のゴタゴタは 一名古屋市民として本当になさけなく思います。

添付中日新聞にあるように エレベーター設置の話が ハンディキャップへの差別に発展してしまいました。

いろいろ思うことがあり、現時点の私見を書いてみました。

 

(1)木造天守再現の理念は?(観光目的がメインか 完全再現歴史価値がメインか)

・現在のコンクリート天守建造時には“将来も絶対燃えない天守としよう”と市や市民の熱い思いがあってコンクリート製として作られたそうです。”木造化は困難だったから”と さらっと説明した資料もあるようですが それよりも不燃化の理念が明確だったので 共通合意でコンクリート造りとなったようです。

内部は博物館として、そして外観は宝暦仕様でほぼ完璧に美しく再現されました。

それに比べ今回の木造天守化の理念はどうなんでしょう。河村市長のコメントのように名古屋観光の目玉? 歴史的遺産の完全復元? 将来の国宝化?等等 それらがそもそもわかったようで明確でなく それらが同時に実現できるものかの初期精査も不十分だったと思います。

また市民を含めた関係者の意志共有ができていない中途半端の状況で進められてしまったことも 大きな問題と思います。

・名古屋市による天守木造化の説明は 耐震問題や老朽化したからとか 現在のコンクリート天守は写真や資料で残すからというのみで 理念は述べられておりません。

ただ観光客増の市のビジョンは示されているので観光目的が大きな狙いであることは間違いありません。

当初の 竹中工務店ハイブリッド天守構想は エレベーター設置など大変理にかなったものに思えます。それが河村市長の一言で否定されてしまった。それは木造化の理念、ベクトル合わせが最初からできていなかったからと思えます。 竹中工務店は本当に気の毒です。。。

 

(2)天守木造再現化 観光の問題点:

・名古屋城天守は創建以来、内部は保管庫として使われていたそうで とても質素です。 本丸御殿のような観光的魅力があるのかです。広い立派な木の柱群を見て”へー うわー”と感じはするでしょうが、天守最上階/5階まで変わり映えしない景色が続くのです。本丸御殿のような感動が少ないと思えてなりません。

・しかし 外観はとんでもなく立派ですので 外観をもっともっと説明をする工夫をするだけでも立派な観光ポイントとなると思います。 

・木造天守が完成したとして 観光客の動線や天守入場人数計画は大丈夫なのでしょうか。小天守を通って 橋台を渡り 大天守階段を最上階まで上がるのは健常者でもたいへんでしょう。その間当然 トイレも水飲み場 自販機もありません。階段の構造も変えられないはずですし 多くの観光客をさばける動線はちゃんと考えられてるのでしょうか。

そして、観光客がたくさん入った時の天守内部の人だまりを思うと 広々とした壮大な柱群、大木造建築の感動は得られるのでしょうか。 

・外では本丸御殿の待ち行列と 小天守へはいる待ち行列が狭い広場に密集する風景を思うと大変なこととと思います。本丸御殿ができたので 本丸のスペースはとても狭くなっていまるのはご存知の通りです。それらがさばける計画は見たことがないのですが大丈夫なのでしょうか。

・最近 出ているエレベーターを設置する案は つけ刃的で ハンディキャップの皆さんが怒るのは当然と思います。エレベーターをつければ 当然完全再現でなくなるのですし、これも理念がないための判断ふらつきと思います。

などなど思い浮かびます。

 

(3)私の思い

河村市長の思い付き発言は これまでも機関車市内走行案をはじめ 多々ありました。その中で この名古屋城天守木造化のゴタゴタは いろいろな大きな損失を招きました。市長の人柄が名古屋市民に好かれているため 名古屋市民も深く考えずに河村さんに票を入れ、 結果的に木造化賛成ととられてしまった。名古屋市民も本物の木造天守のほうがいいにきまっている。という単純な考えだったと思います。だれでも 本物がいいに決まってます。しかし、、、

・建築費もこれからもどんどん上昇するようです 名古屋市民の本気度も低く寄付も想定通り集まるように見えないですし、市債にしても まわり回って住民税からとなるでしょうし 大切な市のサービスに大きな欠損が生じるでしょう。 文化庁や有識者を動かすベクトルも合わず 全体に手詰まりの状態と言わざるをえません。

・名古屋市はプロデュースが下手です。現在のコンクリート天守を建造した際のような 名古屋市民全体の熱い思いを結集する策は 今回の木造化に必須のはずですが よく見えません。 

例えば市民が多く目を通している ”広報名古屋”には 木造化の推進目指す熱い記事がほとんど出ません。これでは市民の気分も高まらないでしょうし寄付も集まらないでしょう。毎号半頁くらい使って名古屋城木造化の記事を載せるべきと思います。名古屋城の公式WEBはそこそこしっかりしてますが 天守木造化の箇所は 事務的で担当者の情熱は感じられず そもそも実際にWEB自体を見ている市民も少ないでしょう。

2032年以降完成というとても長い建築期間が必要で その間天守不在は仕方がないというのは 木造天守再建をやめてほしいという関連担当者の悲鳴に聞こえてしまうのは私だけでしょうか。

 

一度 思い切って立ち止まり リセットし、再度ベクトル合わせする再検討する最後のタイミングではないでしょうか。

 

(4)私の思う名古屋城天守 (無理は承知で) 

・理念:健常者もハンディキャップも海外観光者も 大人も子供も高齢者も 皆が楽しい観光ができる名古屋城天守。

・外観は 慶長の創建天守のデザインを再現しこれまでのイメージを一新。(瓦は本瓦に似せたダミーで軽量化。雨樋は宝暦改修に準じて作る変則採用)

名古屋城は外観が大きなの観光資源なので 外観を説明できる施設や展示を外にもっと充実させる。

・内観は 理念実現のために 完全木造にはこだわらない。名古屋城のすばらしさが観光客に分かる博物館とする。

ただし木造建築のすばらしさは体験できる展示とする。たとえば 一階くらいは木造エリアを広く再現して壮大な木造建築は味わえるようにする。

・費用を抑える=今の天守を耐震改良温存する。

という思いです。