ドイツの牧師であり、反ナチス組織の指導者でもあったマルティン・​ニーメラーの言葉に由来した詩があります。

 

 

彼らが最初共産主義者を攻撃したとき

 

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった 

私は共産主義者ではなかったから

 

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった 

私は社会民主主義者ではなかったから

 

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった 

私は労働組合員ではなかったから

 

そして、彼らが私を攻撃したとき 

私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

 

 

 

ニーメラーが反ナチ運動を開始した1933年。

ナチ党党首アドルフ・ヒトラーがドイツ国首相に任命され、ヒトラー内閣が成立しました。

ナチスドイツの本格的な台頭の始まりです。

この年の5月10日夜、ナチスの強制的同一化の影響を受けた学生たちにより、後のホロコーストにつながる象徴的な事件(焚書)が起きました。

学生たちはベルリンのベーベル広場に集まり、反ナチスやユダヤ人の本およそ2万5千冊を書物を投げ捨て、火を放ち、焼き尽くしたのです。

その中には、シラーやトーマス・マン、アインシュタインなどドイツを代表する人たちの著作も多く含まれていました。

ドイツの詩人でユダヤ人でもあったハインリッヒ・ハイネの本も焼かれました。

 

奇しくもハイネは、この焚書の112年前に戯曲 『アルマンゾル(Almansor』 の中で、予言とも言える警句を記しています。

すなわち 『焚書は序章に過ぎない。本を焼く者は、やがて人間も焼くようになる。』

ナチスドイツが大量虐殺を開始し、人をも焼くようになるのは焚書から8年後のことでした。

 

 

ブログにも書いたナチスドイツのホロコーストドギュメンタリー 『ショアー』

ナチスドイツの権力が強まるにつれ、武力で社会を押さえつけ迫害範囲を広げていく社会に冷たい脅威を感じずにはいられない映画でした。

そして、今のロシアによるウクライナ侵攻に同じ恐ろしさを感じずにはいられません。

決してそれは、対岸の火事ではないのだから。

 

手遅れになる前にワタシ達にできることは、まずは知ること。

そして、『曇り無き眼でものごとを見定め、決める』 こと。

『もののけ姫』 のアシタカの言葉です。