中ノ郷信用組合の本店は東信組と同じ墨田区にあり本所吾妻橋駅から南に下った東駒形にあります。昭和3年の設立で、キリスト教の篤志家であり政治家、事業家でもあった賀川豊彦氏が創立者なのだそうです。ここの信用組合も地域住民に密着した金融機関であることを旨とし、本業においては地元中小企業の経営改善支援に取り組む他、地域活性化につながるサービスの提供として、店舗の一室や一部を地元市民に開放し、サークル活動や展示会などに利用されているようです。同組合のホームページ店舗案内をみると支店名や地図のほか、支店ごとで行われるサークルや講習会のスケジュールまで記されています。封筒についていえば、これまで集めてきた封筒の中で1,2を争う紙質のよさです。紙に関する専門家でもないので全然詳しくないのですが、単に分厚かったり透かしが入ったり、微妙な凹凸があるということではなく、個人的な好みとして、ほどよい厚みでいつもピンとしている(パリッとしている)、収集当日は雨が降っていたのですが、そのような湿気の中でも波打ったりしない、そしてスベスベしている、実はいい紙を使っているのではないかと推測してみたりします。とにかく同組合の封筒を手にとって〝あぁ、これはいい〟と快い感覚を与えてくれた封筒であり、その後これを超える封筒に出会ったことがありません(非常に極私的な意見で恐縮です)。封筒デザインも真ん中に親ペンギンが2羽のひなペンギンを連れ歩く、親はヒナを気遣い前を向きながらも視線は後ろのヒナを追う、といったなかなか優れた構図のイラストです。ひなははじめヒヨコかとも思いましたが、ペンギンは体毛が抜けて生えかわるのだ、と動物に詳しい中学生の姪に指摘されました。封筒上部には〝いつもありがとうございます〟封筒下部には楕円の中に白ヌキのレトロな書体で「なかのごう」とあり、〝豊かな暮らしづくりに奉仕する〟と、フラップには〝どうぞお気をつけてお帰りください〟と、いろいろ気配りしています。裏面には支店一覧があり、〝あなたの町の みんなの組合〟と書かれています。支店の住所の番地の表記が独特で、例えば本店は墨田区東駒形4~5~4、といった具合に-(ハイフン)ではなく~(波線)で丁目番地を記載しているのが何ともユニークです。





$銀行封筒収集の旅-nakanogo1_1
$銀行封筒収集の旅-nakanogo1_2
東(あずま)信用組合は東京都墨田区吾妻橋に本店があります。東京スカイツリーも間近に見ることができます。ホームページに当組合の紹介(ごあいさつ)が載っているのですが、仰々しく高邁な理想や哲学を語るのではなく、肩肘を張るようなものではない、身の丈に合った、謙虚で誠実な印象を受けました。
〝23年3月末現在預金量343億円の小規模な信用組合ですが、小規模であることを強みにして、信用組合らしい、心の通い合うきめこまかい金融サービスを、中小・零細企業や個人事業のお客様や地元にお住まいのお客様に、ご提供させていただいております。(中略)良きお客様に恵まれて創立58年、東信用組合の事業内容を、ぜひご覧になってください。〟
封筒は信用組合共通デザインを利用しています。下方の組合名には〝あずま〟とふりがながついています。

$銀行封筒収集の旅-azuma1
初回の地銀東京支店巡りで西新宿の新宿警察署前交差点角のビル1Fにきらやか銀行東京支店を訪問した後、警察署の裏手(西側)に東京厚生信用組合を発見し、封筒と2011年のカレンダーをいただいてきました。
封筒はかわいらしいイラストがついたデザインとなっており、何といえばいいのか、とにかく描写に苦労するシロモノです。あえて試みると・・・、遠景には太陽のもと、「しんくみ」という看板を掲げた建物などの街並みがあり、空には魚の形をした気球船らしきものが浮いている。近景には公園のような敷地で、小高い丘がいくつかあり、丘にはヤシの木らしき熱帯樹木が立っている。少し右側には噴水らしき囲いがあり、中ではクジラが潮を吹き、魚が顔をのぞかせている。さらに近くではフランスパンなど買い物袋をもったアシカの親と風船を持ったアシカの子が手をつないで歩き、さらにその手前ではスケートボードに乗ったウサギはあわてふためく一方、スケボーに同乗しているカエルは涼しい顔。さらにその手前(下)では3匹のカニがリズムに乗って、服を着たネズミがラグビー(?)に興じている。と、その意図を解しかねるイラストではありますが、後々になって、これが信用組合の封筒の共通デザイン(テンプレート、ひな形)として全国にたくさん出回っていることを知りました。(これを採用しなければならない、という意味ではないと思います。)下部にはロゴマークと組合名、裏面には店舗一覧が記載されています。


