2011年3月に起きた東北大震災を期に、東京の空は格段にうるさくなったと思います。
とくに低空飛行で爆音をまき散らすヘリコプターが増えました。
ひどい時は窓や雨戸がきしんだり、家全体が揺れるほどだったりで、ちょっとした地震並です。
震災の当初は非常時だから仕方ないと思っていました。
救援物資の輸送とか色々あっただろうしね。
でもさすがに震災から4年も経つのに未だに低空飛行のヘリコプターが多いのは納得できん!
しかも最近はジェット旅客機も間近に飛ぶようになったみたい。
これは何かおかしい!
主な原因として以下の3つを考えてみました。
1. 数キロ圏内で事故や事件があった際のマスコミの取材ヘリ。
2. 自衛隊や米軍などの勝手な飛行演習。
3. 航空機の飛行ルートの変更。
いづれにしても都道府県や市区町村の力量が関係しているのではないか?と思うのです。
1の「数キロ圏内で事故や事件があった際のマスコミの取材ヘリ。」についてはこれまでもさんざん煮え湯を飲まされてきたというか、その都度ネタにしてきました。
*上空待機の迷惑取材ヘリ、私的に撃退通報キャンペーン実施中。
*住宅街の上空でスクープ合戦勃発?
*取材ヘリをなんとかして~!
自宅付近に長時間滞空する迷惑ヘリコプターを見かけたら、即110番通報で一機でも多く取り締まってもらいましょう。民間機なら警察で対応してくれるそうです。
でもこれが2の「自衛隊や米軍などの勝手な飛行演習」となると事は簡単ではありません。
世田谷上空のヘリに関する情報はないのか?と思って探してみたらありました!
それが
*成城・祖師谷地域「九条の会」
「九条の会」の「九条」は「憲法9条」のことで本来は護憲を主張する会のようです。
このサイトには「空の騒音問題」のコーナーがあって色々参考になるPDFを閲覧できます。
*『気づいていますか 世田谷の空の爆音』
以下に一部引用させて頂きます。まずは世田谷の空がうるさい原因の部分。
◆各地の被害となぜ世田谷の空がうるさいか?
・関東平野では横田基地所属機による有視界飛行コースがあって500m以下で訓練を実施している。有視界飛行の時は電車線路、高速道路を目印として飛んでいる。
・2013年の(朝霞)自衛隊観閲式での飛行(V字形)のために10月に3週間、11月16日も20機余りで上空150mで訓練、このため非常にうるさいとの苦情が住民から練馬区役所にだされ区役所から自衛隊へ市民の声を連絡した。
・美濃部都知事時代には、自衛隊の訓練をさせなかった。
自衛隊は都心でやりたい、見せたいとの意向が強い。
この「美濃部都知事時代には、自衛隊の訓練をさせなかった。」という一文にご注目。
これはつまり行政の長が強い態度で臨めば、自衛隊機の低空での訓練を阻止できるということでは!?
それから肝心の「どうやったら止められるか?」という対策の部分。
◆どうやったら止められる?
・飛行データを取り地元の住民が声をあげることが重要。
群馬県では飛んだらカレンダーにつけている。
高知県では飛行機の後ろ姿を観測記録している。
埼玉でも低空訓練の情報を集めている。
渋谷、玉川、砧でも苦情が出ているが点で観測データを押さえると繋がってくる。
データをもとに防衛省に言うと多少は聞いてくれる。
・都心に基地は危険、生活の場を守る立場で関係当局との交渉を続けて行くことが重要。
・練馬では朝霞での観閲式や自衛隊式等での被害がでており、区を巻き込んでの対策で事前通知、飛行ルートの変更をさせている。
・沖縄には爆音などの問題を受け付ける窓口がある。
沖縄以外では東京都にはあるが米軍には言うが自衛隊には言わない。
飛行禁止、ルート変更、高く飛べ、学校の上空を飛ぶなとか言って行く必要がある。
要するに都道府県はもとより、市区町村の首長が強い態度で臨めば、米軍・自衛隊機の低空での訓練を阻止できるということでは?!