$銀行封筒収集の旅-tokyokosei1_1
$銀行封筒収集の旅-tokyokosei1_2
〝東栄信用金庫〟は同金庫の沿革によると、戦前に下小松信用組合として葛飾区下小松町(今の新小岩)にて創業し、戦後の昭和27年5月に東栄信用金庫に改組したとあります。また似た名称の金融機関に〝全東栄信用組合〟があり、神田小川町に創業したのは昭和26年10月とのことです。両社はまったく資本関係などもなく(事実と違っていたらご指摘願います)、それぞれの分野で今日まで50年以上経営が続いていることに〝アッパレだな〟と感じ入る次第です。新小岩駅南口からアーケード街に並行するバス通り(平和橋通り)を南に向かって徒歩5分ほどに東栄信金本店営業部があります。本店ということでシグマバンクグループ以外の封筒を期待したのですが、残念ながら空振りに終わりました。
小松川信金と同様、表面はシグマバンクグループのデザインで振り込め詐欺の注意喚起、ロゴマークと金庫名、裏面は支店一覧となっています。なお東栄新信用金庫の正しい漢字表記は〝東榮信用金庫〟と榮という旧字体となっており、看板や封筒の金庫名は古めかしい書体とともにこの文字がつかわれます。

$銀行封筒収集の旅-toei1
封筒収集を重ねていくうちにわかってきたことの一つに、封筒の種類が一番充実しているのは本店であることが多い、という傾向でした。基幹店舗だから当たり前だろう、とご指摘を頂いても仕方がないことでもあるのですが、はじめの頃は、限られた時間で一番効率的に多くの金融機関を回る、という命題に沿って、駅近くで多くの金融機関が集まっているエリアを重点的に攻める(例:地銀の東京支店)、ということでしたが、封筒のバリエーションとしてはそれほど面白味がない収集結果に終わるケースが多かったと思います。本店を巡りはじめるようになってわかったのですが、支店にはない大型、中型封筒が設置されていることがあり、それからは多少不便でも時間が許せばあえて本店まで足をのばすようになりました。その結果レアな封筒にも出会うことができ、また建物などにしても各金融機関の素性も表れているような気がして、好んで本店巡りをするようになった次第です。
そんな中、小松川信用金庫本店は東京都江戸川区平井にあり、総武線平井駅北口からすぐのところにあります。信用金庫でも羽振りのよいところは豪華なビルを構えることも少なくないのですが、同金庫の本店は昭和30~40年代がそのままタイムスリップしたような、レトロな建物でありました。(それもそのはず、都内信用金庫で最古参です)自店舗への整備も含め過剰な投資をした金融機関が厳しい景気に堪え切れずに合併解散の憂き目に遭っている一方、(失礼ながら)質素な建物で頑張って、事業を継続しているその姿勢は個人的には好感が持てるものであります。実際に手堅い運営をしているようでもあります。
そんな小松川信用金庫でシグマバンクグループ以外の封筒を期待して本店まで訪れたのですが、残念ながらそのような封筒はありませんでした。そして、本店だからといって封筒のバリエーションが多いとは限らない、という新たな知見を獲得したのでした。
封筒は他のシグマバンクグループと同様です。表面には振り込め詐欺への注意喚起、裏面は店舗の一覧が掲載されています

$銀行封筒収集の旅-komatsugawa1