とりあえず都庁や区役所にまめに苦情をいれて「地元住民の声」を届けることが必要なようです。
それから今、私が一番気になっているのが3の「航空機の飛行ルートの変更」です。
近年羽田空港が拡張されて、発着枠が拡大されているようです。
しかも東京オリンピックに間に合わせるように24時間化も計画されているみたい。
なるほど最近、ジェット旅客機の爆音が聞こえるのはそのせいなのね。
*羽田空港の発着枠が2020年までに拡大へ。「世田谷・目黒縦走」飛行ルートで騒音問題は大丈夫?
世田谷区議会議員 おおば正明氏のブログによると世田谷区も無縁ではないそうで由々しき問題です。
*騒音問題
離陸コースが、玉堤、玉川田園調布、尾山台、等々力、奥沢、野沢、下馬の上空を通過するように見える。時間帯は午後3時~午後7時に限定されるというが・・・便数も集中して多い。(中略)
世田谷区に限っていえば、離陸コースと着陸コースがクロスする域に隣接する北沢、代沢、池尻、三宿、下馬あたりが頻繁となる。
う、ウチの上空がもろルートじゃん!!!
成田のほうを拡張してよ……。
ホンの数軒の農家が左翼団体の力を借りて頑張っているせいで、いつの間にか羽田のほうがメインになってしまい成田は寂れつつあるようです。
そのとばっちりで都民は航空機の騒音に悩まされることになるのです。
あと米軍が管理する横田空域も問題です。
*首都圏の空域について
この横田空域はこれまでも部分的に返還されてきたそうですが、その度に民間の飛行ルートが変更になって騒音苦情が寄せられてきたようです。
いつまでも日本の空を米軍が管理しているというのは癪ですが、かと言って民間機が好き勝手に飛び回るようになっても困るのです。
世田谷区議会議員 上川あや氏などは、いまから6年前(2009年)にこの問題を取り上げています。
*横田空域の返還で世田谷上空が空路に。騒音問題に対処せよ
更にこの時点で羽田の24時間化による問題を危惧しています。
*来年10月の羽田空港大容量化、24時間化に備えよ
区は悠長に構えているようなんですけれども、果たして問題はないのだろうかということを思うんですね。千葉市では先月五日、国土交通省に文句を言って、夜間の飛行コースを取り下げさせているんです。浦安市も千八百万円の予算をかけて市民アンケートを行って、国に対する交渉材料をふやしています。区としてはどう対応するんでしょうか。
ただ最近はこの問題に関する発言をあまりされていないようですね。少し残念です。
ちょっと考えて見たのですが、航空機・ヘリコプターの爆音問題の一因として、自治体の首長の力量も関係しているのではないでしょうか?
改めて考えてみると2011年は震災のあった年でもありますが、統一地方選挙があった年でもありました。
都知事もあの強面の石原さんから(腰巾着と揶揄された)猪瀬さんに替わりました。
世田谷区でも熊本哲之さん(自民党・保守新党推薦)から保坂展人(元社民党)さんに替わりました。
それ以来都心の空はうるさい状態のままです。
いまに比べれば石原都知事の時代はまだ静かでしたね。
自治体の首長ですからそれぞれの任された役所に影響力があるのは当然です。
でもそれだけでは不十分なのです。
自治体の首長に必要な能力のひとつとして、「国の省庁や各機関に対してどれだけ影響力を持っているか?」ということがあるのではないでしょうか。
都知事ならば都民のために国に対して権利を主張する。
区長ならば区民のために国や都の各機関に対して権利を主張する。
それができるかどうか?
(そう言う意味では革新政党出身の保坂氏に「世田谷区長」は無理があったと思います。
一議員だった頃は政権与党に異を唱えるだけで良かったのかもしれませんが……。
「世田谷区」は日本の首都東京で一番人口の多い自治体です。しかるべき人材が治めれば「世田谷から東京を変える。」ひいては「世田谷から日本を変える」というくらいのポテンシャルを秘めているのです。)
国土交通省や防衛省にも顔が利き、物を言える人物が行政の長であれば都心の空はいまも静かだったのではないかと思えてしまいます。
勝手に飛行ルートに組み込まれて、都民・区民が迷惑しているのに何もできない首長には「能なし!」と言って良いと思います。
東京の空を静かにするためにも、今月行われる統一地方選挙では「力」のある人材を首長に選びたいですね。